PAUL'S RECORD CRAZE DIARY - #26-#29
(ポールのバカ買い日記-第26回〜29回)
ポールって誰だなんて言わないで下さい。ポール・フランクこと荒特派員です。僕も結構レコード買いますが、いゃ、もう凄いです。脱帽です。ファンレーターは、junya-ara@mtc.biglobe.ne.jpまで。
(Sorry! Japanese Only)
第29回
<12/29/00 (金)>
今日は久々に(ニコラス)たけしたさんとレコハン。池袋で待ち合わせしてから、まずは新宿へ。「ディスクユニオン新宿店」から。定番コースですな。まず7Fから。混んでいる。
- SAILOR 『CHECKPOINT』 ('77) LP \1,795
・・・「テクノポップ/エレポップ」本の117ページにも載ってるセイラーのアルバム。でも、テクノではないですけどね。プロデュースはブルース・ジョンストンで、制作にはカート・ベッチャーも関わっています。だからと言って別にセイラーがソフト・ロックをやってるわけではなく、A面を聴いてるうちは「今までのセイラーとあんまり変わんないな」と思ってたんですが、B@でちょっとビックリ。なぜかディスコなセイラーです。四つ打ちキックで、スペイシーなシンセ音とや薄〜くヴォコーダーも入れたファンキー・ディスコ。これはちょっと異色。“いつものセイラー”な感じで良い曲は、AA「Romance」かな。ベストCDで既によく聴いてた曲ですけど、やっぱりいい曲。でもアルバム全体としては、初期の胡散臭い感じが薄くなってしまった感じがして残念。いいアルバムには違いないんですけど。
- GOLDEN EARRING 『MOONTAN』 ('74)
LP \1,596
・・・「ストレンジ・デイズ」2000年7月号、83ページ参照。オランダの長寿ロック・バンド。サウンドはなんとも中途半端というかガツンとこないというか。全5曲入りで、プログレというわけではないんですが歌のない演奏部分が多い。ニッチには違いないですが、何かが足りない。欠けている。ちなみにジャケは修正前の、女性の全身が写っているやつ。だからと言って特に興奮しませんが。裏ジャケは全裸の男が宇宙服を着た人と踊っている写真。まったくもって意味不明。
- MIKE BATT AND FRIENDS 『TAROT SUITE』 ('79)
LP \1,596
・・・ニッチでおなじみのマイク・バットのアルバムで、コリン・ブランストーン、ロジャー・チャップマン、ロリー・ギャラガー、クリス・スペディング、アラン・パーカー、メル・コリンズ他、錚々たるメンバーが参加しています。・・・しかし・・・。ものすごいソリ盤!!!
ベッコベコですよコレ〜(T_T)。聴いていると針が海上の船のように上下に波打ち、そのたびに針飛びしてマトモに聴けやしねぇんだぜ、ケッ。憤怒憤怒。よって、内容に関するコメントは不可能でありやす。あしからずm(_
_)m。まったく。・・・こんなの売るなよ。火つけたろかしら。ふぬぬ。もういい、俺はフテ寝する(おおむねよいがしゅみがわるい)。
つづいて6Fに行ったものの収穫ナシ。そして4Fへ。
- グレイシャス 『グレイシャス』 ('70/'00)
CD \2,140
・・・「ストレンジ・デイズ・プレゼンツ」としてリマスター紙ジャケ再発されたプログレ・アルバム。以前MSIからリリースされていたCDは持っててハマってよく聴いてました。ただ、MSI盤は音がコモった感じがしてたので、今回のリマスターは実に嬉しい。ものすごく音が良くなってます。
大好きなのは@の「イントロダクション」という曲。これはタイトルに反して6分近くあるポップな曲で、ハープシコードと分厚いコーラスがいい味出してるんですよ。サビ前のハープシコードのフレーズと、サビの♪Close
your eyes if you want to eye♪(なぜかライナーに歌詞が掲載されてないのでMSI盤で確認)のトコのコード進行にグッときますね〜。他、A「天国」も好き。くすんだ感じのコーラスがなんとも素晴らしい。B「地獄」はなんともムチャクチャな展開をする曲で、いい意味で落ち着きがない曲。途中にオッフェンバックの「天国と地獄」がいきなり出てきたり。C「フーガ・イン・Dマイナー」はちょっと聴いただけでは「バッハあたりの曲をやってんのかな」と思ったらどうやらオリジナルらしい。また出てきたハープシコードと、12弦ギターをフィーチャーしたクラシカルな美しい曲。泣ける。実に泣ける。ラストD「夢」はBと同じくとりとめのない展開をする大作。途中「ヘイ・ジュード」のフレーズが出てくる。う〜ん、オモチロイ。
ところで、ライナーの最後で「近年、一部のメンバーによる再編の動きがあるらしい」とありますが、'96年に再結成盤『ECHO』というのを既に出してるんですよ(MARQUEE'97年70号のディスク・レビューに載ってますぜ、小西勝さん)。ただ、中心メンバー二人を除く三人での再結成だったそうですが・・。いわば浅野孝巳、スティーヴ・フォックス、トミー・スナイダーの三人だけで“ゴダイゴ”と名乗ってるようなもんですか(・・・はたして何人にこの例えが通用するのか)。また、ハープシコードでいい味出してるキーボード担当のマーティン・キットカットへのインタビューもMARQUEE'95年59号にインタビューが載ってますので興味のある方は古本をゲッチュ。「もうロックをやるには年をとりすぎたよ」とか言ってます。
- グレイヴィ・トレイン 『ア・バラード・オブ・ア・ピースフル・マン』 ('71/'00)
CD \2,140
・・・同じく「ストレンジ・デイズ・プレゼンツ」の中の1枚。これも以前MSIからCDが出ていました。これは2ndアルバムで、1stの方は'71年当時日本盤LPが出たようですが、それが売れなかったからなのか何なのか、この2ndの方は日本発売は見送られてしまったようです。このバンドはフルート奏者がメンバーにいるのが特徴。と言うと、ジェスロ・タルあたりが浮びますが、やはりよく比較されたようです。本作はオーケストラを取り入れており、タイトル曲をはじめ、かなり仰々しく盛り上げる曲が多い。ハード・ロック調、ブルース・ロック調とだいたい予想通りの展開。いい感じのB級70'sロックというところでしょうか。ガツンとクる曲はないですが、なかなか良いですよ。このテのマイナー盤は好きです。
- ジョン・ウェットン(UK)・ソロ・アルバム 『クロスファイアー』 ('81)
LP \945
・・・元クリムゾン〜UKのウェットンの1stソロ(これ以前にジャック・ナイフ名義のアルバムも出ている)。UKでの変拍子攻撃はなくなっており、ポップな曲が並んでおります。本人曰く、本盤は“プレ・エイジア”的な音ということらしいです。B面はけっこうハードな曲が多いです。・・・しかし驚いたのは、「ユーロ・ロック・プレス」のVol.7のジョン・ウェットン特集でも書かれていましたが、タイトル曲ですよ。これ、「そんなヒロシに騙されて」そのままではないですか!・・・桑田佳祐がジョン・ウェットンを聴いていたんでしょうか・・。「ドロボー歌謡曲」という本では「そんなヒロシ」はオックスの「スワンの涙」のパクリということになってますが。・・・ジョン・ウェットンがオックスを聴いていたんでしょうか・・。謎は深まるばかり。
そして1F。店内でどっかで聴いたことのある曲が流れていて、よく考えたらトッドがやっていた「ティン・ソルジャー」という曲のライヴ・テイク。たけしたさんに訊いたら「オリジナルはスモール・フェイセスですよ」とのことで、あ、そっかトッドのはカバーだったっけと思った次第。スモール・フェイセスってカッコイイな。チェック。って今更。以下、トータス以外の3枚は輸入新品未開封中古箱から。
- トータス 『スタンダーズ』 ('01) CD
\2,446
・・・久々のアルバム。トータスって、アルバム聴いてもいつも好きになるまですごく時間がかかるんです。『TNT』もやっと最近好きになったくらいで。最初聴いた時はなんだか世間の騒ぎとは裏腹にあんまりいいと思えなくて(むしろツマンナイと思った)。1stとかもそうでしたね。で、本作は生演奏重視ということで、トータスにしては最初から取っ付きやすい感じです。ギターやヴィブラフォンの音はいつもの感じですが、ドラムの音の歪ませ方とか、ブレイクビーツ的なカッコ良さです。好きなのはトーキング・モジュレーターっぽい音が聴こえるF「Monica」かな。C「Firefly」やG「Black
Jack」も良いです。レコ評では「地味」とか「過度期的な作品」とか書かれてますが、取っ付きやすさでは一番かも。
- KENNY 『THE BEST OF KENNY』 ('94)
CD \1,050
・・・ニッチ“アイドル志願”系BCRフォロワー・バンド、ケニーのベストCD。冒頭2曲がすごいハイトーン・ヴォイスの歌で、なんじゃこりゃと思ってたら同姓同名のケニーさんのシングルらしい。ニッチなケニーと同じくマーティン/コウルター組の曲だからということのようですが、ムチャクチャなことしますな。インナーでジャケ写がたくさん載ってるんですが、2枚だけジャケットに一人しか写ってなくて「4人脱退しちゃったのか」とか思ってたんですが(^_^)。なんか顔もオッサンくさいし。他も、一人脱退したらしく4人だけのレコがあったり、その後に出したやつなのか、5人写ってるうちの一人がパンチパーマぽかったり(^_^)、大変そうです。曲としては「The
Bump」が一番。後半、メンバーのオリジナルが増えてきますが、ちょっと精彩がない感じ。
- THE BARBARIANS 『ARE YOU A BOY ARE YOU A
GIRL』 ('00) CD \840
・・・ガレージ・パンク・バンド、バーバリアンズの唯一のアルバムにシングルをプラスした完全版CD。例のガレージ系コンピ4CDボックス『ナゲッツ』にてその存在を初めて知ったのですが、このバンドはかなりキワいのです。サウンドはいかにも当時のガレージ系という感じで、ほとんどカバー曲だし特出したものはありませんが、このバンドのドラマー、Victor'Moulty'Moultonは、左手が義手なのです。最初写真を見たときはかなりギョッとしました。上着から伸びるスティックを握る左手は、まるでロボット・ハンドのソレなのです。ただ、バンドとしてはそれを売りにしていたようで(というかそれ以外に売りがなかった)、「Moulty」などという“なぜ僕が片腕を失ってもドラマーになろうとしたのか”を歌った自伝的な曲もあるのです。ただそれがプロデューサー側の意向で、それを嫌がったMoulty以外のメンバーはレコーディングをボイコットし、結局演奏はホークスが担当したということです(このホークスというのは後々ザ・バンドと名乗る)。興味のある方は「レコード・コレクターズ」の細野さん特集号、後半の44ページ、CDレビューを見てください。僕がここに書いた文章とほとんど同じことが書いてあります(^_^)。
- MERRICKS 『ESCAPE FROM PLANET MUNICH』 ('98)
CD \525
・・・元デア・プランのメンバーも絡んでるというジャーマン・ヘンテコ・エレポップ・バンド。SUB-UPからのリリース。ドラムなど生のモノも多いですが、シーケンサーを使ってたりヴォコーダーが多用されてたりしてオモロイ。歌は少ししかないですが、女のコの衒いもない歌声がキュート。インストものではホーンなども取り入れ、昔の映画音楽風というか、渋谷系的〜ラウンジ的な面も。タイトルやヴォコーダーの使い方からして、多分にモロダーちっくな雰囲気を醸し出しております。
そして新宿を出て、渋谷へ。渋谷はレコハン久々だな〜どこ行こうかな〜と思ってたら、たけしたさんは「いや、昼飯食べに行きましょう」とのことで、レコハンじゃなく以前メールでちょっと話題にした回転寿司屋へ連れてってもらうことになりました。その名も「びっくり寿司」。名前はちょっとトホホな印象ですが、・・・・これがまたメっチャメチャ上手いのよ!!!駅から出てちょっと狭い道にあります。こんなトコはレコハンの時には通らないもんな〜。知らなかった。ここは穴場中の穴場。ネタも結構デカくてシャリも上手いし、これはまた絶対行きたい店でがんすよ。値段はほとんどが一皿\130。う〜ん、今まで行ってた「大江戸」を超えたかも・・・。回転寿司だからとバカにできないほどですよ、これは。たけしたさんはニッチだけでなく回転寿司のオーソリティでもあったのでした。侮りがたし。で、大満足で10皿平らげたあと、「どこへ行きましょうか」と駅へ向かうものの行きたい駅が浮かばない。「・・・とりあえずユニオン行きますか」と、結局渋谷でレコハン(^_^)。「ディスクユニオン渋谷店」はセール中で結構な品数。
- THE MEN 「I Don't Depend On You」 ('79)
12" \2,310
・・・「テクノのススメ」の23ページ参照。ヒューマン・リーグの前身ユニットの唯一のシングルで、某VINYLで結構な高値でずっと売ってたもの。今回も決して安くはなかったですが状態が良かったし購入してしまいました。曲調はやっぱりヘヴン17っぽいファンク・テクノで、ドラムもファンキーなベースも生。コリン・サーストンのプロデュースはサスガという感じ。12インチながら4分半というのはちょっと物足りないですがいい曲です。B面は「Cruel」というタイトルですが、A面のリミックス・インストです。
- NO DICE 『NO DICE』 ('77) LP
\1,890
・・・ニッチ本、152ページ参照。当時の邦題は『ロンドンの顔役』。わりとストレートなロックンロールが主体で、普段好んでこういう音(ストーンズとかフェイセスとか)を聴くことはないですが、こりゃ実にカッコイイ。デビュー・アルバムにしてはかなりレベルが高いです。A@「Why
Sugar」とAD「Fooling」あたりが良い。ただ、メローな曲でのベロベロのサックスは要らない。それを除けば上出来。演奏も上手いし、アレンジも良いです。ところでこのジャケ、ヒプノシスっぽいけど違うでしょ?
