PAUL'S RECORD CRAZE DIARY - #33-35
(ポールのバカ買い日記-第33〜35回)
ポールって誰だなんて言わないで下さい。ポール・フランクこと荒特派員です。僕も結構レコード買いますが、いゃ、もう凄いです。脱帽です。ファンレーターは、junya-ara@mtc.biglobe.ne.jpまで。
(Sorry! Japanese Only)
第35回
<04/26/01 (木)> 前回の続き
同日、「ディスクユニオン北浦和店」にて。
- キング・クリムゾン 『ビート』 ('82/'01) CD \2,310
…クリムゾンのアルバムは何回も再発されてますが、これは今回初めて聴くアルバム。ベスト盤で「ハートビート」は聴いたことがありましたが。いや〜やっぱり、僕としては70'sクリムゾンより80'sクリムゾンの方が好きだなぁ。このアルバムもいいですよ、ホントに。前述の「ハートビート」はモチロンすごく好きで、何回も聴いてしまいます。すごくいいメロディーです。あと好きなのは、B「サートリ・イン・タンジール」。こりゃカッコイイ。リズムが重くて、ビシッと決まっててシビれますなぁ。あとD「ニューロティカ」もいいですね。・・・こういう名前のバンドがいましたね、そーいえば(^_^)。なんかピエロみたいなメイクしたヴォーカルの(まだやってるみたいですが)。
- キング・クリムゾン 『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー』 ('84/'01) CD \2,310
…80'sクリムゾンのラスト・アルバム。実はこれも今回聴くのは初めて。ん〜・・・。だんだんテンションが落ちてる感じはしますなぁ。前半はブリューがメインのポップな歌モノ、後半はインスト中心という構成です。取っ付きやすいのはもちろん前半で、C「マン・ウィズ・アン・オープン・ハート」なんてトッド・ラングレンを思わせるようなポップな曲(もちろんクリムゾンにしては、という意味で)。後半DEのインストは、JAPANのインストものとかミック・カーンのソロにも通じる部分が感じられます。これはベースのせいかもしれんが。相変わらずブリューは「これホントにギターで出してんのか?」という不思議な音ばかり出してますな。で、クリムゾン・ファン注目のH「太陽と戦慄パートV」は、出だしオッ!と思うものの、意外とアッサリ終わってしまう。で、ボーナス・トラックが6曲も収録されていますが、個人的にはあってもなくても・・・という感じですが。フランソワ・ケヴォーキアンが12インチ用のリミックスをやってたなんて驚きですが、“ダンス・ミックス”なんて書いてあるから期待したら、わりと普通のリミックス・テイク。さすがにモトがクリムゾンだから遠慮したのか。
- オウテカ 『コンフィールド』 ('01) CD \2,500
・・・なんだか、レディオヘッドが「ファンだ」と公言したり、似たような音作りまでしたりしたとかで、ロッキング・オン界隈ではちょっとしたブームになってしまってるオウテカ。これをレディオヘッドのファンが聴いて気に入るとは思えないのだが。おそろしや。オウテカについては、僕が専門学校の学生だった頃(ちょうど電グルのビタミンや、テクノドンなどでテクノ大盛り上がりの時代。テクノとテクノポップの違いについての論争もウンザリするほどあった。それも最早なつかしい)、オウテカの初期の2枚は友人に借りて聴いてました。ワゴン・クライストの1stとかシーフィールのシングル、ローカストの『ウェザード・ウェル』などと共に「フロア向けではないテクノ」として、よく分からないながらもよく聴いてました。ですので、こうして大きく取り上げられたりすると不思議な気がします。CDを聴くのは『オウテカ』というタイトルのCD以来。結論から言うとその『オウテカ』を聴いたときのような「お〜、スゲェ〜」というような気持ちは、この『コンフィールド』を聴いても起きませんでした。エイフェックス+オヴァル÷2+?というと怒られるかもしれませんが、実のところそんな感じ。音楽雑誌がこぞって取り上げてワーワー騒ぐほどこちらの気持ちが冷めていくのはいかんともしがたいのであります。でもまぁ、素直な感想なんですけど。「シゴキ系」と言ってもいいかもしんないですね(^_^)。