そんなクレジットないですよ。
- MONDO ROCK 『MONDO ROCK CHEMISTRY』
('81) LP \315
・・・正体不明のバンド。裏ジャケの、メンバーのちょっとニューウェイヴな感じのルックスと、バンド名がちょっと引っ掛かって購入。A@のギターの音一発で「・・・こりゃアメリカっぽい音だなぁ」と落胆。その後もあまりヒネリのないポップ・ロックな曲が続く。シンセも使用されていますが、味付け程度。曲によってはちょっとウエスト・コーストな雰囲気も。こういうレコは個人的に「ハズレ」と言ってます。
つづいて「レコファンBEAM渋谷店」へ。
- JONA LEWIE 『HEART SKIPS BEAT』 ('80/'92)
CD \683
・・・「テクノポップ/エレポップ」本の86ページや「モンド・ミュージック」のアート・スクール・ロック特集でも取り上げられていたジョナ・ルイの2ndアルバム。以前たけしたさんの家に行ったときこのCDを見つけて「え〜、CD出てたのか〜欲し〜」と、CD
NOWとかで注文しようとしても既に廃盤の様子。く〜と思ってたらアッサリ発見。嬉ちい。ジャケのダサさは相当なもんですが(ちょっと仲井戸麗市に似てる)、ルパート・ハイン、ボブ・アンドリュース、ゴドレイ&クレームらがプロデュースしてる本作は、紛れもないモダン・ポップ。セイラーあたりにも通じる無国籍ポップを、ルパート・ハインらが見事に調理しています(陳腐なフレーズでんな)。前作も持ってるんですがあまり印象がなく、こんなにいい曲を書く人だったとは。シングル曲など9曲もボーナス・トラックとして追加収録されています。とにかく素晴らしい。すべて素晴らしすぎる(by
George Harrison)。激オススメ。高値で買っても損はしませんぜ。
- EP-4、SCHWARZ、TRICKSTER、JUNK JUNGLE GENRE
『KYOTO NIGHT』 ('87) LP
\262
・・・キャプテン・レコードからリリースされた、京都で活動する4バンド各2曲計8曲を集めたオムニバス・アルバム。EP-4はいつもの調子というか、「またですか」という感じで新鮮味ナシ。シュヴァルツはエレ・ファンクな歌モノ。曲自体はわりといいのに録音が平坦で損してる。トリックスターはこの中では一番。分かりやすいテクノ・ビート。ヴォーカルがニューロマというかゴシックというか、ラルク・アン・シエルなんかにも通じる歌い方。ジャンク・ジャングル・ジャンルはじゃがたらみたいなファンク・バンド。この中ではこのバンドだけが日本語。2曲目のスネア処理が面白い。
- カーズ 『キャンディ・オーに捧ぐ』 ('79)
LP \367
・・・「テクノポップ/エレポップ」本、51ページ参照。カーズのレコはこれで3枚目。今まで聴いた中ではこれが一番いいな。全般に使われてるピロピロしたシンセ音がイカス。かっこいいのはやっぱりA@「レッツ・ゴー」ですね。これの♪パン、パン、パパパン、パパパパン、れっつごー♪って、これブライアン・フェリーの「TOKYO
JOE」そのままではないですか。窪田パルヲ氏も「ラブ テロリスト」でパクッてましたね。他、AD「シュー・ビー・ドゥー」やBD「危険がいっぱい」もなかなかです。
- ファッション 『ファブリック』 ('82)
LP \578
・・・「テクノのススメ」113ページ参照。シンセ・ファンク・バンドだというので「あー、だいたい予想がつく」とか思ってたんです(生演奏主体でシンセが味付け程度につく、というような)。ですが、聴いてみたらこれまた。エレ度は予想以上に高かった。生ベースがファンク的な味付けをしてますが、他はシンセ使用率が高い(シーケンサー使ってる)し、ちょっとブラコン風な感じもある曲調もすごく心地良い。ヒットしたA@「ムーヴ・オン」はもちろんカッコイイですが、AB「ストリート・プレイヤー」もかなり淡々とファンキー・テクノしててすごく良い。マリンバみたいな音のリフなんか出てきて、けっこう芸が細かい(ADにも出てくる)。いや〜、このアルバム、好きです。良いです。かなりオススメです。多分激安だと思いますので、見つけたら即買いよ。
このあと「イエロー・ポップ渋谷店」へ行くものの、収穫ナシ。下北沢の方のは結構品数多くていいんですが、こっちは狭くてレコ漁りがツライ。で、「タワーレコード渋谷店」へ。まだ買ってないゲリマンの新譜があったものの、3月にエンハンスト仕様になって新装発売するというので(アコギ〜)、ここはもうちょっと我慢。5Fの電子音楽コーナーで色々試聴するものの、あまりガツンとくるものがなく却下。で、結局何も買わず店を出て、駅の近くにある「レペ」という喫茶店でコーヒー飲みつつ濃厚トーク。その後電車に乗り、たけしたさんとは新宿でお別れ(たけしたさんは中野坂上なので)。で、ワタシは池袋へ。時間は6時過ぎ。このまま帰るのは勿体無い、とロンリー・レコハン再スタート。まず「レコファン池袋店」へ。ここは「レコードマップ」にはレコードがあることが載ってませんが、多少あるんですよ。
- ADAM AND THE ANTS 『DIRK WEARS WHITE S?X』 ('79)
LP \367
・・・ロビン・スコットのDO IT RECORDSからリリースされた、ズンドコ・ビートになる前のアダム&ジ・アンツの1st。とはいえ、プロデュースはアダム本人で、ロビン・スコットは制作には関わってない様子。で、聴いてみると、これがかなり良い出来のひねくれニューウェイヴ系。もっとパンクっぽいのかと思ってたんですが。AD「TABLETALK」の、ちょっと調子外れな感じのギター・コードとかかなり面白い。BC「ANIMALS
AND MEN」は歌詞にマリネッティやらフューチャリストやらが出てくる(演説らしき声もコラージュされている)、なかなか小気味良い佳曲。全体的に曲も良く書けてるし、ギクシャクして遊びのあるアレンジも楽しい。意外な掘り出し物でした。見直した。
続いて、大して期待してなかったのですが「HARRY LIME」へ。ここは元々すごく安いレコ屋なのですが(状態はすごく良い)、年末セールということで、「値札の表示が\1,500以上のモノは2割引き、\1,500以下のモノは3割引き」ということで、歓喜して漁りました。
- アンソニー・フィリップス 『スロー・ダンス』 ('90)
CD \441
・・・初期(2ndまで)ジェネシスのギタリストだったアンソニー・フィリップスのアルバム。この人に関しては「ストレンジ・デイズ」2000年5月号56〜63ページを参照のこと。この人のアルバムはポップな1stと2ndしか聴いたことがありませんでした。すごく多作な人で、多作な人に弱い(苦手、という意味ではなく)僕はどれでもいいから後期のをすごく聴きたかったのであります。本作はタイトル曲のパート1と2の2曲(それぞれ23分、26分)の大作を収録しています。歌ナシのインストもので、本人のギター以外に打ち込みやストリングスも取り入れた内容。限りなくニューエイジに近い雰囲気ですが、前半と後半に出てくるマイナー・コードの展開はヨーロッパの映画音楽(ニーノ・ロータとかフランシス・レイとか)を思わせる感じ。それこそ「ゴッド・ファーザー」的な。他はドキュメンタリーのサントラっぽい展開も。打ち込み部分がちょっとショボいですが、いいアルバムです。いかにも「音楽の勉強しました」って感じですね。
- アン・ダッドリー 『エンシャント&モダーン』 ('95)
CD \294
・・・アート・オブ・ノイズのアン・ダッドリーのソロ・アルバム。未開封サンプル盤。AONとは違い('95年ですしね)、英国ロイヤル・アカデミー出身の才人ということがイヤでも分かる、クラシック的な要素が濃い出来。全体的に聖歌+オーケストラという感じで、教授の『LIFE』を思わせます。「War
And Revolution」、「History Of Gaia」の後半や「Light」なんかに似てます。まぁ二人とも元々はクラシックですから。でも僕チンはその辺に詳しくないのでボキャ貧で申し訳ない。ニューエイジでもサントラでもない、完全に“クラシック”な出来。名前伏せてクラシック好きに聴かせてみたい。たぶんホンモノのクラシックの曲だと思うことでしょーよ。
- モンスーン 『サード・アイ』 ('83)
LP \1,029
・・・16歳(17歳説もアリ)のインド系イギリス人、シーラ・チャンドラを中心にした5人組。「テクノのススメ」26ページや「テクノポップ/エレポップ」本の95ページにも載っています。早い話がエスニック・ポップスで、当時聴けば新鮮だったかもしれませんが今聴いてもそんなに・・・という感じです。テクノ度はそんな高くないし(リズム・ボックスとか使ってますが)。それよりもタぶラシタールの音が目立ってます。ビル・ネルソンも参加してますが、それほど目立ってません。AAはビートルズ「トゥモロー・ネバー・ノウズ」のカヴァーですが、僕は原曲を聴いたことがないので、「お、『EGO』の曲」と思ってしまふ。あと、♪ぐ〜る〜ぐ〜る〜ま〜わ〜ってハイポ〜ズぅ〜♪みたいなフレーズが結構出てきますね。
- THE VAPORS 『NEW CLEAR DAYS』 ('80)
LP \735
・・・ヴェイパーズは「ターニング・ジャパニーズ」という一発ヒットを持つバンド。ジャケがかなりニューウェイヴしてて良い感じですが、中身はニューウェイヴとパワー・ポップの中間という感じかな。つんのめるようなビート感はこの時期特有のパンク〜ニューウェイヴっぽさを感じます。件の「ターニング〜」はタイトル通り、ちょっと日本的なフレーズも出てくる曲。BDもオリエンタルなフレーズが出てきて、タイトルが「Letter
From Hiro」。“ヒロ”? これまた日本名ですね。親日バンドなのでしょうか。ルックスはかなりイナたいので、ルックスだけ見ると売れそうもないわねという感じですが、なかなかいいバンドです。これ、江口寿史の漫画「ひのまる劇場」の2巻に出てくるんですよ。この漫画、ほとんど打ち切りみたいな状態で突然終わっちゃったんで、単行本として出せるほどページがなかったみたいなんですよ(^_^)。で、巻末に埋め合わせとして作者がレコード・レビューとかしてるんです(他にB-2
UNITや音楽殺人、欲望心理学もアリ)。興味のある方は読んでみそ。あの人の漫画には脈略なくいきなりYMOとかディーヴォとか、よく出てきてましたよね。
- ブロンスキ・ビート 『エイジ・オブ・コンセント』 ('85)
LP \330
・・・このレコはホントよく見かける。こないだ「CD70%オフ・セール」にてベストCDを買ったブロンスキ・ビートの1st。そのベストに入ってた曲も結構ありますが、「アイ・フィール・ラヴ」はマーク・アーモンドとのデュエットではない方のヴァージョンでした。「スモールタウン・ボーイ」みたいなエレポップとユーロビートの中間みたいなハデな曲ばかりかな、と思ってたらそうでもなく、他の曲はわりとおとなしめの歌モノが多い。BA「ヒートウェーヴ」ではタップ・ダンスの靴音を入れてたり、AA「エイント・ネセサリー・ソー」はガーシュウィンの曲だったりと、ミュージカルものとか昔のポップス的なのが好きなんでしょうか。BB「ジャンク」が良い。
- アソシエイツ 『碧い幻』 ('81) LP
\105
・・・これは店の外に9箱ぐらい置いてあった安レコ箱で拾った1枚(他は松山千春とか安全地帯とかが目白押し)。「テクノポップ/エレポップ」本の42ページにも載っています。次作の『サルク』はだいぶ前に聴いたんですが、耽美系というかゴシック系ニューウェイヴという感じで、あまり面白くなかった憶えがありまして、こちらも大して期待してなかったんですが、・・・まぁ、『サルク』よりはいいかな〜、程度ですかな。ヴォーカルがボウイそっくり(たまにイアン・マッカロクにも聴こえる)。なんだかあまり印象に残る曲がないです。サウンドだけはボヤ〜ッとイメージだけ残るんですけど。
ここでレコハンは終わり。で、ハラ減ったなぁと思い、「大江戸池袋店」へ(^_^)。また寿司かい。ま、「びっくり寿司」との比較検証も兼ねてですのよ。う〜む、こちらも美味い(^_^)。また10皿平らげました。ただネタは、特にウニは「びっくり」の方が倍ぐらい多かったので「びっくり」に軍配。僕の大好きなさけ(サーモン)は引き分け。どっちも上手い。あ、BUGGLEさん。たけしたさんと話したんですけど、前に一緒に吉祥寺に行ったとき入った回転寿司屋はハズレでしたね(T_T)。もっと下調べしてから行った方が良かったですな。
次回は、≪あけおめ!ことよろ!兵庫・大阪編≫です。
第28回
<12/02/00 (土)>
「ディスクユニオン北浦和店」へ。中古レコは大して品揃えが変化してなかったな。とりあえずプログレ誌「ユーロ・ロック・プレス
vol.7」(毎号“サイケ&トリップ・ミュージック”のページは重宝してます)と新譜3枚を。
- Tin Pan 『Tin Pan』
('00) CD \3,045
・・・ユーミンの夫(車好き)を除く再結成盤。プレスによると再結成ではなく“新人バンド”という触れ込み。敢えて昔のティン・パン・アレーとは違う、ということを言いたかったのでしょうか。全体的にはけっこう地味。滋味、という言い方も出来ますが。本音を言うと、ハリー&マック的な部分を引きずってる部分が結構あって、それはちょっとご遠慮願いたかったですかな。ティン・パンという名義で期待してる部分とは違ってたので・・・(ハリー&マックのアルバムは、あれはあれで好きです)。まぁ細野さんは、初期YMOではソロでやってたエキゾチック路線を、再生YMOではアンビエントを、という風に前にやってたモノを引きずる方なので、ある程度予想はしてましたが。そういう意味では、「ミュージック・マガジン」のインタビューで高橋健太郎氏が指摘していた「かつてのティン・パン・アレイのソウル・ジャズ趣味やゴージャスな側面も聞きたいというファンは多いと思います。あとは、茂さんの歌も」というのが聴き終わったあとの正直な感想。そういう感じの曲もありますが(@GJあたり)、それらは完全な新曲とは言えないし、そういう意味ではちょっと残念。冷静な評価は、たぶん数年経たないと出来ない感じです(細野さん関係のアルバムはそういうのが多い)。しかし、最近細野さんってセルフ・カヴァーが多過ぎ。なんで新曲書かないんだろ。セルフ・カヴァーって後ろ向きなイメージがあるし、元のヴァージョンを超えることって、まずないしね。
- ミクロストリア 『モデル 3, ステップ 2』 ('00)
CD \2,447
・・・オヴァルのマーカス・ポップとマウス・オン・マーズのヤン・ヴェルナー(男前の方)の二人のユニット。リミックス盤『リプロヴァイザーズ・ジャパン』をはさんで、オリジナルとしては4年ぶりのアルバム。さすがに『INIT
DING』や『_SND』を聴いた時の衝撃はないですけど、なかなかではあります。ただ、以前よりもノイズ度が増したような気がします。前は、たとえばコード的な役割を担当しているコォ〜ッという電子音がバックにあって、その上に別の電子音がかぶさるような構成の曲が多かったんですけど、この新作では単音の電子音の集まりという感じで出来てる曲が多く、即興っぽい曲が多いような印象を受けます。
- ハラルド・グロスコフ 『シンセシスト』 ('80/'00) CD
\2,415
・・・ジャーマン・ロック・バンド、ヴァレンシュタインのドラマーだった人で、現在は自分のユニットのサンヤ・ビート(1stはけだるいエキゾ・シンセものでなかなか良かった)、またマニュエル・ゴッチングのアシュラのメンバーとしても活躍している人。'97年の来日ライヴのメンバーでもありました。これは'80年に発表されたファースト・ソロの再発で、ドラムも叩いてますが、タイトル通りシンセをフィーチャーしたもの。喜多郎っぽいホニャ〜っとしたシンセ・ミュージックかなと思ってたんですが、中期や近年のアシュラに通じるミニマル・トランス系のもので、細かいシーケンス・フレーズが何回も繰り返され、そこにまた別のシンセのコードが被さり、ぐるぐる渦巻くようなリズムでドドド〜っと盛り上がっていく展開の曲が多い。'80年にしては音がすごく分厚くてビックリ。素晴らしい。残念なのはCD化に際してジャケ写が変わってしまったこと(写真右)。オリジナル(写真左)の方がいいんですよ。YMOファン、および教授ファンの皆さん、どうです?
これ。'80年当時の教授、特に「増殖」の頃や「WAR
HEAD」のジャケ写にソックリでしょ。メガネ、髪型、それと鼻の下(^_^)。絶対意識してますよ、これは(教授は銀粉塗ってなかったけども)。今は太っちゃって面影ないですけどね。
<12/05/00 (火)>
仕事前に、新宿へちょっくら行ってまいりやした。「ディスクユニオン新宿店」の4F、プログレ・フロアへ。実はファウストのボックスが欲しくて行ったのだが、未入荷でした。残念。
- ゴング 『フライング・ティーポット』 ('73/'00)
CD \0
・・・例のリマスター紙ジャケ・シリーズの中の1枚。このアルバムはずっとCDになってなくて、東宝レコードというところ(四人囃子とかをリリースしていた、今は亡きレコード会社)から出ていた日本盤は、何回か中古盤で見かけましたがどれも¥5ケタでしたね。ですのでずっと欲しかったんですが。だけどゴングって実はそれほどハマったことはなくて、聴いたアルバムも『キャマンベール・エレクトリック』、『シャマール』、『ガズーズ』、『フローティング・アナーキー』と、あとアレンのソロ数枚ぐらいなんです。で、期待してこのCD聴きましたが、どうしても「ザッパっぽいな〜」というのが頭から離れず、冷静に聴くことが出来ませんでした。『キャマンベール〜』もかなりザッパそのままの感じで、ザッパ好きの僕チンにはあまり新鮮に感じられなかったのでござんすよ。やたら多作なのもやっぱりザッパを意識してのことなのでしょうかね。
- キング・クリムゾン 『暗黒の世界』 ('74/'00)
CD \2,310
・・・8曲中6曲がライヴ録音というアルバムで、ヴォーカルものもあるものの即興的な部分が多くなってます。評論家風に言うと「息もつかせぬインタープレイの応酬」というところでしょうか。E「詭弁家」のラストが突然テープが切れたように終ってしまうのにはたまげた。しかし、正直言うとクリムゾンってヘビー過ぎてちょっとついていけないトコがあって、このアルバムも後半ちょっと疲れちゃいました。現役時代より80'sクリムゾンの方がポップで好きだし、どっちかというとクリムゾンよりは断然フロイド派なので・・・。
- キング・クリムゾン 『レッド』 ('74/'00)
CD \2,310
・・・現役時代クリムゾンのラスト・アルバム。ヘビー度では前作以上という感じですが、コチラは以前出てたCDで聴いてたので結構馴染みがあって好きです。ジョン・ウェットンの歌モノも結構好き(エイジアは当時は苦手でしたが)。タイトル曲は、のちの『ヴルーム』、『スラック』あたりに通じる“へヴィ・メタル・クリムゾン”の原形となったモノで、フリップのギターが強烈です。
7F、6Fに行ったものの特に収穫なく、1Fへ。
- ゴダイゴ 『CMソング・グラフィティ Vol.2』
('82/'93) CD \420
・・・先日アナログで買ったばかりですが、たまたま見つけたので買いました。ま、ユニオンでのゴダイゴの扱いなんてこんなもんですね。こっちとしては有難いんですけど(^_^)。しかしゴダイゴのCDはどれも音がモコモコしてて良くないのよね〜。ぜひリマスター紙ジャケで、と願い続けて早や数年。一向に実現の兆しナシ。泣。
で、「ヴァージン・メガストア新宿店」へ。買ったあとはまた「大江戸」で昼飯。んで、早く聴きたい早く観たいという気持ちを抑えつつ仕事へ向かう僕チンなのだった。
- 坂本 龍一 『Ryuichi Sakamoto Trio World Tour
1996〜Complete Version』 ('00)
DVD \1,935
・・・アルバム『1996』と同じ、ピアノ・バイオリン・チェロのトリオ編成によるツアーのビデオをDVD化したもの。当時テレビでやったツアーのドキュメンタリー風番組は見ましたが、ちゃんと見るのは今回初めてで、結論から言うとやっぱスゴイ。圧倒されました。DVD的な追加機能はゼロです(ジャケはただの二つ折りで解説さえもナシ)が、中身は最高。「美貌の青空」は『スムーチー』の歌入りヴァージョンより数段素晴らしい出来。途中の「Improvisation」もかなり長いけど惹きこまれます。「Asadoya
Yunta」は後半の盛り上がりが楽しい。この曲や「Tango」は教授の拙い歌付き。「M.A.Y.
in The Backyard」はどのライヴ・テイクもすごく緊張感があって圧倒されますが(個人的にはマヌ・カチェがドラムを叩いたハート・ビート・ツアーのヴァージョンが好き)、これもグイグイ惹きこまれる。照明効果もいい具合です。「Thousand
Knives」なんかもやってくれて嬉しいんですが、あのメロディはピアノだと弾きにくそうですね。で、白眉はやはり「Tong
Poo」。それまで静かだった観客の盛り上がりも急に物凄くなって、みんな手拍子してます。チェロ担当のジャック(人の良さそうな、ペンションのオーナーみたいな太ったヒゲのオジサン)の表情がいいんですよ。客席を見ながら「なんだかみんなずいぶん嬉しそうでないの」といった不思議そうな表情で弾きながらニカニカしてて実にいいんですよね。やっぱりYMOファン、教授ファンにとって「Tong
Poo」は特別な曲なんですよね。涙腺ゆるんじゃったもん。生で観たかったなぁ、これは。
- ハラルド・グロスコフ 『サンヤ・ビート 2』 ('99/'00)
CD \2,415
・・・日本盤はグロスコフのソロ名義になっているものの、本来はグロスコフとマンリコ・ハイルヘッカーとのユニット、“サンヤ・ビート”としてのセカンド・アルバムで、原題は“DELHI
SLIDE”というモノ。グロスコフは何回かこの日記にも出てきてますが、元ヴァレンシュタインやコズミック・ジョーカーズで、現在はアシュラのメンバーとして活躍しているドラマーです。相棒のハイルヘッカーという人は、「ストレンジ・デイズ」No.4、ニッチ・ポップ特集の109ページでも紹介されているFOOD
BANDにいた人物。で、この2ndは、1stよりもかなり完成度高くて良い出来です。エスニック・ギター・ジャズ・テクノと言ったらよいんだか、なんだか説明しづらいサウンドですが、聴いてて非常に心地良いのです。1stの方がもっと「けだるさ度」は高かったですが、こちらの「カッチリ度」高めの作品もこれまた良し。ゲスト女性ヴォーカル、ヴァネッサが歌う「リフレクト」という曲は、ギターのフレーズがXTCの「アナザー・サテライト」とまったく同じでびっくら。ラスト7曲目「ハヌマン・スーツ」は18分に及ぶ大作。静かにけだるく盛り上がります。キャプテン・トリップ作品の中で、前作1stは全然売れなかったそうですが、どちらも良いので2枚ともぜひ。売れなかったというのに2ndも国内リリースしてしまう、キャプテン・トリップにも敬服。
<12/17/00 (日)>
「ディスクユニオン北浦和店」へ。
- タンジェリン・ドリーム 『海辺のユリ』 ('89)
CD \1,890
・・・エドガー・フローゼとポール・ハスリンガーの二人組時代のアルバム。息子のジェローム・フローゼは1曲だけギターで参加(次作『メルローズ』から正式メンバーに)。今回は全米ツアーでのアメリカの印象をもとにした作品集だそうで、曲名も「アラスカの夏」、「ロング・アイランドの日没」、「トゥー・ホット・フォー・マイ・チンチラ」(チンチラは南米産のリスっぽい生き物)という直球のモノが多いです。まぁ聴く前から予想していた通りのシンセ・ニューエイジ・ミュージック。アイドルとかのイメージ・ビデオのバックに流れてても違和感がない、明るめの曲が多いです。サウンドの質感は印象に残っても、メロディー感覚がいつも希薄(^_^)。そう分かってはいても嫌いになれないのよね〜。・・・とは言っても「大好き」とも言えないですが。オススメはしないけど僕チンは、まぁ好きです。ジャケに写ってる女性が、若いんだかお婆ちゃんなんだか何度見ても分からない、不思議な写真。
- イアン・マッカロク 『キャンドルランド』 ('89)
CD \588
・・・エコバニのマック君の1stソロ。プロデュースは、シュガーキューブスなどを手掛けていたレイ・シュルマン。ゲストとして2曲だけキュアーのドラマーが叩いてるのと、タイトル曲でコクトー・ツインズのエリザベスが参加しています。全体的には当時の評判通り、なんだか精彩がないです。生ドラムっぽく聴かせようとしてる打ち込みドラムもショボいし、あと、Fとか数曲がモロにニュー・オーダーしているのです。@もソレ風ですが、どっちかというとジョイ・ディヴィジョンっぽい感じ。似てます。ワイアーなんかもそうですけど、ニュー・オーダーのマネしてる人(フォロワーとはまた違う)って意外と多いのね。それも、すぐ分かっちゃうしね。
- NASA 『ECHOES DOWN THE HALL』 ('98)
CD \2,719
・・・大のお気に入りバンドNASAの、リミックスや新録も含む初期ベスト。『REMEMBERING〜』とは違いNEW
MUSIK色はほとんど無いですが、もう“エレポップ”としか言いようがない曲ばかりでたまりまへん。@「PAULA」(デビュー曲)の歌い出しなんかJULLANを思い出してしまいました。一番好きな曲はD「WILL
YOU DANCE WITH ME?」で、これは「テクノポップ/エレポップ」本や「ストレンジ・デイズ」No.3のニッチ特集で取り上げられたJOHNNY
WARMANという人のカヴァー曲。なんてマニアックな選曲。他、H「DIVISION」のラストのガタガタ音はハワード・ジョーンズ「コンディショニング」のマネなのかな。カットアウトでスパッと終わってるとこまで同じだし(^_^)。I「GIGOLETTE」はモロにスクリッティ調。「パーフェクト・ウェイ」をちょっとテンポ速めにした感じ。微笑ましい。『REMEMBERING〜』ほどではないけど、これはこれで好き。愛聴してます。「ELSTREE」のカヴァーが収録されてないのは淋しいですが。
<12/24/00 (日)>
クリスマス・イブです。というわけで、今日はまず「ディスクユニオン柏店」から(イブなど無視)。物色し始めると、店内BGMがクリスマス・ソングに。ジョン・レノン、ワム!、マライア・キャリー・・・・。次々と流れる定番ソングの応酬に、わたしの体温は下がりっぱなし。さむい・・・こごえてしまう・・・。でもロイ・ウッドがかかったときはちょっと嬉しかった。
- タイタス・グローン 『タイタス・グローン』 ('70/'99)
CD \2,835
・・・ジャズ・ロックもので、このバンド唯一のアルバム。最近多いリマスター紙ジャケの再発盤。アナログ盤を模したレーベルもいい感じ(イラストではなく写真ならもっと良かった)。ジャズ色は思ったほど濃くなく、どっちかというと70'sブリティッシュ・ロック色の方が強く、聴きやすいです。歌ものが多く、ハモリ部分はいかにも70'sブリティッシュな感じで、グレイシャスあたりを思わせます。C「イッツ・オール・アップ・ウィズ・アス」は中でも一番歌モノとしていい出来。ドラマーのジム・トゥーミーは、解散後ツーリスト(ユーリズミックスの前身)のメンバーになっていたとは知らなかった。
- LOGIC SYSTEM 『Impression-DUD』 ('81)
LP \315
・・・これは珍盤です。収録されているのはアルバム『LOGIC』からの6曲で、A面に「Domino
Dance」「天変地異(Convulsion of nature)」「XY?」、B面に「Logic」「Talk
Back」「Clash(Chinjyu of sun)」が入っております。帯には「このアルバムはコンピューター(MC-8)が99%演奏を行っている。人間に代って、コンピューターでどこまで音楽表現が出来るか試みたものである。/シンセサイザー&コンピューター・プログラマー松武秀樹リーダー・アルバムより/45回転厚手重量レコード/DIATONE」と書かれています。ジャケは、タイトルにもある“DUD(DIATONE-UNIFIED-DIAPHRAGM)”と名付けられたスピーカーの写真。つまりこれは、ダイヤトーンが当時開発したDUDという新スピーカーで、この45回転ハイレベル・カッティングのレコを聴いてみて音の良さを体験してみてはいかがか、ということでプレスされたテスト・レコードのようです。販促用としてスピーカー買ったらオマケとして貰えたりしたのかな。値段も書いてないしNot
for saleって書いてあるし。たしかにレコはちょっと重たく、音もかなり良くてビックリです。
- パール兄弟 「鉄カブトの女」 ('86)
12" \315
・・・個人的にはパル兄の曲の中でベスト3に入るくらい好きなのがコレ。パルヲ氏本人いわく「ヘビメタ」だそうです。プロモ・ビデオもすごく好き。普通、バンドのヴォーカルっつったらビデオでは@かっこつけるAおちゃらける(米米やウルフルズとかみたいな)、の2パターンぐらいしかないですがサエキ氏は、B虐げられている、のです(^_^)。それがまた似合ってるのが素晴らしい。初めて「AT
HOME」でこのビデオ見たときはかなりショックでした。当時、タモリが主演のドラマで「自主退学」というのがあって、タモリが高校の化学だか物理だか担当のひ弱な教師役をやってたんです。で、卒業式の日に不良の生徒たち(的場浩司含む)に校庭で雨の中追いかけられて、ボコボコにされるシーンがあったんです。「うわ、あのタモリがこんな役やってる」とものすごいショックで(他のドラマではたけしが犯人役をやってたり、さんまが二枚目役だったりしたのに)、「鉄カブト」のビデオのサエキ氏と同列のモノを感じてしまいました。虐げられるカッコ良さを感じる人ってあんまりいない(って、例えが長いね)。B面は「バカヤロウ〜」の“ディスコ・タイプ”(あまり大差ない)と♪フェラ
フェラ♪のカラオケ。音をだいぶいじってます。カッチョええ。
- SHERBET 『MAGAZINE』 ('77) LP
\1,260
・・・第26回分で『HOWZAT!』というアルバムを取り上げた、オーストラリアのニッチ・バンド。ジャケがヒドイので買うのをちょっとためらいました。で、このバンドについて色々と調べたらかなり長いこと活動してるバンドらしく、こんなページを見つけました。このページでは『Photoplay』というタイトルで紹介されてます。国によってタイトルを変えてるんでしょうか(僕のは米盤)。しかし、『HOWZAT!』も良かったですが本作もジャケに反してすごく良い。ポップでとにかく聴きやすい。こりゃ売れるわ(本国ではゴールド・ディスクを獲得したりしてるらしい)。ロックやポップというより“ポップス”に近い感触。で、前回“ほとんどの曲をG.Porterというドラマーが書いていて”と書いてしまったんですが、G.Porterはキーボード担当でした。失敬。
- SNAFU 『SITUATION NORMAL』 ('75)
LP \1,050
・・・「ストレンジ・デイズ」No.2、93ページ参照。プロコル・ハルム、フリーダム、ジューシー・ルーシー、ジンジャー・ベイカーズ・エアフォースなどのメンバーだった経歴のある5人組。全部で3枚リリースされたうちの2枚目がこれ。ファンキーな曲、ブルース調、ロックンロール調、カントリー調、ブルーグラス調など色々とやってますが、どれもすごくカッコヨイ。演奏も達者。ベースの音が太いです。B@は8分以上もある大作で、長〜いARPシンセ・ソロ入り。A@は細野さんの「チャウチャウ・ドッグ」を思わせるリズム+ハモリ部分はスティーリー・ダンという不思議な曲。後半テンポ・アップして突進していく感じがカッコヨイ。CD化もされています。
- MURRAY HEAD 『SAY IT AIN'T SO』 ('75)
LP \1,890
・・・「ストレンジ・デイズ」2001年1月号、77ページ参照。アイランド・レーベルからリリースされたSSW系のアルバム。誌面ではよく分からないですが、実際手にとってジャケを見るとものすごく粒子が粗い写真で風情があります。'70年代のレコってこういう粒子の粗い写真が多くて、個人的にはすごく好きです。内容はシンプルで穏やかなアコースティック・ポップスという感じで、ちょっと鼻にかかったような歌い方をする人。B@はハデなブルースでこれだけ異色。一番いいのはBAで、マイナー調の曲でグッとくるメロディー。良いです。'70年代SSWモノっつーのも、ニッチにハマッてから結構聴くようになりましたが意外とよいですね。和みます。
- ARGENT 『CIRCUS』 ('75) LP
\840
・・・ニッチ本、16ページ参照。ラス・バラード脱退後の、新生アージェントの第一弾(次のアルバムで解散)。四人から五人編成になってます。ロッド・アージェントのキーボードが前面に出てきており(一般にはロッド・アージェントのリック・ウェイクマン化、と言われる)、プログレとポップのアイノコみたいな宙ぶらりんな内容になってしまっています。ABの「CLOWN」はちょっとAOR気味ではあるものの、なかなかいい曲。う〜む、やはりラス・バラードのポップな曲が恋しくなってしまふ。
- ALIBI 『FRIENDS』 ('80) LP
\840
・・・「ストレンジ・デイズ」2001年1月号、70ページ参照。結構なキャリアの持ち主たちが集まったバンドの(たぶん)唯一のアルバム。キーボードのマーク・フィッシャーは後にマット・ビアンコのアルバム数枚に参加しています。で、このアルバムですが、プロデューサーがクリス・レアということでちょっと「ヤバイかも」と思ったんですが、見事的中。どーってことないAOR系産業ポップスですよ〜。ほとんどミドル・テンポかバラード系の曲ばかりで、はじけるようなポップな曲がない。ふぬぬ。ジャケと音が合ってないのもこれまた困ったちゃんネ。車で海岸通りを走りながらFMから流れてきたら気持ち良く聴こえるのかもしれませんが、海のない埼玉に住んでる僕チンにはそんな状況には縁がありません。ごめんなすって(Let's
Go 棚の奥)。
- ダラー 『オー・ラムール』 ('87) 12"
\105
・・・ロンドン・レコードからリリースされていた日本盤12インチ。こんなの出てたんですね。「オー・ラムール」は、去年初めてオフ会に出席したときBUGGLEさんからいただいたCD-Rに収録されていて、好きでよく聴いてた曲。イレイジャーがオリジナルだったとは知らなかった。キャッチーな、ちょっとユーロビート入ったエレポップ。メロが良い。B@「B・ビート」は今となってはちょっと古くさい、当時のダンス・リミックス的な音。BAはちょっと毛色の違う歌モノで、なんだかニッチ・ポップ的。
続いて、「ディスクユニオン御茶ノ水中古センター」へ。入る前に駅のすぐ横にある回転寿司店「神田川寿司」で遅い昼食。しかし、ネタが小さいね〜。これで\120ですか・・。あと、店内をもっと清潔にしてほしいですね。ま、もう行きませんけど(^_^)。
- エスケン&ホットボンボンズ 『千の眼』 ('88)
CD \1,260
・・・ これは濃厚ですな〜(^_^)。東京ロッカーズ系の人(ミュージシャンというかプロデューサーみたいな人ですね。茂一さんみたいな)、S-KENのアルバムで、バックのホットボンボンズのメンバーがスゴイ。パル兄からパルヲ氏と松永氏、のちにパル兄の正式メンバーになる矢代恒彦氏含む6人編成。これ以外にもゲスト・ミュージシャンも加わり、すごく濃密なサウンドになってます。アレンジはホットボンボンズ名義になってますがパルヲ色が濃く(コ・プロデュースはパルヲ氏)、♪フェラ
フェラ♪や「BACK YOU」、「How to X」あたりを思わせるファンク系、ラテン、レゲエ、アフリカ、サイケ、ジャズ、サルサ等々、とにかく間口の広さに圧倒されます。パルヲ氏特有の不思議なコード感覚は毎度のことながらたまらん。ホットボンボンズとしては他にも何枚かリリースしてたので、そっちも聴いてみたい。パル兄ファンはゼヒ。歌は上手い人ではないですが。
- BUGSKULL 『SNAKLAND』 ('95) LP
\420
・・・キャプテン・トリップから『わくわく昆虫ランド』という邦題でCDがリリースされているサイケ・ユニット。第10回分でも『粉雪の恐怖・その2』というアルバムを取り上げています。キャプテン・トリップからのCDも探していたんですがなかなか見つからなかったので、オンラインでオーダーしようかと思ってましたが運良くアナログ発見。レーベルからするとインディーズ扱いなんでしょうか。内容は、『粉雪〜』以上にデロデロのサイケぶり。おそらく宅録だと思うんですが、必要以上に(たぶんわざと)音質を悪くしてモコモコしています。AC「Mind
Phaser」はスペクトラムとシルヴァー・アップルズの共演盤を思い出すサイケ・ロック。他、テクノというよりフニャラケた電子音楽調の曲が満載。好き。
- STEVE HARLEY 『THE CANDIDATE』 ('79) LP
\1,260
・・・“コックニー・レベル”のスティーヴ・ハーリーの、ソロとしては2枚目のアルバム。コックニーの方は1st〜3rdまでは持ってますが、それ以降の3枚とソロ1stは未聴。あのクセの強い歌い方もずいぶん普通になってしまっています。曲調はわりとオーソドックスなブリティッシュ・ロック。レイドバック系が多い。他はロックンロール調とか。まぁジャケもサウンドもそうですけど、以前に比べたらかなりインパクトに欠ける感じ。シングル・カットして売れそうな曲もこれといって見当たらないし・・・。「ストレンジ・デイズ」2000年7月号では“タイトなモダーン・ポップ”とか書かれてたし、時代から予想してニューウェイヴ色入ってるかなぁと期待してたんですけど。ちなみに、これ以降この人は'92年の『イエス・ユー・キャン』までアルバムをリリースせずテレビ番組の司会などをしていたそうですが、現在も地道にライヴ活動もしてる様子。
- STEVE HARLEY 「HEARTBEAT LIKE THUNDER」
('86) 12" \420
・・・これは'86年の12インチ・シングルで、ニッチでよく出てくるRAKレーベルからのリリース。プロデュースはミッキー・モスト。12インチとは言っても別にサンプラーびしばしクラブ・ミックス、というわけでもなく、両面とも“シングルB面向き”なミディアム・テンポの曲。バックは打ち込みですがテクノではなく、生っぽく聴かせようとしてる打ち込みサウンドで、ヴォーカルはブライアン・フェリーっぽくなってる。OMDやハワード・ジョーンズ、ミッジ・ユーロなどの“エレポップをやってた人たち”が'80年代中期〜後期にかけてだんだんと生っぽくなっていってた時期のサウンドに、非常に近い感触に仕上がっております。
- LIZZY MERCIER DESCLOUX 『PRESS COLOR』
('79) LP \630