- 石野 卓球 『KARAOKEJACK』 ('01) CD \3,058
・・・先行シングル「stereo night」が良かったし、エレクトロ系の音になってるというので期待していた新作。ま、「ミュージック・マガジン」では酷評されてましたけどね・・・。で、最初の2曲を聴いた時点では「・・・ん〜・・・」という感じだったんですが、B「turn
over」でかなりキました。思わずイ・パクサが浮かんでしまう(内ジャケの卓球もパクサ風)。C「S.W.A.P.」は、雑誌での記事を読むまで卓球本人がヴォーカルだとは分からなかった(T_T)。ゲストの外人が歌ってるのかと思ってたが。言われてみれば卓球の声だわな。あと最高なのがG「gimme
some high energy」。クラフトワーク的マシン・ボイスで始まり、モロに「モスコウ・ディスコウ」なベース・ラインにはマイッタ。今日はマイッタよ。ろっろくっ六十年代よ。そういえば「素敵なハイエナジーボーイ」とかいう曲もありましたな。あとスゴイのはJ「chieko's
acid experience」。これはコワイです(^_^;)。コワイというか気持ち悪いというか・・・。「じゃんじゃかじゃ〜ん」の音が半音の半音ぐらいズレてるみたいで、聴いてると首筋あたりをガリガリ掻きたくなりまする。いや〜しかし、最近の電グルのアルバムは面白くないけど、卓球ソロはどれも良い。これはほんとオススメ。良いです。
<04/30/01 (月)>
また「ディスクユニオン北浦和店」にて。全然遠出してないなぁ最近。
- カルメン 『宇宙の血と砂』 ('73) LP \1,050
・・・トニー・ヴィスコンティがプロデュースした、フラメンコ・ロック・バンドの1st。とは言え、メンバーはスペイン人だけでなくイギリス人やイタリア人もいまして、で、結成はアメリカだっつーんだからムチャクチャです。んで、実はこれは“帯付きサンプル盤”を持ってたのですが、今回運良く“帯なし通常盤”が見つかったので買って、組み合わせて“帯付き通常盤”にしました。嬉。フラメンコ・ロックなんて言うとキワモノっぽいと思われるでしょうが、これがナカナカなんですよ、熱くて。演奏もすごく上手いし。実を言うとカスタネットの音や足をダンダンする音を除くと、わりと真っ当なロックとして聴けます。ただ曲構成はすごく凝ってるので、やっぱりプログレと括られるんでしょうかね。曲の展開が激しいのでボーッと聴いてると、今何曲目だか分からなくなります。紅一点のアンジェラ・アレンは、メンバーのデヴィッド・アレン(ゴングの爺ちゃんではない)の妹ということですが、かなりフェロモン系美女でフンガフンガです。オススメ(って何をだ)。
- マウス・オン・マーズ 「アクショニスト・レスポーク」 ('01) 12cmSingleCD \1,575
・・・アルバム『イディオロギー』からのシングル・カット。タイトル曲のシングル・ヴァージョンと10分近くもあるリミックス・ヴァージョン、マシュー・ハーバートが参加した「dj
コラブス」の3曲入り。これだけなら別に買わなかったかもしんないですが、ボーナス・トラックとしてタイトル曲のプロモ・ビデオが収録されているのです(mpeg方式)。本人達は一切出て来ません。老若男女約10人のお食事会の様子。飲み物の中に蝿が入ったり、若い男女がお互い意識して見つめ合ってたり、老人男女の楽しそうな会話を別の婆さんがやっかんだり。と、曲自体に何の関係があるのか分かりませんが、CGでいろいろと処理した映像は、ユーモラスかつちょっと不気味。何かオチが欲しかったとも思いますが。
- カーン 『宇宙の船乗り』 ('72/'01) CD \2,140