・・・「テクノのススメ」29ページにも載っているアルバム。クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウンの「ファイアー」をモロダー的ラテンディスコ風にアレンジしてカバーしています(生演奏なんですが)。リジーちゃんは吐き捨てるような歌い方をするので、原曲のメロディーとは全然違ってます。キワさではアーサーの方が上ですね。あと、ラロ・シフリンの「スパイ大作戦」のテーマもカバーしてます。こちらは原曲に近い。一風堂もやってましたね。演奏はヘタウマという感じ。しかしこのアルバム、両面で23分ぐらいしかない(B面なんか10分に満たない)。短いです。あと、レーベルをよく見たらSIDE
1とSIDE 2の曲名表記が入れ替わってました(「ファイアー」は本当はA@なんですが、SIDE
2が「ファイアー」からになってる)。『プレス・カラー』ならぬ『プレス・ミス』とはこれいかに。♪どんどん(パフパフ)♪
- THOSE FRENCH GIRLS 『THOSE FRENCH GIRLS』
('82) LP \630
・・・ULTRA MINORのページにもネタ提供したバンド。「ストレンジ・デイズ」2001年1月号にも載ってます。なぜか元ボンゾ・ドッグのニール・イネスがメンバーとしてクレジットされています。音はニューウェイヴしパワーポップの中間という感じで、聴きやすくてナカナカです。好きなのはGS的なコード進行がグッとくるACと、ポップなAD、シンディ・ローパーの「シー・バップ」にソックリなB@とかかな。ボンゾ・ドッグやニール・イネスのファンの方(たけしたさんとか^_^)には、たぶん「・・・う〜ん・・・」という感じなんじゃなかろか、と。こう思うわけでございます。過度な期待はしなければ良いアルバムだと思います、っていう言い方もキツイか(^_^)。でも、好きです。
- BUX 『WE COME TO PLAY』 ('76)
LP \1,344
・・・「ストレンジ・デイズ」2001年1月号、71ページ参照。エンジェルというバンドのメンバーが二人参加しているバンド。「ストレンジ・デイズ」には“エンジェル以前のバンド”となってますが、当時の「ニューミュージック・マガジン」を見てみると“エンジェルのメンバー二人が客演しているバンド。二人は正式なメンバーではない”と書かれてますが、どうでもいいです(^_^)。ちなみに僕が買ったのは米盤でしたが、当時の国内盤の邦題は『天使の悪戯』。音は典型的な70年代ハード・ロック。でも曲調はハード・ロックのソレでも、音に厚みがなく薄っぺらなのであまりハードには聴こえません。
最後は、「ディスクユニオン池袋店」へ。いや〜、街は混んでますこと。イブですもんね〜。で、わたしはレコ探しにいそしむ(イブなど無視)。・・・でも、レコは収穫なし。仕方なく、前々から欲しかったブツをようやく入手。
- ファウスト 『ファウスト・ボックス〜ヴュンメ・イヤーズ
1970-73』 ('00) 5CD \9,975
・・・大好きなジャーマン・ロック・バンド。これは嬉しい5枚組ボックス。内容は、『ファースト』、『ソー・ファー』、『テープス』、『71分』の既発表作4枚のリマスター盤に『BBCセッションズ+』というボーナス・ディスクを加えたもの。『W』はやっぱり入ってないし、これだけじゃちょっとマニアは迷うトコですが、メンバーと関係者(プロデューサーのウーヴェ・ネッテルベック含む)への回想インタビューを収録したブックレット付き、というのが売り。あと、写真も多い。よく見た写真もありますが、写真に関して誰が誰なのか説明があって助かります。「おぉ、これが昔のザッピ(現在はハゲの大男)だったのか〜」とか。で、とりあえず全部聴いてみました。『ファースト』、『ソー・ファー』はリマスターはしてるようですが、以前出てたポリドール盤と大きな差は感じられませんでした。ただ、トータル・タイムが10数秒違ってました。あと、全部デジパック仕様なので、『ファースト』に透明ジャケ仕様を求めるというのは無理な話であります(^_^)。『テープス』は、以前のCDでは1トラックになってましたが、今回は嬉しいことに全26トラックに分けられてます。D「J'ai
Mal Aux Dents」が好きなので、これだけすぐ聴けるのは嬉しい。ジャケはオリジナルの文字だらけのでも、ロクス・ソルスCDの貴族風おやじの絵でもなく、『Munic&Elsewhere』の“浮き上がりfaust文字”のが使われています。『71分』も特別大きな変化はナシ。ロクス・ソルス盤の裏ジャケに書いたあった曲順や曲名とは全然違ってますが、中身は同じでした。で、期待の『BBCセッションズ+』。これは'73年のBBCでの録音(1トラックで3曲)と、レア音源7曲を収録したもの(バラ売りもされるそうです)。BBCの方は「お、レア・グルーヴって感じぃ〜」というような、ドラム+ベース+サックスによるカッコいい曲から始まり(これ掘り出し物)、唐突に『W』に収録されていた「Kraut
Rock」へ。これが11分続き、また唐突に「Do
So」という曲へ。この3曲で22分程度。ちょっと物足りないですが、聴けただけで充分。他はLPで発表済みの曲をCD化したもの(エレクトロな「Party
1」が良い)や、「So Far」、「Meer」(細野さんの“DARK
SIDE OF THE STAR”を思わせるアンビエント的名曲)の別テイク(!)、フォーク・ソング、アシッド・ロック、子供の絶叫にリバーブをかけたもの、犬が吠えてるものなどイロイロであります。まぁしかし、ブックレットのインタビューを読むと、いかにムチャクチャな連中が集まってたか、ということがよく分かりました(^_^)。ウーヴェって人も、カワイソウな人です。
次回は、昨年12月29日、たけしたさんとのレコハン<新宿・渋谷&池袋>編です。
第27回
<11/18/00 (土)> 廃盤CD70%オフ・セール編。
今日は1年に1度の(正確には2日間開催)大イベント、「廃盤CD70%オフ・セール」の日。もちろん気合十分で行ってきましたよ。有給取って(^_^)。
朝5時に起きて6時に家を出て、りんかい線の国際展示場駅に8時ちょっと前に到着。あの辺は何度行っても無機質で変なトコです。ジオラマの中にいるような感覚。で、東京ビッグサイトの西1ホールに行き、風が吹き抜ける寒い通路で2時間半ジッと待ち10時半に入場。基本的に行列に並ぶのってキライなんですが(ラーメン屋とかでも並んでたら別の店にします)、これだけは別。
色々ありましたが、ちょっと同じ品物が多すぎという感じもしますね、毎回。30枚ぐらいドカッと置かれてたりするし。去年の方がもっとバラエティ豊かだったような気がするな。で、今回買わなかったモノで多かったのは何つってもアンテナ。クレプスキュールにいた女性ですね。オリジナルやベスト含め相当ありました。売れないんでしょうか。それとも再発でもしたんでしょうか。あとEBTGも多かった。これは再発したからですね。日本のロック系ではかせきさいだぁとかプリ・スクールとか多かったなぁ。あと最近のMARQUEEで取り上げてるようなオシャレっぽいやつ。売れてんのかと思ったら、大して売れてないんですかね。Eriとかロボショップ・マニアとか(苦手や〜、あの声)。おほほ。なんかあの辺て特殊ジャケが多くて金かかってそうだからメーカーとしてはツラそうですね、売れないと。しかしこのセールで「ぅお、これ欲しかったんだよ〜」っつって焦って買った後すぐにリマスター盤出るとムカつくわね(^_^)。
- 坂本 龍一 『スネーク・アイズ』 ('98/'99) CD \764
・・・ニコラス・ケイジ主演のハリウッド映画のサントラ。これ、DVDで観ました。いや〜、普段映画ってそんなに観ないんですがこれは面白かったですね〜。ぐいぐい引き込まれるいい映画でした。・・・ですが、音楽は全然印象に残ってないんですよ(^_^)。印象に残ってるシーンはいっぱいあるんですけどね。で、サントラの方は教授無関係の劇中歌1曲を含む全13曲で47分強と、ちょっとアッサリめ。ニューヨーク・フィル演奏で、教授が指揮。いつもの教授らしい感じですね。Fあたりは「シェルタリング・スカイ」を思わせる感じ。Dとか、所々にサンプラーで後処理したような箇所も出てきます。・・・しかし、ハリウッド映画までやるようになってしまったんですね〜。ハァ〜。
- MELON 『Deep Cut』 ('87) CD
\919
・・・去年の廃盤セールでリミックス盤の方を買ったのに、1年後になってオリジナル盤の方が出てくるとはこれいかに。この辺のヒップホップ関係は、当時「テッチー」でも特集してたりしましたけど、全然興味なかったですねー。タイニイ・パンクス周辺とかも。ですから当時もしリアルタイムで聴いてても面白いとは思わなかっただろーな。12インチの「シリアス・JAPANESE」は当時聴いたけどそんなに面白くなかったし。ですので、本作も「Funkasia」みたいな普通の歌モノは良いんですが、ラップはダメですね。ラップとかヒップホップ自体がダメというより、「ヒップホップ文化」そのものが苦手なんで・・。衣装とかポーズ、なんかガラの悪そうなイメージとか(^_^)。ヒップホップが好きな人って恐そうな人多いし・・。「テクノポップ文化」とは相容れないものがあると思います。
- エブリシング・プレイ 『エブリシング・プレイ』 ('97)
CD \689
・・・ゲゲッ、やばい。これ持ってた(T_T)。帯のデザインが違ってるから間違えちゃった。ま、デジタル・リマスター盤ということで、まあいいかな、と。あんまり聴いた記憶ないし(^_^)。これは、現在は細野さんとよくつるんでる鈴木惣一朗氏のユニットの3rd。「モンド・ミュージック」の人ですね。全編インスト。マリンバ、ピアニカ、リコーダーなど、生楽器を多用しており、東洋的なフレーズが多く出てきます。力作なのは分かるんですが、・・・なんかピンと来ない。リアル・フィッシュあたりに通じる部分も出てくるんですが、あっちよりもかなり頭デッカチな感じがするんですよね〜。何回聴いても鈴木氏の本音が見えてこない不思議な音楽。しかし、ここまで「面白い」とも「つまんない」ともハッキリと言い切れないってのも珍しい。今までいろんなアーティストのアルバムを聴いてきましたが、聴き終えてここまで無感動な音楽ってあんまりないですわよ。
- 野宮 真貴 『ピンクの心』 ('81/'95)
CD \550
・・・鈴木慶一氏プロデュース、曲をハルメンズのメンバーが書き、バックをムーンライダースが担当。なんとまぁ豪華じゃあ〜りませんか。ハルメンズの名曲「モーター・ハミング」もカバーしてます。こっちの方がアレンジが凝ってますね。D「原爆ロック」(ものすごいタイトルつけますな)が、上野耕路氏の作曲・編曲で、モロに『改造への躍動』サウンドでびっくり。太田螢一氏の詞もすごい。真貴嬢はなんか、この曲だけオドオドしながら歌ってるように感じられますが(^_^)。ハルメンズ以外ではパンタ氏や慶一氏、佐藤奈々子嬢なども曲を書いてますが、松尾清憲氏の作「美少年」が出色。いいアルバムです。メトロ系人脈によるこの時代ならではの傑作ですね。オススメ。
- 平山 みき 『鬼ヶ島』 ('82/'95) CD
\550
・・・こちらもメトロ系人脈のアルバム。近田春夫氏のプロデュースで、バックはビブラトーンズ。プログラミングは茂木由多加氏。全曲アレンジは窪田パルヲ氏。これ以前の平山三紀という人がどういう人か知らないので、比較しようがないんですが、本盤はかなり暴力的なアレンジをしていてカッチョよいです。D「蜃気楼の街」は、まんまビブラの「金曜日の天使」と同じアレンジですね。タイトル曲は、かなり歌いにくそうであります(^_^)。
- スクリーン 『ムーン・アンド・ジューン』 ('95)
CD \611
・・・音楽ライターの和久井光司氏のバンド。モロに元ネタが分かるような曲が多いですね(^_^)。解説で本人も触れていますが。まぁしかし、ライターさんの余技というイメージがあってあまり聴く気がおきなかったんですが、これが予想以上に手堅い作り。なかなかです。ポップです。それはともかく、和久井氏のヴォーカル。これが鈴木慶一氏ソックリ。「モノマネしてるんですか?」と問いたくなるほどに似てます。コージー富田にも真似できないくらいです。ライダース・ファンはものはためしで聴いてみましょう。
- 人生 『バーバ パパ』 ('88/'98) CD
\450
・・・人生の最後の作品で、ナゴムからではなくキャプテンからリリースされた5曲入りミニ・アルバム。これは、電グルが『ビタミン』をリリースした頃、僕が行ってた専門学校では同じ頃にYMOが再生したりと、学内の一部の間で空前のテクノ・ブームだったんです(^_^)。僕は電グルに大して興味なかったんですが、驚くことにコンピューター・ミュージック専攻の連中は全員『ビタミン』を持ってたわけです。ですので、『ビタミン』や当時日本盤など出てなかったAPHEX
TWINやUNDERWORLDのCDを貸していただいたお礼に、80'sニューウェイヴものやYMOや各ソロを貸したりしていたんです。で、当時この『バーバ
パパ』や他の人生のCDを借りて聴いていました。まぁ中学時代、同じ陸上部だった友人がLPの『顔として』を持ってたので(現在は僕の家にあります^_^)免疫は出来てましたが、一言で言えば「しょ〜もない」という感じですわ(^_^)。「オールナイトロング」を超える曲が欲しかった。
- 竹村 延和 『チャイルズ・ヴュー』 ('94)
CD \917
・・・東京、パリ、ロンドン録音による1stソロ。今は亡き「エレキング」誌でエイフェックス・ツインと対談していたり、以前とりあげた音響派系のビデオ「SALON
SOUND ISSUE」に出演してたしていた人。ですので、なんとなく実験的電子音楽の人かな〜と思っていたんですが、全然違いました。Dee-C-Lee、Monika
Linges、Menelikなど、有名なのか無名なのかよく分からないヴォーカリストやラッパーが多数参加。ミックスで参加してるハウィー・Bは知ってます。音はアシッド・ジャズ系です(本人はこう言われるのはイヤだそうですが)。生バンド主体ですがブレイクビーツもアリ。フランス語のラップは教授の「Triste」を思わせます。よく出来てるしすごく金がかかっていそうな感じですが、刺激に乏しい。教授の『スウィート・リベンジ』と同じで、ゲストが多すぎて、いったい誰のアルバムなんだか聴いてて分からなくなります。これではいけません。しかし、こっちの勝手な予想とはまるで違った。車に乗ってて、もしこれがFMでかかってたらカッコイイと思うかもしんない。レベルは高いけど家では聴こうと思わない。個人的にはその程度。全16曲75分ってのも長すぎ。疲れました。
- スピリチュアル・ヴァイブス 『ことばのまえ』 ('96)
CD \856
・・・こちらも同じく竹村延和氏によるユニットで、Kikuという女性ヴォーカルをフロントにした7〜8人の編成。前半ボサノバを主体にした、淡々と麗らかな展開が続く。オシャレ系な感じ。Kikuのヴォーカルは、モダチョキの濱田マリが大真面目に気をつけをしたまま歌っている感じ。ちょっと抑揚がないです。メロディーも淡々としたものが多いですが、M「リズムとバランス」はなかなかポップでいいメロディー。J「月の頃」は、トリップホップ的なリズムに、サックスとヴィブラフォンが絡む、ちょっとトータスあたりを思わせるシブい曲。全体的な感想は、アートワークも含めて、きわめて“MARQUEE的”なアルバムだと思います。
- SORMA 『阿吽?』 ('96) CD \764
・・・民俗楽器やガムラン、どこかの国の女のコたちが歌うコブシが効いた歌声などと、テクノなサウンドを合体させたモノ。日本人4人によるユニットだそうです。発売当時「エレキング」などに1ページ広告を出してたので気になっていたんですが、インタビュー記事などもなく情報不足でどんな音なのかずーっと不明でした。意外とキワくも古くもなっていない、結構気持ちの良いテクノです。ディープ・フォレストなんかに発想としては近いのでしょうかね。リミックスでケン・イシイとヨシヒロ・サワサキが参加。両方ともまあまあかな。ジャケは外人の爺さんがローランドのシステム100Mをいじってるというもの。ちなみにタイトルは「あうん?」と読みます。
- ピンク・フロイド、グレイトフル・デッド他
『砂丘・オリジナル・サウンドトラック(デラックス版)』
('70/'97/'98) 2CD \1,101
・・・以前リリースされていたサントラ盤に、映画では使用されなかったジェリー・ガルシアとピンク・フロイドの曲を収録したCDを追加した2枚組。映画自体は相当つまらないものらしく、ライナーでもボロクソに書いてるのでとても観る気になれませんが、サントラとしては充実しています。フロイドが映画のために提供した3曲(うち1曲は「ユージン、斧に気をつけろ」のリメイク)は、ヴォーカルものもあってなかなかの掘り出し物。やっぱいいねぇ、フロイドは。他はジム・オルークのバックアップでここ数年再評価されているジョン・フェイヒイ(僕も「モンド・ミュージック」の影響でフェイヒイのCD買ったクチです^_^)のギター・ソロ、デッドとジェリー・ガルシア、ヤングブラッズ、デヴィッド・リンドレーがいたカレイドスコープの曲などを収録。発掘された未発表曲を収録した2枚目は、前半4曲がガルシアのギター・ソロ。あんまおもろくない。後半4曲はフロイド。カントリー・ロックなヴォーカルもの、ブルース・セッション、意外なピアノ・ソロなどなど。フロイド好きとしてはけっこう嬉しい。話によるとまだ映画に使われなかった曲が残ってるそうで、発掘を期待しますぞ。
- クラフトワーク 『ベスト・オブ・クラフトワーク』 ('96) CD
\764
・・・日本編集のショボいベスト。ジャケも「トロン」みたいなSF的ショボ・アート。選曲も『放射能』、『ヨーロッパ特急』、『人間解体』の3枚からだけ。『コンピューター・ワールド』と『エレクトリック・カフェ』は権利の関係上許可が下りなかったとか。ショボ。音も特別リマスターしているわけでもなく、「ロボット」なんか妙にモコモコしてる。ショボ。ライナーは小菅道一という人(誰?)が書いてますが、「カールは先に脱退したウォルフガングと共にエレクトリック・ミュージックを結成」とか書いてある。アホ。もともと曲間がない曲は、単純にフェード・アウト。すべてにおいてショボいこのベスト盤。30枚ぐらい置いてありました。誰だこんなの出したのは。ベスト盤としてはうんこ並です。ぶりぶり(糞尿家族)。
- ムゼオ・ローゼンバッハ 『ツァラトゥストラ組曲』
('73/'93) CD \673
・・・イタリアのプログレ・バンドのアルバム。昔は相当なレア盤だったらしいです(プログレ系って多いですよね)。僕はプログレ系はほとんどドイツとイギリスに限って聴いてて、イタリアまではさすがになかなか手が出ないんですが、これは別。あの「サウンドール」の“DO!
シンセサイザー教室”のページで紹介されていて、気になってたアルバムなんですよね。ま、シンセじゃなくメロトロン中心なんですけど。サウンドは、キング・クリムゾンの影響丸出し。叙情的な歌モノと、ハードな演奏部分とが交互に出てくるトコとか似てます。で、ドラマーのジャンカルロ・ゴルツィは、その後女性ヴォーカリスト、アントネッラ・ルッジェーロらとマティア・バザールを結成するわけです(ライナーには一切出てきません。不勉強ねっ)。その後アントネッラが辞めて、後釜の2代目も辞め、今や3代目の女性ヴォーカリストを加入させてしぶとくがんばってるようです。ジャンカルロもまだ健在。それはともかく。このムゼオは、マティアとは似ても似つかない、どプログレ。中身は別にバッハも、「ツァラトゥストラはかく語りき」も出てきません。クリムゾン好きは聴いてみてはいかが。
- プロコル・ハルム 『青い影』 ('67/'94)
CD \550
・・・細野さんや幸宏氏も大好きだというバンド。タイトル曲は有名ですね。僕ももちろん知ってました。日本ではBOROという人が「大阪で生まれた女」という曲で見事にパクったことでも有名な名曲です。そのタイトル曲以外にもいい曲いっぱいあります。とても短期間でレコーディングされたとは思えない充実ぶり。B「シー・ワンダード」がすごくブリティッシュ・ポップしていて(早い話がビートルズっぽい)、すごく好きです。出だしのドラムは幸宏氏の「終らない旅」を思わせますね。ほか、ヴォードヴィル調のD「メイベル」とかも楽しい。しかし、ロビン・トロワーがプロコルのメンバーだとは知らなかったな〜。あのジミヘン・ギターの人がねぇ。意外。
- プロコル・ハルム 『月の光』 ('68/'99)
CD \600
・・・続いてコチラは2nd。1stと違って時間をかけてレコーディングされたそうで、すごく音が分厚くなっております。マシュー・フィッシャーのオルガンももちろんいいんですが、ロビン・トロワーのギターがかなり前面に出てきてます。・・・ちょっとウルサく感じられる部分も(^_^)。ラストのF「イン・へイド・トォオズ・イン・アイ」は18分近くにおよぶ大作で、組曲形式になっています。時期は前後しますが、ちょっとクリムゾンを思わせる展開もあって意外。最後はかなり大仰な大盛り上がり大会。タイトル曲のBは、「アランフェス協奏曲」や「剣の舞」のフレーズを引用した、すごくポップな曲。すごくブリティッシュなかほり。好きです。
- プロコル・ハルム 『ソルティ・ドッグ』 ('69/'99)
CD \600
・・・で、これが3rd。ジャケは細野さんの『トロピカル・ダンディー』の元ネタとなってます。1曲目も波の音とカモメの鳴き声から始まり、なんとなく細野さんっぽい雰囲気。中には大して面白いとは思えないシンプルな曲もいくつかありますが、何と言ってもラストの「旅人の道」(Pilgrims
Progress)がすごくいい曲なので、通して聴くとすごく印象のいいアルバムに思えてしまふのですねぃ。この「Pilgrims〜」は、ザ・ビート二クスが2ndのラストでカバーしてた曲です。けっこう原曲に忠実にカバーしていたのですね。
- バズコックス 『バズコックス・ベスト』 ('92)
CD \856
・・・全25曲収録のベストCD。僕は、バズコックスより先にピート・シェリーのテクノなソロを聴いてたので、CDになってから後追いでパンクなバズコックスの方を聴いて、かなり意外な印象を受けたのでした。ですが、ストレートなパンク調の曲もありますが、結構パンクの中ではポップな方なんですよね、バズコックスって。C「オートノミー」なんてすごくポップで好きです。ギター・リフが印象的。R「エヴリバディーズ・ハッピー・ナウアデイズ」のサビもすごくポップで憶えやすい。一番ヒットした(全英12位)J「エヴァー・フォーレン・イン・ラヴ」も好きですね。この曲はファイン・ヤング・カニバルズがカバーしたそうです。サウンドはパンクですが、メロディーはすごくポップ。いいバンド。着てるシャツが、左右を斜めに二色(緑・黄緑)で分けており、シンプルながらニューウェイヴ的。
- ジョイ・ディヴィジョン 『アンノウン・プレジャーズ』 ('79/93)
CD \673
・・・1st。ニュー・オーダーっぽい曲とかもありますが、全体的には暗〜いニューウェイヴ・ギター・バンドという感じですね。演奏は激下手です。E「シーズ・ロスト・コントロール」はヴァージンVSの「サブマリン」っぽいベースラインです。やはりピーター・フックのベースってほとんど変わってないですね。特徴あります。ですが、正直言うとイアン・カーティスには何の魅力も感じないので、神格化しようとする傾向がよく理解できません。ま、とは言うものの、バーナード・サムナーのヴォーカルの方が好きな僕としては、ある意味イアン・カーティスには感謝しないといけないのかも知れませんな。
- ニュー・オーダー 『テクニーク』 ('89/'94)
CD \673
・・・これは当時友人に借りて聴いてました。ハウスを取り入れた「ファイン・タイム」がエラくかっこよくて好きでした。一時期のキャバレー・ヴォルテールもこんな音でやってましたね。ただ、そういうハウスっぽいものと、初期を思い出すバンドっぽいもの(ABDあたり)の落差が激しいので、通して聴くとちょっとアルバムとしてはバラつき気味な感じ。個人的にはやはり打ち込みモノの方が好きですね。「ミスター・ディスコ」とか「ラウンド&ラウンド」とか。「ヴァニシング・ポイント」もすごくいいニュー・オーダー特有のメロディーの佳曲です。
- ニュー・オーダー 『サブスタンス』 ('87/'93)
2CD \1,101
・・・これまた当時友人に借りて1枚目の方だけダビングして聴いてた(^_^)シングル・コンピ盤。'83年に初めて聴いたニュー・オーダーの曲、「コンフュージョン」が'87年の再録ヴァージョンになってるのがちょっと悲しい。が、こっちの方が全然かっこいいのねん(^_^;)。「ブルー・マンデイ」は何回聴いてもエェのぉ。でもこの中で一番好きなのは「ステイト・オブ・ザ・ネイション」かな。琴の音みたいなシンセ・リフが印象的。2枚目の方は12インチのB面中心で、インストが多い。マニア以外にはちょっとキツイ。「トゥルー・フェイス」のB面だった「1963」(ケネディ暗殺の年)はオリジナルで、これはめっけものでした。歌詞がまたドラマチック(稲垣)でヨイのです。
- ニュー・オーダー 『リパブリック』 ('93)
CD \764
・・・またまた当時友人に借りて聴いてたCD。'93年は結構個人的には収穫の多かった年ですが(テクノドン、ジャミロクワイ1st、ジ・オーブ1st、ビョーク1st、ロッテルダム・テクノ、デペッシュのソング・オブ〜等)、このニュー・オーダーのアルバムも'93年度のベスト3に入るくらい大好き。メロディーもサウンドも、どれも完璧。ホント、グッとくるメロディー作りの上手い人たちです。もう8年近く前のアルバムになりますが、全然古くなってないし。しかし、あんなに演奏も歌も下手だった連中が、なんでこんないいアルバムを作れるようになるかな〜。嫌いな曲はないけど、特に好きなのは@CEGかな。以前は、ボーナス・トラックに入ってるアンディ・ウェザオールのリミックスはつまらんと思ってましたが、久々に聴いたらそんなに悪くなかったです。ニュー・オーダーを聴いたことのない人はゼヒこのアルバムか『サブスタンス』からにしましょう。太鼓盤。
- ニュー・オーダー 『ザ・ベスト・オブ・ニュー・オーダー』 ('94)
CD \764
・・・『ロウ・ライフ』以降の曲からセレクトされたベスト盤。初期2作からの曲はナシ。何曲かは「〜94」とサブタイトルがついてますが、特にすごいリミックスをしているわけではなく、多少編集をしただけのようです。選曲に関してはまぁ、「あれが抜けてる〜」というのもありますが、妥当でしょう。『サブスタンス』とカブってるのは(リミックスを除いて)3曲だけだし。「ブルー・マンデー」が「88」になってるのは残念ですが、『サブスタンス』を持ってれば許せます。しかし、ライナーの鹿野淳氏の文章がいかにもロッキング・オン的な思い入れたっぷりのモノになっており、思いっきり嘲笑しました。アーティスト側にとってはうっとうしいだろーな、こーゆー人(^_^)。
- ニュー・オーダー 『ザ・レスト・オブ・ニュー・オーダー』 ('93)
CD \764
・・・これは以前持ってたのですが、1曲を除いてつまらなかったので売ってしまったのです。唯一面白いのは、なんつっても「ブルー・マンデー」のハードフロア・リミックス。ハッキリ言ってこの1曲だけでいいです。どアタマの♪ドッ、ドッ、ドドドドドドドド♪というキックもハードフロア的にぶっとい音でやっており、最初聴いた時はこれだけで「おー」と思いました。他にいいトコは、バーニーのヴォーカル部分をイコライジング(トランシーバーで話してるような声)しているとこ。こういうの好き。あとは怒涛のハードフロア節ビキビキ・アシッドで昇天。ワン・パターンとは言え、この頃のハードフロア・リミックスはやっぱり凄すぎ。飽きないですね〜。他?他はしょうもないです。今更なフルークとか、「お、もう1曲ハードフロアがリミックスしてるよ」と思ったら全然違う人だったり(似過ぎ)。ハウィー・Bとアーマンド・ヴァン・ヘルデンがまぁまぁといったところ。せっかくニュー・オーダーのリミックス盤なんだから、もうちょっと人選なんとかなんなかったものなのでしょうか。
- ベン・ワット 『ノース・マリン・ドライヴ』 ('83/'90)
CD \611
・・・EBTGの男の方のソロ。最近のEBTGの方は特に興味ないですが、チェリー・レッド系はちょっと気になるのでとりあえずチェック。本盤はほとんどがギターと歌のみによるシンプルな作り。たまにサックスが入るくらい。曲の感じは、ボサノバを下敷きにしたアコースティック・ポップスが主体。シンプルではあるものの、さすがにメロディー作りがすごく上手い。惹き込まれます。A「Some
Things Don't Matter」とかC「Empty Bottles」あたりがすごく良い。後半はロバート・ワイアットと共作した'82年の5曲入りシングルを追加収録。こちらもなかなか良いですが、過剰な期待はしない方がいいかも。個人的には前半の本編の方がお気に入り。意外な掘り出し物でした。
- ジミー・ソマーヴィル 『ジミー・ソマーヴィル・グレイテスト・ヒッツ(ブロンスキ・ビート&コミュナーズ)』 ('90/'95)
CD \673
・・・ブロンスキ・ビート、コミュナーズ、ソロ(共作含む)作品全17曲、75分に及ぶベスト盤。実はこの人の歌を聴くのは初めて。フィリップ・ベイリーとかを思い出すファルセットですね。ソウルっぽい。サウンドはエレポップとユーロビートの中間という感じですかな。白眉はマーク・アーモンドと共演した、ドナ・サマーの「アイ・フィール・ラヴ」のカヴァー。妖しい二人組ですわ(^_^)。あとは戸川純サマもカヴァーしていたフランソワーズ・アルディの「さよならを教えて」のカヴァーとか、クラウディア・ブルッケンがゲスト・ヴォーカルの「ラン・フロム・ラヴ」とかが良い。ちょっと毛色の違う曲調の「エイント・ネセサリー・ソー」もいい曲(これはジョージ&アイラ・ガーシュウィンの曲で、オペラ「ポーギーとべス」に使われていた曲)。カヴァーが結構多いんですね。
- ジミー・ソマーヴィル 『デア・トゥ・ラヴ』 ('95)
CD \764
・・・で、こちらは4年ぶりに発表されたというアルバム。ニュー・オーダーの『リパブリック』をプロデュースしていたスティーヴン・ヘイグが全13曲中7曲をプロデュースしています。ユーロビートっぽい曲もまだあるものの、だいぶ減っており、打ち込み+バンド・サウンドという感じ。レゲエ、ダブ、ブルース、ゴスペルなど色々取り入れており、以前よりバラエティに富んでおります。ダブ+ディスコ・ビートという感じのG「オールライト」と、横ノリでソウルっぽい曲のH「グッド・シング(Too
Much Of A Good Thing)」がすごく良い。この曲は、バック・コーラスで参加もしてるジュールズ・シアーとスティーヴン・ヘイグの共作。意外な掘り出し物。
- エコー&ザ・バニーメン 『エヴァーグリーン』 ('97)
CD \764
・・・エコバニは、ちゃんと買って聴いたのは実は'90年代に入ってからです。ユニオンとかで\300ぐらいで投げ売りされていたので、一気に数枚買いました。ですから、'80年代の現役時代、つまりU2なんかと人気を二分してた頃は全然興味なかったんです。いかにもロッキング・オンとかフールズ・メイトあたりが好きそうなイギリスのバンドだなぁというだけで。で、このアルバムは、事故死したドラマーのピートを除く3人による再結成盤であります。昔のエコバニに思い入れがある人はどう聴いたか分かりませんが、思い入れのない僕は冷静に聴きました。なかなか良いです。「悪くはない」という言い方の方が当たってるかも。やっぱりこれ聴いた後に『オーシャン・レイン』とか『ポーキュパイン』を聴くとちょっと・・・ね。でも1曲目のサビの歌詞が♪Don't
Let Get It You Down♪(気をおとすなよ)っていうのが狙いすぎというか見透かされてるというか。いけずぅ。
- エコー&ザ・バニーメン 『ウィズ・ユア・ライフ』 ('99)
CD \764
・・・で、コチラは再結成第2弾。ライナーの写真を見たらマッカロクとウィル・サージャントしかいない。あれ?レス・パティンソンはどーしちゃったのよ。気になってクレジットをよく見たら「フールズ・ライク・アス」1曲だけパティンソンが弾いてて、他はガイ・プラット・・・。これじゃあエレクトラフィクションに逆戻りじゃんよー。これでもエコバニ名義で出すんかいな。ちょっと困った人たちですなぁ。これじゃまた「金の為の再結成」とか言われるに決まっとるわいや〜。・・・とは言うものの、内容は結構良かったりしてこれがまた(^_^)。アコースティックなギター・ロックなんですけど、すごく大らかで雄大な感じの曲が多い。和みます。歌詞は相変わらずで、「もう一度チャンスをくれないか」「僕は何をしようとしてるのか」「もう一度僕を愛してくれるかい」「僕がかつて手にしていた最高のもの、僕の口の中に全世界があったのに、食べ尽くして吐き出してしまった」とか、まだウジウジ言っとりますけどね〜。曲ではE「ロスト・オン・ユー」がアルバムの中では一番ハデでシングル向き、という感じで良いです。
- アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン 『エンデ・ノイ・リミックセス』 ('97) CD \764
・・・ノイバウテンのアルバム『エンデ・ノイ』のリミックス盤。リミキサー陣が結構いい人選で、パナソニック、クライトラー、アレック・エンパイア、ジョン・スペンサー、バリー・アダムソン、パナセア、トーマス・フェルマン&グートルン・グット(初期ノイバウテンのメンバーで、のちマラリアやマタドールを結成した人)などなど。ジョン・スペはさすが。音の汚し具合が実にかっこいい。クライトラーは2分半と短いエレクトロ系のリミックス。パナソニックはノイズ系。アレックはつまんなかった。トーマス&グートルンはいわゆるテクノっぽい四つ打ち。初めて聴くパナセアは、ドリルン・ベース系(ドラムン・ベースとはチョト違うらしい)としてちょっと気になってた名前。激しいです。・・・と一応全部聴いてみたものの、オリジナルの方は聴いてないんですよ(^_^)。リミックスを聴いてもオリジナルを聴く気にはなれんなぁ。評判悪いし・・。ライナーでもボロクソに書いてある。でも、『エンデ・ノイ』に対して「17年ばかり遅れてきたニュー・ロマンティクス」ですと。う〜ん・・・、ちょっと聴いてみたくなったな(^_^)。