・・・スティーヴ・ヒレッジを中心にしたバンドの唯一のアルバム。デイヴ・スチュワートもサポート・メンバー的な形でクレジットされてるものの、聴いた限りではほとんど正式メンバーと言っていいほど活躍しています。いちおうプログレには違いないですが、歌部分なんかはけっこうマトモなブルース・ロックだったりします。Aは、四人囃子あたりを思わせる、ちょっとフュージョン寄りのインスト・パートから始まる、牧歌的な曲。ホント似てるな、これ。個人的にはカンタベリー系って、こっちの気分によっては聴いててすごく疲れるときがあるんですが、このカーンは全然そんなことないです。全体的にはプログレの要素もあるブリティッシュ・ロックといった感じですかな。かっこいいです。
- ドクターZ 『スリーパーツ・トゥ・マイ・ソウル』 ('71/'01) CD \2,140
・・・観音開きの特殊ジャケで、渦巻きヴァーティゴでリリースされた唯一のアルバムという、マニア度高いアルバム。エグゼクティヴ・プロデューサーとしてニルヴァーナのパトリック・キャンベル・リヨンズが参加している本作は、ハープシコードをフィーチャーし、ところどころ神秘的というかおどろおどろしいフレーズも出てくるアングラ・ロック。グレイシャスなんかもそうなんですけど、個人的にハープシコードの音ってすごく好きで、このアルバムもそれだけでもうお気に入りの仲間入りです。全曲を作曲し、歌、ハープシコード、ピアノ、オルガンを担当しているキース・キーズという人は、正式な音楽の教育を受けていたらしく、曲の方もすごくしっかりと正攻法で作られていますし、前述の神秘的な部分を除くと、すごくポップな部分も出てきてときたまハッとさせられます。Bのハモり部分とか、Cのマイナー調でクラシック的な展開のサビ部分とか、かなりシビれます。しかしBの後半、プチプチというノイズがハッキリ聴き取れるんですが、まさかアナログ起こしなんでしょうか・・・?
- XTC 『イングリッシュ・セトゥルメント』 ('82/'01) CD \2,548
・・・これは今までテープとMDでしか持ってなかったアルバム。友人に借りて聴いてたんですが、当時のCDは何曲かカットされた編集盤でした。で、XTCのアルバムの中ではそんなに好きな方ではないんです。一般的には評価が高いようなんですが。アコギがメインで、すごく地味な印象があって・・。『ブラック・シー』とか『ビッグ・エキスプレス』みたいな攻撃的な音の方が好きなもので。で、本作を久々に聴いてみましたが、これはこれでいいアルバムですね。XTCの全作の中で考えると下位の方に行ってしまいますが・・・。ただK「フライ・オン・ザ・ウォール」だけはメチャ好き。これはサビ部の展開にグッとキますね。
<05/02/01 (水)>
仕事が終わって、しばらく行ってなかった(と言っても1ヶ月半ですが)新宿へ。ディスクユニオンからプログレ・フロアが独立して出来た「ディスクユニオン新宿店プログレッシヴ・ロック館」へ。
こないだ買ったクレシダの『アサイラム』が非常に良かったので、ここ数日プログレにドップリです(昔のMARQUEEとかブリティッシュ・ロック集成とか引っ張り出してきて読み返したりしてます)。ユニオンの斜め向かいのビルの地下にあるんですが、思ったよりも広さは変わってなかったです。もうちょっと広いと思ったんですけどね。で、ここ数日どうしようかずっと迷ってたんですけど、「ストレンジ・デイズ」プレゼンツのブリティッシュ・ロック・レジェンド・シリーズを全部買うと、ヴァーティゴ・ボックスってのがもらえるんですね。で、中にはあまり欲しくないのもあったのでさすがに全部は買わないだろーな、と思ってたんです。が。迷いに迷ったあげく、結局「あと7枚買えばもらえる・・・・」、ということで一気に7枚買っちゃいました。そしてボックス、無事いただきました(^_^)。レジで買ってるとき、他のお客さんに「・・・ぅわ、アイツあんなに買ってるよ」とか「あ、ボックスもらってる〜」という感じの目線でチラチラ見られてしまいました。・・・至福・・・。このあと、ブリティッシュ・ロック・レジェンドの第2弾を9枚買えばデッカ・ボックスが、XTCを10枚買うとXTCボックスが、ピンク・フロイド12枚を買うとフロイド・ボックスがもらえる・・・(注