- ファイン・ヤング・カニバルズ 『ザ・ロー&ザ・クックト』 ('88/'91)
CD \673
・・・ツートーン・ブームの頃にいたザ・ビートというバンドが解散後に派生したバンドがジェネラル・パブリックと、このFYC。UKソウルっちゅーやつですわ。でもこちらFYCは、リズムが打ち込み。個人的にはどっぷりソウルなものよりも全然聴きやすい。この打ち込みの感じはいかにも'80年代後半的ではありますな。A「グッド・シング」は当時MTV系番組でよく観ました。♪グッシン(パンパン)♪ってやつですね。モータウンっぽい曲です。あと、ホンダ・シヴィックのCMでよく耳にしてたギター・リフが@「シー・ドライヴス・ミー・クレイジー」だったとは知らなかった。これ好きです。ラストは、前述のバズコックス「エヴァー・フォーレン・イン・ラヴ」のカヴァー。メロディーは原形を残しつつ、テンポを下げてFYC流にかっこ良く仕上げてあり、オリジナルのようです。ピート・シェリーの作る曲の良さが引き立つ名カヴァーと言ってよいでしょう。
- ファイン・ヤング・カニバルズ 『ファイネスト〜ベスト・オブ・ファイン・ヤング・カニバルズ』 ('96)
CD \764
・・・こちらはベスト盤。全17曲。『ザ・ロー〜』からは6曲収録。デビュー曲を再録音したというB「ジョニー・カム・ホーム」がなかなか。オクターブを上下するベースがいいですね。他は・・・まあまあかなぁ。結局「シー・ドライヴス・ミー・クレイジー」と「グッド・シング」と「エヴァー・フォーレン・イン・ラヴ」の3曲で十分という気がする。ですので、どっちか1枚持ってれば事足りますね。
- ハッピー・マンデーズ 『ピルズ・ン・スリルズ・アンド・ベリーエイクス+4』 ('90/'98)
CD \673
・・・こりゃあ懐かしい。名盤。大好き、これ。当時(高校3年の頃)、僕は頑なにテクノポップやYMO関係ばっかり追いかけてて、こういう“ロック”には全然興味がなく、メンバーの写真を雑誌で見ては「何これ。普段着?
ジャージ? だめでしょ、全員同じ衣装着なきゃ」とか思ってたんです(^_^)。でも友人の家に遊びに行ってるときにこのアルバム聴かされて、「ゴッズ・コップ」のドラムにぶっ飛んで、「ねぇねぇ、誰これ?」と手に取ったCDは「・・・あ、こいつら聞いたことある名前」と、そこで例の“普段着写真”を思い出し、「う〜む。音楽は、カッコやルックスではないんだのぉ」と反省したのです。ハピマンはマンチェ・ブームの代表的バンドで、ストーン・ローゼズと人気を二分したりしてました。僕はローゼズよりは断然ハピマン派でした。他にも'90年前後ってマンチェだけじゃなくてもジーザス・ジョーンズとかインスパイラル・カーペッツ、ライド、ラーズ、シャーラタンズとか面白いバンドがいっぱいいたなぁ(後追いで聴いたのが多いですが)。本盤はソウル、ファンクの要素だけでなく、ローゼズと同じく「ハウスを通過したバンド・サウンド」などと言われ、独特の奥深い凝ったサウンドが実にかっこよい。で、曲そのものも良い。「ゴッズ・コップ」以外にも「ルーズ・フィット」、「グランドバッグス・フューネラル」あたりも大好き。
- ハッピー・マンデーズ 『ローズ〜ザ・ベスト・オブ・ハッピー・マンデーズ』 ('95)
CD \764
・・・ブラック・グレープでのショーン&ベズ再始動に合わせてリリースされたと思しきベスト盤。僕は『ピルズ〜』と『イエス・プリーズ』しか聴いたことなかったので、結構知らない曲もありました。何曲かはリミックスされており、A「W.F.L.」は何故かヴィンス・クラークのリミックスでした。「ゴッズ・コップ」が収録されていないのはちょっと悲しい。初めて聴いた初期の曲は、ただのギター・バンド的サウンドで拙い感じですが、「24アワー・パーティー・ピープル」という曲がすごく良い。ベース・ラインが面白い。
- バナナラマ 『バナナラマ・グレイテスト・ヒッツ』 ('89/'97)
CD \550
・・・こりゃいい。お手軽ベスト盤です。リミックス2曲含め全19曲。どアタマに「ヴィーナス」、2曲目に「アイ・ハード・ア・ルーモア」を持ってくるとは、実に分かりやすい(^_^)。SAW絡みの曲が多いですが、ま〜どれも似てること。好きなんですけどね。後半は初期の曲。ジャングルを思わせるような、ズンドコ・ビートの曲が多い。スワヒリ語で歌ったデビュー曲「アイ・ア・ムワナ」は、「そんなヒロシに騙されて」に似ている。ところで、「アイ・ハード・ア・ルーモア」がマイケル・フォーチュナティの「ギヴ・ミー・アップ」にソックリだということは、EURO
BEATのページにもネタ投稿しましたが、ライナーでその件について山田道成氏が触れており、「発表当初はマイケル・フォーチュナティの“ギヴ・ミー・アップ”にそっくりということで話題になったが、フォーチュナティ側が自らストック/エイトケン/ウォーターマンに要求して生まれたというエピソードを持っている」ですと。要求?
何を要求したんだ? 意味不明な文章を書いとりますな、このお方は。困ったもんです。
- ムーグ・クックブック 『ムーグ・クックブック』 ('96)
CD \611
・・・元ジェリーフィッシュのロジャー・マニングが、シンセ・コレクターでもあるブライアン・キーヒューと組んだユニット。ジェリーフィッシュ解散後にロジャーが結成したインペリアル・ドラッグと並行して制作された企画色強いアルバム。サウンド・ガーデン、ニルヴァーナ、ウィーザー、グリーン・デイ、パール・ジャムなどのグランジ系の曲をムーグでショボショボにカヴァーしています。いわば“スイッチト・オン・グランジ”なワケです。原曲を知っていれば爆笑モノなのでしょうが、残念なことにニルヴァーナの「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」しか知ってるのがなかった。その「スメルズ〜」は他のに比べてなかなかハードでシッカリしたアレンジです。生ドラムも入ってます。他、パール・ジャムの「イーヴンフロウ」っていい曲ですね。原曲聴きたくなった。こちらはちょっとユーロビート調にしてあります。あと、R.E.M.の「ワン・アイ・ラヴ」をファンキーにアレンジ。これもかっこよい。
- ケニッキー 『アット・ザ・クラブ』 ('97) CD
\764
・・・ゲリマンのトリビュート・アルバムにも参加していた女の子バンド。4人中ドラムだけ男で、あとの3人は18歳だとか(おぉ・・・)。基本的には予想通りのパンクっぽいギター・バンド・サウンド。なんだか、底が浅そう(^_^)。「ロボット・ソング」なんていう打ち込みによる曲もありますが、曲自体が魅力に乏しい。他もまぁ若さだけで持ってるようなモノでしょう。かわいいけどね。ゲリマンの「アイム・ア・エージェント」のカヴァーも原曲とコードが違ってるトコがあったりして、思わずヒザから崩れ落ちてしまいましたよ。残念ながら既に解散してしまったとか。余談ですがジャケのバンドのロゴが、ニッチで紹介されていたBCRフォロワーのケニーのロゴに似てます。そう思うとなんだかニッチっぽいジャケ。
- オービタル 『スニヴィライゼイション』 ('94) CD
\764
・・・これは当時発売とほぼ同時に買ったんですよ。先行シングル「アー・ウィ・ヒア」がなんだかパッとしない出来だったし雑誌でも賛否両論だったし、「アルバムに賭けよう」と思って買ったら、ま〜ガッカリしましたよ、これは。前2作の出来の良さがウソのような精彩のなさ、とっ散らかった内容。で、わりとすぐ売っちゃったんです。今回久々に聴いてみましたが、C「クラッシュ・アンド・キャリー」は1stに入っててもおかしくないカッコいいトランス調。でもいいのはこれだけ。あとはなんだか中途半端な出来の曲が多い。G「クオリティ・セカンズ」なんて悪い冗談としか思えない品のない曲。こんなの聴きたくなかった。
- オービタル 『イン・サイズ+5』 ('97)
2CD \917
・・・前作がつまらなかったので、リアル・タイムではこの時期のオービタルに興味を持てず、当時は買わず終いでした。これは4枚目で、映画「セイント」のテーマ曲やライヴなど5曲を収録したCDを追加した2枚組としての新装盤。本編の方は前作とも初期とも違って、クラブ向けではない、アルバムとしてすごく聴き応えのあるものになってます。大作もありますが、個人的には中盤の2曲「DWR
BUDR」と「アドナン」が好き。あと、プレイステーションのゲームソフト「ワイプアウト」用に作られたという「ペトロール」もすごくカッコイイ。もう1枚の方は、「セイント」はいかにもテーマ曲という感じで、従来のオービタル色は控えめ。2曲目「シナー」の方がエレクトロ度高くて好きです。ライヴはイマイチかな。テクノのライヴって面白いのに出会ったことがない。現場にいてこそでしょう。スタジオ・テイクと大差ないしね。
- オービタル 『ミドル・オブ・ノーウェア』 ('99)
CD \764
・・・去年出たばかりなのにもう廃盤ですか。悲しいものですなぁ。これは「テクノのススメ」161ページにも載っている現時点での(たぶん)最新作。「ミュージック・マガジン」誌にて酷評されていた(10点満点で1点)ので、ありゃりゃと思って大して期待してなかったんですが、なかなかどうしてこれは良いですよ。エレクトロな8曲目「スタイル」ではダラーの「オー・ラムール」をサンプリングしていてビックリ。裏ジャケにも「Track
8 Features A Sample Of “Oh L'Amour” Performed
By Dollar」というクレジットがちゃんとあります。全体的にはブレイクビーツ・エレクトロといった感じのアルバムで、従来通りメロディー作りや、何か一発引っ掛かる音を作るのが実に上手い人達です。声質がサンディーに似ているPookaという女性ヴォーカルが参加した5曲目の「OTONO」が一番好きですね。鐘のような音を使ったフレーズが耳に残ります。6・7曲目の「ナッシング・レフト1・2」のヴォーカル、Alison
Goldfrappの声はビョークに似ています。7曲目の「2」の方はかなり初期のオービタルっぽくてニヤけてしまふ。いいアルバム。オススメ。ところでこのCD、持ってる方は分かると思うんですが、一瞬「え、シングルCD?」と思った人いるでしょ(^_^)。僕も思った。
- ゴールディー 『タイムレス』 ('95)
CD \764
・・・これは当時、イギリス盤は限定2枚組でリリースされ、日本では数ヶ月遅れてリリースされたにも関わらず1枚モノとしてリリースされたため、買うのを迷ったCD。たぶんドラムン・ベースを初めて意識して聴いたのはこれに入ってる「インナーシティ・ライフ」だったと思います。当時は「プロディジーみたいだな」とか思ってたんですが(^_^)。その「インナー〜」を含む組曲形式のタイトル曲が素晴らしカッコヨイ。当時買っておけば良かったな〜。アルバムとしてすごくよく出来てます。もったいぶった部分が多いけど。その辺りはやっぱりプログレっぽいですね(ミュージック・マガジン増刊「プログレのパースペクティヴ」にも載ってる)。かっこいい。他にも「ステイト・オブ・マインド」とかいい曲があります。
- GOLDIE 『SATURNZ RETURN』 ('98)
2CD \856
・・・続く2ndは2枚組。1枚目は60分以上におよぶ大作「マザー」と、間に無声部分があるものの15分以上におよぶ「トゥルース」の2曲入り。2ndにしてこんな大作をやるのはちょっと早いかな、という気もしましたがスゴイですわ、これ。ジャーマン・ロック的などよ〜んとした感じで始まり、オーケストラも配してクラシックの歌曲的な展開が続き、中盤過ぎにやっとドラムン・ベースらしきリズムが登場。スゲェ。こんな曲作れんのか、この人。音楽の勉強をちゃんとしてきたのかな。侮りがたし。「トゥルース」の方は現代音楽っぽい無調の展開もある変わった曲。Tパワーを思い出しました。で、2枚目の方は全10曲収録。15分におよぶ大作もありますが、1枚目に比べてコンパクトな作り。B「アイル・ビー・ゼア・フォー・ユー」はマルコム・マクラレンの「バッファロー・ギャルズ」をサンプリングしています。ラップでRKS-1が参加。ドラムン・ベース的な曲は思った以上に少なく、かなり懐の深い人のようです。次はどうなるのでしょう、この人。
- アモン・トビン 『ブリコラージュ』 ('97)
2CD \764
・・・ニンジャ・チューン・レーベル(教授のアルバムのリミックスもしてました)からリリースされたアルバムで、アモン・トビンは23歳のブラジル人。いや〜、大して期待はしてなかったんですが、こりゃあカッチョえぇですわよ。一応ドラムン・ベースもあるブレイク・ビーツもののアルバムなんですが、ウッド・ベースなどジャズからのサンプリングが目立ち、どれも音がすごくぶっとくて粗く、すごく混沌としてるんですが圧倒的なパワーで迫られ、こりゃあ大したもんです。特に気に入ったのがD「Chomp
Samba」。ドラムン・ベースとサンバを足したようなサウンドで、息をつかせぬ展開がとにかく素晴らしかっこよい。マルコム・マクラレンの『俺がマルコムだ』に入ってた「メレンゲの踊り」を思い出しました。
- V.A. 『ラ・コレクション〜Fコミュニケーションズ・ハイパー・コンピレーション』 ('96)
2CD \917
・・・ローラン・ガルニエがエリック・モーランドと共に作ったレーベルがFコミュニケーションズで、これは'94〜'96年にかけて発表された曲のコンピ2枚組。フランスのテクノ・レーベルです。ガルニエ以外だとサン・ジェルマンぐらいしか知ってる人はいません。スキャンXも入ってますが。1枚目はハウス風の曲が多い。当時好きでよく聴いてたnervousレーベルとかを思い出しました。サン・ジェルマンのファンキーなハウス・トラック「アラバマ・ブルース(トッド・エドワーズ・ダブ・ミックス)」がすごくメカニカルでカッコイイ。他はちょっとクラブ向きとは言えないような、ジャズ、フュージョン的な要素が強いトラックや、今となってはちょっと古い感じのトランスものが多い。2枚目になるとファンキーなトラックやミニマルもの、アンダーワールドの「Rez」ソックリなアシッド・トランスもの、ハードフロアの影響が強いアシッドもの、エイフェックス・ツインっぽいノイジーなものなど様々。女装DJ、レディ・Bのトラックに期待したものの、大したことなかった。
- ローレント・ガルニエ・プレゼンツ ディスティネーション・プラネット・ドリーム
『X−MIX−2』 ('94) CD
\764
・・・このCDは、'94年11月に買って、持ってました。が、DJミックスとは知らずに買っちゃったんです。オムニバスだと思って(T_T)。「お、いっぱい曲入ってんなぁ」とか思ってササッと買っちゃったんですよね。当時はテクノの日本盤なんてほとんど出てなかったですし、情報もあんまりなかったですから。DJミックスCDなんてのも初めてだったんです。だからCD入れて1トラックしかないと分かったときは「えぇ?」と思いました(ToT)。だから、わりとすぐ売っちゃったんです。が、会場でこれを見て「懐かしいなぁ」と思って、思わず買い戻し。何やってんだか。DJミックス担当は“世界一のDJ”ローラン・ガルニエ。この日本盤では“ローレント”と表記されてますが。R・アルマニのハードフロア・リミックス、ケニー・ラーキン、デリック・メイ、URなどの曲を使ってます。最後は自身のアンビエント・トラックで締め。これが世界一なのですか(^_^)。個人的には、DJミックスCDとしてはちょっと古いですがリッチー・ホウティンの『Mix
Mag』がなんつっても大好きでしたね〜。
- ローレン・ガルニエ 『ショット・イン・ザ・ダーク』 ('94/'95)
CD \764
・・・表記が“ローレン”になり、ちょっと進歩しました(^_^)。これはFコミュニケーションズからリリースされたガルニエのアルバム。DJとしては評価の高いガルニエも、自身のソロ作品となるとイマイチ評判がよろしくない様子。たしかに、フランスだからというワケではないんでしょうが妙にお行儀がよろしい感じ。もっとハジけてもいいんじゃなかろか、といったところですわ。昔好きだったシカゴ・アシッドに近い部分もありますが、ロベルト・アルマーニあたりに比べると物足りない。J「トラック・フォー・マイク」のリフは結構面白いですが、アルバムとしてはいまひとつ。
- スキャンX 『クローマ』 ('96) CD
\764
・・・スキャンXは、フランス人のテクノ・アーティスト、ステファン・ドウリの一人ユニットで、これもFコミュニケーションズからリリースされたモノ。'96年ということで今聴くとちょっと古いというか懐かしい感じのテクノです。ほとんどがクラブ向けという感じでアシッド・ミニマルものが中心で、アンビエントっぽいのもあり。悪くはないものの、この人ならではという個性は希薄。しかし、こんな無名なの日本で出して、いったい何枚くらい売れたんでしょうかね。
第26回
<11/05/00 (日)>
今日は「ディスクユニオンお茶の水中古センター」から。
- ヒューマン・リーグ 『オクトパス』 ('95) CD \672
・・・あまり期待していなかった久々の新作。と言ってもすでに5年前ですが。先行シングル「テル・ミー・ホエン」をMTV系の番組でチラッと聴いたときは、「あんまり大した曲じゃないな」と思ってたんですが、ちゃんと聴いてみたら実に良いではないですか、これがまた。ヒューマン・リーグはアルバムによって(というかプロデューサーによって)、作品の出来不出来の差が激しいバンドですが、このアルバムは傑作ですよ。エレ度も高く、変にユーロビートっぽい打ち込みになっていなくて、“ヒューマン・リーグのテクノ”になっており安心して聴けます(ちょっとアシッドっぽい部分とかもあります)。あと、フィリップ・オーキーと女性二人の声の変わらなさにもビックリ。ブランクあったし、そんなにツアーとかもやってないだろうに、何でこんなに変わんないのか不思議。ABCのマーティン・フライとかデビシルとか、声の衰えを隠せない人が多い中、これはちょっと驚異。オーキーに至っては、ますます声に張りが出てきていて、歌い方もすごくパワフル。かっこいい。EとかHとか大好き。インストのFもすごくいい出来。前々から好きだけど、これでさらに好きになった。ショボくてガッカリしたへヴン17の『ビガー・ザン・アメリカ』の100倍はいいよ。ライナーでは触れてないけど、このアルバムからのシングルのカップリングで、「KIMI
NI MUNE KYUN」が収録されてるんですよね(^_^)。UKのヒューマン・リーグ・ファンはどう思って聴いたんでしょう。
- クライミー・フィッシャー 『EVERYTHING』
('87) CD \105
・・・元ネイキッド・アイズのロブ・フィッシャーが、ヴォーカリスト、サイモン・クライミーと組んだユニット。このサイモンってのもヴォーカリストとしてだけでなく、ソングライターとして活動していたらしく、ジョージ・マイケルとアレサ・フランクリンがデュエットした全米1位の「愛のおとずれ」がこの人の曲だとは知らなかった。あとスクリッティ・ポリッティのアルバムにもキーボードで参加していたというのだから、ただのヴォーカリストではないんですね。本作は1stで、前半をスティーヴン・へイグが、後半をスティーヴ・リリーホワイトが折半でプロデュースを担当。実によく出来た職人気質のエレポップ。サウンドがクリアーでいかにも'80年代後期の感じ。スクリッティにも通じる曲調も。当時リアルタイムで聴いてたら何とも思わなかっただろうな。ヒット・ポップスって感じで。でも曲作りはやっぱ上手いですよ。ゲストでTFFやゲリマンのアルバムに参加してたベーシストのピノ・パラディノやデヴィッド・パーマーが参加。
- ワイヤー 『ザ・ファースト・レター』 ('91)
CD \1,008
・・・ドラムのロバート・ゴートゥベッドが脱退し3人編成になり、バンド名の表記も“WIRE”から“WIR”になっており、結果的にラスト・アルバムとなってしまった作品。ドラマーが抜けたこともあり、全部リズムは打ち込みになっています。スネアの音はリバーブ感の薄い乾いた音で、そのせいなのか全体的にいくらギターがギャギャギャ〜と鳴っても密室感というか閉塞感が強い印象。まぁこの冷めた熱気みたいなのもワイヤーの特徴でもあるんですけどね。しかし、相変わらずニュー・オーダーの影響まる出しのAやHのような曲もありますな。これは注意せないかんねぇ。
- RENALDO & THE LOAF 「HAMBU HO DO」
('86) 12" \315
・・・レジデンツとの共作で有名な、デヴィッド・ジャンセンとブライアン・プールの二人組。これはサム・ビザールからリリースされた3曲入り12インチ。“アメリカの突然段ボール”らしいです。A面は♪He
Sat O San Di O Su♪などと何語で歌っているのかよく分からない、トルコ民謡っぽいメロディーの曲。バックは打ち込みです。ヴォーカル処理はレジデンツっぽい。B@もなんか民俗楽器っぽいギター・サウンドが入る歌モノ。BAは奇妙に歪んだブラス・サウンドと教授が使ってたようなプロフェットっぽいシンセ・サウンドが心地良い、ゆる〜い曲調のテクノ。
- デュラン・デュラン 『デュラン・デュラン』 ('81/'83)
LP \105
・・・「プリーズ・テル・ミー・ナウ」をA@に追加収録した、1stの再発仕様盤。ジャケも違っています。ですので、A@からAAへ写るときの落差が結構スゴイですね。音質の差とか。で、本作は初めて聴きます。『リオ』も良かったけど、これもやっぱいいわ〜。コリン・サーストンもいい仕事をしています。特に好きなのは「ケアレス・メモリーズ」かな。モロにUVサウンドで、「オール・ストゥッド・スティル」にソックリなんですけど。あと「雷鳴」ってのもJAPANの「ライフ・イン・トウキョウ」まんまですがな。で、「フレンズ・オブ・マイン」ってのもゲリマンの「シーズ・ゴット・クローズ」思い出しましたがな(これはちょっとムリヤリ)。とにかく、どのレコ屋でもご覧の通りの捨て値だと思いますので、未聴の方はぜひどうぞ。
- V.A. 『アーグ・ミュージック・ウォー』 ('81) 2LP \630
・・・パンク〜ニューウェイヴ系アーティスト27組、全27曲収録の、同名ライヴ映画のサントラ2枚組。ビデオの方はかなり昔にレンタルで借りて観ました(ダビング済み)。音だけ聴くとまた違った感じですね。クランプスとか、見てこそナンボという人は音だけだとキツイ。いいのはXTC、ゲリマン、クラウス・ノミ、ディーヴォ、オインゴ・ボインゴとかかな。ギャング・オブ・フォーはちょっと異色。トーヤも意外といいなぁ。特にベース。キャラ的には興味ない人だけど。あと、まぁしょうがないのかもしんないけど、各バンドの写真はやっぱり欲しかったなぁ。
- SHERBET 『HOWZAT!』 ('76) LP
\315
・・・「ストレンジ・デイズ」No.1、118ページ参照。第1回ニッチ・ポップ特集で取り上げられてたアルバムです。バンド名、そして裏ジャケに写るメンバーの容姿とファッション・センスからして、「・・・だ、ダサい。音はたぶんバスターかアローズか、またはハローかケ二ーというところか」という感じで、おそらくダンゴのような音質のアイドル・ポップものだろーと思ってた。ら。これが大違いだったのです。共作が多いもののほとんどの曲をG.Porterというドラマーが書いていて、ポップでいい曲を書いてるんです。ヴォーカルもクセがなく、分厚いハモリもよい感じ。曲調もハードロック、ストリングスで盛り上げる大仰なバラード、ブラスも入るファンキーもの、お約束のブギ、カントリー、あとなぜかSSW調と、実に様々。というか、アレコレ手を出してみましたという感じもあるんですが、こっちの予想を裏切って実に手堅い作り。良いです。プロの仕事という感じも受けますが。クレジットの“Produced by Sherbet and Richard
Lush for Sherbet Record Productions”というのがちょっと気になりますが。Sherbet
Record Productionsなんて作ってたんですか・・・。
- リタ・ミツコ 『リタ・ミツコ』 ('84)
LP \630
・・・フランスの男女二人組、リタ・ミツコの1st。この当時は定冠詞“レ(Les)”がついてないんですね。プロデュースはコニー・プランク。ちょうどベルフェゴーレと同時期に手掛けてたアルバムですが、アチラとは違いコニー・プランクの個性はあんまり出てない感じですね。全体的にすごくけだるいヨーロピアン・打ち込みポップスという感じ。A面はちょっと地味。B面ではラテン歌謡風の「マルシア・バイラ」(本国では大ヒットしたそう)とテクノ・ポップ調の「記憶喪失」が良い出来。
- JAPAN 『ナイトポーター』 ('83) Mini
LP \105
・・・来日記念としてリリースされた6曲入りミニLP。『ザ・シングルズ』と同じくピクチャー・レーベル仕様になっています。選曲はけっこう無理があって、A@「ナイトポーター(リミックス)」は、ただのショート・ヴァージョン。しかもほんのちょっと短くしただけ。リミックスなんてしてないはず。AA「ゴウスツ(ロング・ヴァージョン)」って、アルバム・ヴァージョンが6分56秒なのに、コチラが3分52秒・・・。ロングじゃないぢゃんかよー。詐欺なり。AB「ジ・アート・オブ・パーティーズ(ヴァージョン)」。これはライヴ。どうもカッコ内の表記がどれもオカシイのよね。B@とBBは『孤独な影』のCDに追加収録された、リチャードとロブ・ディーンによるインストもの。この辺すごく好きです。いかにもプロフェットって感じで。BA「ライフ・ウィズアウト・ビルディング」はちょっとデビシルのヴォーカルも入る、「サンズ・オブ・パイオニアーズ」的なズンドコ・ドラムもの。これも良いですね。
- JEFF LYNNE 「DOIN' THAT CRAZY THING」
('77) 12" \1,365
・・・なんなんでしょう、これは。ジャケは誰だか分からない男女二人が踊っている連続写真。各々の写真には「Step
right/bring left knee up」などとコメントが。要するにこの曲の振り付けなんですね、これが。で、音の方はファンキー・ディスコ大会。B面も。P-ファンクとかジェイムス・ブラウンを薄味にした感じです。企画モノなんでしょうか。12インチなのに両面とも4分ない長さだし。気になってたけしたさんにメール出したら、「これは、ELOファンにも一番評判が悪いというシロモノですな。(でも一応押さえている)」ですって。
お茶の水を出て新宿まで行って、以前たけしたさんに連れていってもらってからハマっている回転寿司屋「大江戸」で昼食。個人的には未だにココを超える回転寿司には出会ってない。どれも一皿\130。どれも上手い。食べた後は、新宿ではレコハンはせずに、小田急線で町田まで。「ティスクユニオン町田店」を徘徊。
- ニッツァー・エブ 『ビッグ・ヒット』 ('95)
CD \630
・・・ジェイソン・ペインというドラマーを新メンバーに迎え、再び3人編成になってのアルバム。が、結果的にこれがラスト・アルバムとなってしまいました。前作から3年半振りということで、どんなんなってるかチョット心配でした。プロデュースはフラッド。聴き始めてみると、「お、なかなかかっこいいな。ドラムが生だし全然ボディ系じゃなくなったな。オルタナと言うかインダストリアル系になっちゃったな。・・・う〜ん、やっぱフラッドだからかなぁ、『ソングス・オブ・フェイス〜』あたりのデペッシュに似てるなぁ」というような言葉が頭をチラホラと巡ります。でも、「だけど何か他に似てるのあったよなぁ、なんだっけなこの感じ・・・。このギターとこのノドからしぼり出すようなヴォーカル・・・。あ、ジーザス・ジョーンズ!!」。・・・。
- ENDGAMES 『BUILDING BEAUTY』 ('84)
LP \315
・・・ULTRA-MINORのページでも取り上げられていた4人組。一人を除いてスーツにメイク(そんなに濃くない)というファッションはニューロマっぽいけど、音は'84年ということもあって純然たるエレポップ。結構よく出来てて、ヒット狙いだったんでしょーなー。しかもファンクの要素がけっこう入ってます。白人ファンクというトコでしょうか。なぜかBAとか、歌い方がスクリッティ・ポリッティのグリーンそっくりだったりしてビックリしました。『キューピッド〜』よりちょっと前なんですけどね。裏ジャケにメンバーの使用楽器のクレジットがあるんですが、FAIRLIGHT、SIMMONS、LINN、WAVE
PPG 2.2、POLYSIX、JUPITER 4、MINI MOOG、OBERHEIM
OBXAなどズラッと書かれてあり、ソソられます。買った理由もそのクレジットを見たからなんですけど。でもそんなにピコピコはしてないですけどね。ギターもサックスも入りますし。で、FAIRLIGHT
PROGRAMMINGとしてJON JECZALIKの名がクレジットされてます。アート・オブ・ノイズの人ですね。アン・ダッドリーもそうですけど、この人たちってかなりたくさんのレコに参加してるみたいですね。
- GINA X PERFORMANCES 『NICE MOVER』
('79) LP \315
・・・これまた何だか分からないで買ったんですが、B級テクノです。女性ヴォーカルのGina
Kikoineをフロントにした4人組。他のメンバーもZeus
B.Held、Laszlo Czigany、Heinz Trewerと、どこの国の人達だか分かりません(歌詞は英語なんですが)。買った理由は、裏ジャケに写る男3人のメンバーの、病的なメイク(教授っぽい頬コケ睨み顔)と、ARPやMoog、Vocoderなどシンセ類のクレジットがちゃんと載っているから。で、音はヴォコーダーを多用した、ゆったりめのミドル・テンポ調の曲が多いです。シンセを多用したヨーロピアン・ポップスと言った方がいいのかな。まだテクノ黎明期と言った感じで、あまりお手本になるテクノをいっぱい聴いてはいなかったんじゃないですかね。でも、こういうB級テクノを探すのって楽しいですね。ジャケだけテクノっぽくて、音が全然普通っぽいのもあったりしますが。昔、VON
LMOってバンドの『FUTURE LANGUAGE』ってアルバム買ったらただのパンクでガッカリしたなぁ。ジャケは全員宇宙服っぽいの着てて、DEVOみたいで期待したんだけどね〜。
- JET 『JET』 ('75) LP \2,100
・・・ニッチ本、33ページ参照。スパークス、ジョンズ・チルドレン、ナイスなど色んなバンドの元メンバーが集まって結成されたバンド。今回初めて聴きましたが、・・・これは良い!!初期スパークスを思わす、グラム・ロックとモダン・ポップの中間的サウンド。ロイ・トーマス・ベイカーのプロデュースで、すっごいモコモコのサウンドなんですが、すごくパワーがあるし曲もいいのばっかり。演奏もいいし捨て曲ナシ。A@「Start
Here」(これすごくスパークスっぽい)とBA「My