: 中止になってしまった)。迷うぅ〜(でも多分買っちゃうと思う。レプリカ帯ってのも魅力)。でもユニオンはエライですね。色々凝った特典をつけて。感心します。・・・まんまにユニオン商法に乗ってる僕チンですが(^_^)。ま、それもまたよし。
- ジェントル・ジャイアント 『オクトパス』 ('72/'01) CD \2,140
・・・4枚目の紙ジャケ再発。これは、フォノグラムから出ていたCDは持ってるので、2枚所持していることになっちまいました。好きな曲はなんと言ってもE「ドッグズ・ライフ」。これはギターとストリングスをバックに歌う、シンプルな曲ですが超ど級ブリティッシュな音です。GGのプログレ的な側面からするとアルバムの“つなぎ”的な役割かもしれない曲ですが、イントロのギターの不思議なフレーズは頭から離れません。あとC「ノッツ」も好き。イエスっぽいアカペラ多重コーラスと、現代音楽的なヴァースが印象的な、これもまたGGのプログレ的な側面が好きな方からすると、毛色の変わった曲かも知れませんが、すごくいい曲です。他にも従来のGG的な変拍子多用ナンバーもありますが、全体的にチェロやトランペットをフィーチャーしており、ブリティッシュ・ポップ的な部分が強調されてるようで、すごく好きなアルバムです。
- メロウ・キャンドル 『抱擁の歌』 ('72/'01) CD \2,140
・・・女2男3の5人編成によるフォーク・グループの唯一のオリジナル・アルバム。ヴォーカルは、大半の曲を書いているクロダー・シモンズとアリソン・ウィリアムズという女性2人。プログレ関係誌でよく取り上げられるので、マニアックなサウンドかなと思ってたら大違い。透明感のある女性ヴォーカルが心地良く、曲もモロにフォークやトラッド一辺倒というワケではなく、なかなかポップ。Gあたりは展開部がちょっとプログレしてますけど。ただ、ダーッと聴いてる分には別にいいんですが、聴き終わってみると意外に印象が薄い。「この曲いいわ〜」という1曲が欲しかった。
- トム・ニューマン 『妖精交響曲』 ('77/'01) CD \2,140
・・・マイク・オールドフィールドの『チューブラー・ベルズ』等でエンジニアを担当していた人の2ndソロ。前作『ファイン・オールド・トム』はなかなか屈折したブリティッシュ・ポップ・アルバムでかなり好きだったんですが、本作はまるで傾向を変えて全編トラッド風のインスト・アルバムになってます。たしかにマイク・オールドフィールド的な部分もかなりありますね。あと、「ストレンジ・デイズ」で触れられていたんですが、初期アンソニー・フィリップスにも通じる感じもあります。かなり作りこんだ跡があって、譜面もビッシリ書いて録音したんだろうな〜というイメージを受けますね。ほとんどの曲が切れ目なく続くので、全13曲入りという感じはしません。H「ダンス・オブ・ダオン・サイド」が今にもバグパイプの音が聴こえてきそうな曲調で好きです。K「アンシーリー・コート」はかなり激しい曲で、途中でアート・リンゼイみたいな掻き毟りギター音が聴こえます。他は全体的にフルート等をメインにした牧歌調。まぁロックとは言えませんな。でもいいアルバムです。ジャケはなんだかアニメのサントラみたいなのでちょっと抵抗ありますけどね。
- T.2 『イットル・オール・ワーク・イン・ブームランド』 ('71/'01) CD \2,140
…唯一のオリジナル・アルバム。以前どっか別の会社から違う邦題でもCD化されていました(この紙ジャケCDが出たことによって中古でよく見かける)。このバンドは3人組で、一人がギターとキーボードを兼任し、あとの2人はドラムとベース。ドラマーがリーダーでリード・ヴォーカルも担当。音は、ジャケからの印象ではもっとファンタジー系っぽい感じかなと思ってたら、いかにも'70年代初期のへヴィ・ロック。キーボード(メロトロンも)とジミヘンばりのギターをフィーチャーし、曲調もドダドダドコドコという感じのハード・ロック調のが出てきたと思ったら、クリムゾンばりの叙情的な曲調も出てくるといった具合。LPではB面全部を占める、22分に及ぶ「モーニング」がカッコイイ。全4曲で44分あるんですが、聴き終わった感じは意外とアッサリした印象です。