River」が好き。メロディーやアレンジにもところどころに遊びやヒネリがあって楽しい。いや〜、堪能しました。1回ジャケを変えてCD化されたそうですが、これはオリジナル・ジャケがいいですね。ソニーの洋楽秘宝館に迷わずリクエストしましたよ、これは(^_^)。もしCD化されたら絶対聴いてみそ。
続いては横浜線に乗って(この電車は本数が少なくてイラつく)、「ディスクユニオン淵野辺店」へ。先日リニューアルしたということで久々に行きましたが、ココは、店舗が2つあって、片方は大フロアすべて中古で、隣にゲーム・ソフトを扱う「PIW」というフロアがくっついてるというモノ。で、もう片方はオーディオ関係、それとCDの新品を扱うフロアというモノだったんですが、今回行ったら新品と中古が一つのフロアに合体、で、もう一軒の方はすべてオーディオ関係で埋められてしまった。つまり中古が占める場所はかなり削減されてしまったワケだす。よよよ(泣)。
- スネークマンショー 『人格なし』 ('93) CD \1,260
・・・これは昔持ってたんですが、売ってしまったので久々に買い戻しました。これはおそらく当時ラジオで放送されたギャグをかき集めて編集したアルバムなのでしょうね。久々に聴きましたが、やっぱオモロイね〜。「ニューウェーブVOCAL教室」では伊武雅刀氏の「サティスファクション」がちょっとだけ聴けます(このギャグ、エンディングがコサキンっぽい)。「ねぇ、この曲かけてよ」では“ゴダイゴとかもうそういう時代じゃないのよ”とか言ってますが(^_^)。あと、目玉は「続々若いやまびこの時間」でしょう。ほとんど同じですけどね。克也さんが間違えまくってて、“いいものはいい、悪いものは、・・悪いっ”とか言っちゃってるのはどーしたもんか(^_^)。あと「水野曇郎パンクロック紹介」も笑ったな〜。しかし、ギャグとギャグの間に入ってる、アルファ音源を使ったMIXモノはヒドすぎ。こんなのシロウト以下ですよ。全然音をイジってないのもあるし。
- スネークマンショー 『人格なし2』 ('93)
CD \1,260
・・・う〜ん、「How Much」とか「クイズ&クイズ」とか面白いギャグもあるんですけど、かなり乱暴な出来ですなぁ、こっちは。特にアルファ音源MIXは、前作を上回るテキトーさ。はっきり言ってこんなの要らないですよ。ちょっとだけならまだしも、多過ぎるし。もっとギャグを多く聴きたいんですけどね。やっぱり伊武氏と克也氏のコンビはオモロイですからね。それにしても、「同窓会」という番組で久々に3人が揃ってたのにはビックリしたよなぁ。またやらないかなあ。
- THE SILVER APPLES 「FRACTAL FLOW」 ('96) 7"
\315
・・・「電子音楽イン・ジャパン」の211ページのシルヴァー・アップルズのページで、その中の下段真ん中に載ってる顔ジャケのレコがこれ。シメオンと新メンバーXian Hawkinsによる復活作。その後リリースしたCD『BEACON』で加入するドラマーはまだいません。昔の感じは多少する程度。メジャー・コードのユルいロック+浮遊電子音という感じで、スペースメン3あたりに近い。B面の方が昔の感じがするかな。声はほとんど変わんない人ですね。
- ゴダイゴ 『CMソング・グラフィティ Vol.2』
('82) LP \630
・・・ゴダイゴが手掛けたCMソング集の第2弾。リリースした時期はけっこうゴダイゴ人気が落ち目の頃で、'78年に第1弾を出した時はチャート最高4位とかなりヒットしたんですが、コチラは最高29位と、結果ふるわずでした。「第1弾があれだけ売れたから、このアルバムで一発起死回生を」という制作側の意向がミエミエなんですが、いかんせん選曲も中途半端なんですよ。既発表曲がかなりありますし、アルバム1枚分の新曲はなかったんじゃないでしょうかね。で、このアルバムはCDも出てたんですが、『ゴダイゴBOX』という10枚組のボックスがあるんですが、1曲を除いて全部それで聴けるので買いませんでした。Q盤はライナーがカットされてるようですし。今回はまぁ安かったのでとりあえず購入。タケ本人による曲解説があるんですが、音楽を担当しただけじゃなくてメンバーも出演していたCMがほとんどなんですね。「ピーチ・ネクター」という曲(そのままのタイトルですな)のCMでは、タケがアクション付きで「モモ、ピーチピチ」なんて言っていたというのだからスゴイ(^_^)。人気アイドルしてたワケですなぁ。僕は当時見てたのかもしれませんが、まったく記憶にないのでどんなCMだったのか今一度見てみたいものです。NEC、デルモンテ・トマトジュース、タケダのベンザエース、ハヴァナチョコ、森永ジャンボピーナッツ、そして小枝までもやってたんですね。曲として一番好きなのは「プレリュード」。パイロットの曲、と言われたら信じちゃいそうな、ストリングスをフィーチャーした和みポップス。歌詞には♪ホンダ
プレリュ〜♪とちゃんと企業名まで出てきます。
- PETER GODWIN 「THE ART OF LOVE」 ('83)
12" \105
・・・「テクノのススメ」113ページ参照。アルバム『CORRESPONDENCE』収録曲のNEW
YORK REMIX。プロデュースはもちろんゲオルグ・カヤナス。リミックスというよりはロング・ヴァージョンですね。B面は同曲のNEW
YORK DUBMIXと、UK REMIX。どちらも大したもんではないです〜。
- PROPAGANDA 「ONLY ONE WORD」 ('90)
12" \105
・・・これは第2期の、つまり一人を残してメンバー総入れ替えしたあとのプロパガンダの12インチ。A面はMirror
Mix。ですが、ミディアム・テンポの歌い上げる感じの曲調なので、特にどうって感じではないです。プロデュースはイアン・スタンレイとクリス・ヒューズ。B面は2曲入ってますが、両方とももったいぶったインスト。激つまらん。憤怒。
- アイスハウス 『メジャー・フォー・メジャー』 ('86)
LP \105
・・・4枚目のアルバム。アイヴァが参加した幸宏氏のアルバム、『WILD&MOODY』と『EGO』の間にリリースされた作品。ですが、特に幸宏色があるかというとそうでもないですね。これを聴くと、あの2枚のアルバムのうち、アイヴァらが参加した曲でも“幸宏度”が結構強いというのが分かるというものです。こちら、本家はかなりロキシー・ミュージック色が強い。そんなにフェリー・フリークでもない僕でも分かります。歌い方も似てるし、曲調もなんとなく似てる。ちょっとけだるい感じのとかね。この、'80年代中期から後期にかけての“元エレポップ勢”の方々は、一様にスネアのリバーブも深い、クリアで生っぽいサウンド作りに向かってたわけですが、本作もご多分にもれず。ドルフィン・ブラザーズとか、あの辺の感じですね。と思ってたら、数曲ではスティーヴ・ジャンセンがドラムで参加。あと、どういうわけかブライアン・イーノがバック・ヴォーカルとピアノ、シンセで参加しとります(帯には誤植で“ブライアン・イン”などと表記されとりますが)。プロデュースはデヴィッド・ロードとレット・デイヴィスが半分ずつ担当。特に新鮮味もないし、「名曲!」と言えるようなのもないんですが、すごく良く出来てると思います。けっこう好きです。B面は結構ハデな曲調のが多い。
<11/08/00 (水)>
某YMO系BBSにて、東芝EMIがオンライン廃盤セールというのをやってると知り、3枚注文。値段は70%OFF。注文したのは3日。送料\600って、高いなぁ。
- OMD 『ユニヴァーサル』 ('96) CD
\764
・・・3年ぶりのアルバム。1曲だけカール・バルトスとの共作がありますが、エレクトリック・ミュージックの2nd的なギター・ポップで、テクノ色はナシでした。あとビックリしたのは、ポール・ハンフリーズとの共作が2曲収録されていること(うち1曲はスチュアート・カーショウ含む3人の合作)。'99年のLexicon
Magazineでも二人で写った写真が載っていて驚きましたが。・・・まぁ曲自体は可もナシ不可もナシという感じですが。もともとOMDってそんなにハマれないのでね〜。アンディの声がどうもダメだし、曲にももうちょっとヒネリが欲しいし。ですので本作も通して聴いてもあまり引っ掛かる箇所はないです。・・・しかし、アンディは太ったね〜。昔の面影ゼロですよ。インナーにも写真がありますが、体型はともかく輪郭が全然違っちゃってますよ。関根勤みたいな輪郭になっちゃってるもんな〜。
- ザ・フューチャー・サウンド・オブ・ロンドン
『デッド・シティズ』 ('96) CD
\764
・・・FSOLは、本国イギリスではかなり大物だそうですが、こちら日本ではサッパリ。ま、これが本邦初登場盤だったんですが(^_^)。でもけっこう長いんですよ、キャリアは。変名で出した作品が多いみたいなんですけど。で、本作はFSOLとしては通算4枚目で、音はサンプリングを多用したブレイクビーツ・テクノ。トリップホップっぽいのや、ケミカル・ブラザーズっぽいのもあります。アルバムは曲間がなく全体でひとつのトータルな流れを作っており、なかなか聴きごたえがあります。結構テーマとかヘビーですけどね。タイトルからして重そうでしょ(^_^)。今聴くとちょっと古いかな〜という部分も感じられますが。でも70分通して聴くと、心地良い疲れが味わえます。映画観た後のような感じになりますね。なかなかのもんです。
- レ・リタ・ミツコ 『システムD』 ('93/'94)
CD \764
・・・これは通算4作目。だんだんマトモになってきており刺激が乏しいです。一応打ち込みではあるものの、徐々に普通のヨーロピアン・ポップスに傾倒していってる気がしますわ。なんせ、一時期話題になった映画「ポンヌフの恋人」の挿入歌があって、それがまた歌い上げる感じの感動モノですから。ちょっと退きます。あと、1曲だけイギー・ポップとのデュエット共演あり。これはなかなかのロック調。あとジェームス・ブラウン賛歌もあり。ゲロッパ。ミソッパ。おっ、はー(銃乱射)。でもまぁ、こんなもんかな。
<11/09/00 (木)>
同日、東芝EMIの廃盤セールのページのリンク先で、ソニーでもオンライン廃盤セールをやってると分かり、早速そっちにも行って7枚注文。こちらは送料\400。
- PSY・S 『ディファレント・ビュー』 ('85)
CD \876
・・・こりゃあ懐かしい。実は昔持ってました。でも売っちゃったので今回買い直し。しかもまだ初回盤(箱型の帯のやつ)とは。やっぱり「Teenage」が一番好きですね。昔、サエキけんぞう氏と細野さんが司会(と言っていいのかな)をやってた番組「AVガーデン」でこれのプロモ・ビデオ見ましたね〜。あの、武士が走ってるやつ。白黒の。懐かしいです。しかし今改めて聴くと、音の悪いCDですねぇ、これ。当時はそんなこと思わなかったんですけどね。
- PSY・S 『ピクニック』 ('86) CD
\876
・・・こちらは2nd。これも当時聴いた気がします(あんまり記憶ない・・・借りて聴いたんだっけな)。サエキ氏が7曲も詞を書いてます。こっちは音が良くなってますね。曲としてはやっぱり「Woman・S」でしょう。これは前にも書きましたがかなり教授っぽいですね、ピアノのフレーズというかコード感が。特にピアノの低音部の感じとかソックリ。シングルの編集ヴァージョンよりこっちの方が良いです。他は、・・・あんまり印象に残る曲がないなぁ。窪田パルヲ氏がギターで3曲に参加。
- PSY・S 『ミント・エレクトリック』 ('87)
CD \876
・・・で、これは3rd。ずいぶん音がハデになってますね。「電気とミント」とか「TOYHOLIC」とかまぁまぁいい曲はあるんですが、全体的にはだんだん普通の音になっていってますね。この辺がギリギリかなぁ。4thは聴いたことはありませんが、ちょっとこの傾向で行くとすると、ちょっと手が出ないかな〜。本作はパルヲ氏の参加は1曲のみ。
- キンクス 『フォビア』 ('93) CD
\670
・・・通算27作目だというアルバム。全16曲で71分強。それにしてもこの人たちは長い。僕は1st、『ヴィレッジ・グリーン〜』、『アーサー〜』の3枚しか聴いてないので、まだまだ青ちゃんですが。いや〜、いいです、これも。音が厚いね〜。シンプルなバンド・サウンドで特別凝ったサウンドではないんですが、やっぱり曲そのものがいい。結構レイドバック調というか、オールド・ウェイヴな感じの曲調が多いんですが、へヴィーなハード・ロック調のタイトル曲やJ「イッツ・オールライト」なんかカッコイイです。分厚いコーラスが、たまに70'sロックをイメージしたりしますね。それこそニッチな感じの。ビックリしたのは、N「クロース・トゥ・ザ・ワイヤー」のギターのリフ。RCの「ノイローゼ・ダンシング」にソックリ。しかし、27枚目だってのにこんな濃厚なアルバム出せるっつーのはスゴイ。声も衰え知らずって感じだし。それにしてもスネアの音がデカイねぇ。
- フィータス 『ガッシュ』 ('95) CD
\670
・・・7年ぶりだというアルバム。この人の「カラミティ・クラッシュ」は大好きでした。たしか「サウンド・ストリート」で教授が細野さんの「ボディ・スナッチャーズ」と続けてかけてました。“32ビート”とかいう言葉を知ったのもそれがキッカケでしたね。アルバム『釘』とかは久々に聴いてみたらちょっと古かったけど・・・。で、本作は初のメジャー移籍作ということで着合い入りまくりです。日本盤はボーナス・トラック3曲含む、78分強の大作です。元祖インダストリアルの一人として、本作でもガンガンやってます。相変わらずの超ど級ダミ声も健在。Aとかすごくカッコイイ。意外にもIみたいなビッグバンド・ジャズものまであり。かなりヘビーですが(この人のはどれもそうか)、聴き応えはあります。
- ジェイコブズ・オプティカル・ステアウェイ
『ジェイコブズ・オプティカル・ステアウェイ』 ('96)
CD \670
・・・ドラムン・ベース・ユニット、4ヒーローの変名ユニット。レーベルを変えた関係上、4ヒーロー名義に出来なかっただけらしく、実質は4ヒーローのアルバムと見て良いそう。ゲストとして「Don't
Laugh」のジョシュ・ウインク、モデル500のホアン・アトキンスが1曲ずつ参加。帯には「アートコア・ジャングル/ドラムン・ベース」と書かれています。これはクラブ系と言うよりもリスニング系ですかな。本人もGについて「ハービー・ハンコックに影響を受けた曲」と公言しているように、ところどころジャズ、フュージョン的なフレーズが出てきて気持ち良いです。スクエアプッシャーなんかもそうですけど、ドラムンベースとジャズ、フュージョンってのは相性がいいんでしょうか。
- レッド・スナッパー 『リールド・アンド・スキンド』 ('95)
CD \670
・・・WARPレーベルからリリースされたアルバム。と言ってもレッド・スナッパーはテクノではなく、ギター、ダブル・ベース、ドラム、フルート+メロディカ+サキソフォンによる4人組生バンド。ドラムのリチャード・サイアーは、アンディ・ウェザオールのセイバーズ・オブ・パラダイスのメンバーとして来日もしたことがあるとか。サウンドはそのセイバーズにちょっと似てて、いわゆるダブ〜トリップホップ系。すごく煙たい感じの、くすんだサウンドです。ジャズっぽい部分もありますね。ほとんどの曲がドラムとベースが前面に出てくるようなミックスでちょっと単調な感じもしますが。6曲目を聴いて、「お、これかっこいいなぁ」と思ってクレジットを見たら4曲目「Hot
Flush」をセイバーズがリミックスしたものでした(T_T)。一番かっこいいのがリミックス・ヴァージョンってのも困りモンですね。
次回は「廃盤70%OFFセール」編。45枚・・・。どーしましょ。