- チューダー・ロッジ 『チューダー・ロッジ』 ('71/'01) CD \2,140
・・・昔からMARQUEEとかのプログレ系誌でさんざん取り上げられているのを見たフォーク・アルバム。ヴァーティゴで、6面開きの変型ジャケで、唯一のオリジナル・アルバムですから、かなりマニアックな扱いをされてきたようですが、聴いてみたらこれが実に素晴らしい!マニアックでもなんでもない、実にポップで爽やかなフォーク・サウンドですよ。女性ヴォーカルがフロントで、他の男性2人のヴォーカルもハモりで絡んでくる。アコースティック・ギターがメインですが、フルートやクラリネット、オーボエ、ヴァイオリン、ホルンなども出てきてちょっとクラシカルな雰囲気もあり、すごく気品のある、イギリス的で牧歌的なサウンドが心地良いのです。AやCあたりが素晴らしい。シングルにもなったIは、他の曲とは多少毛色の違ったちょっと泥臭いフォーク・ロック調ですが、これもまた良し。なお、二代目女性ヴォーカルを加え再編されたチューダー・ロッジ(現在はデュオ)は来日までしましたが、現在英語講師として日本在住の元メンバー、リンドン・グリーンはbiceのアルバムに参加していたりするようです。
- イースト・オブ・エデン 『世界の投影』 ('69/'01) CD \2,140
・・・以前アナログで買ったアルバム(第21回分参照)。これは1stアルバムで、2nd以降はソフト・マシーン的なジャズ・ロック・バンドになるんですが、本作はサイケデリック・ロック的な音になっています。ドンドコドコドンという感じの重いドラムに、ヴァイオリンやフルート、オルガンなどが絡む。長いインスト・パートでヴァイオリンがフィーチャーされてたりすると、初期アモン・デュールUっぽく感じられたりもします。バンド後期にはオリジナル・メンバーが一人もいなくなりましたが(まんまソフト・マシーンやがな)、最近オリジナル・メンバーによって再結成され、フュージョンちっくなアルバムをリリースしているそうです。僕チンは2ndあたりまででいいです。
- ムーディー・ブルース 『童夢』 ('71/'01) CD \2,140
・・・ムーディー・ブルースの大ヒット・アルバムで6作目。このバンドは、4枚目の『子どもたちの子どもたちの〜』しか聴いたことがなく、そんなに興味もなかったんですけども。このアルバムは、有名なので多少気になってはいたんです。なんせ、僕が小学生の頃、当時大学生だった僕のイトコが持ってたので。そのイトコはまったくプログレ好きでもなく普通にポップスが好きだった人で、他に持ってたレコードは('70年代後期の話ですよ)、カーペンターズのベスト、イーグルス『ホテル・カリフォルニア』、ビリー・ジョエル、ポール・モーリア等々だったんです。その中にこれがあったんですから、かなり売れたんだな、ということが後々になって分かりました。で、今回初めて聴いてみましたが、・・・まぁホノボノしてるというか牧歌的というか。端的に言えば実にジジくさいポップス(^_^)。さわやかハーモニーで歌い、キレイなサウンドで仕上げる。バークレイ・ジェームス・ハーヴェストなんかと同じで、なぜ“プログレ”扱いされてるのかよく分からない音です。
- AX GENRICH 『PSYCHEDELIC GUITAR』 ('94) CD \840
・・・初期グル・グルのギタリスト、久々のソロ・アルバム。ストレートなタイトルそのままの、アックスのサイケなジミヘン・ギターを前面に押し出した内容で、やはり初期のグル・グルのサウンドの中心人物はマニさんでもウリでもなく、この人だったんだなということがよく分かる出来。ホントに90'sグル・グルという感じです。どアタマからギュワギュワ・ギターと、(たぶん)ツー・バスドコドコ、シンバルバッシャーンのドラム等による、「モロにグル・グルやんけ〜」という感じのフリーな曲で幕開け。他にも女性ヴォーカルを起用したものや、バンジョーを使った曲、トラッドのカヴァーなど色々。「Blow
Up」という曲は、どっかで聴いたことある曲だなと思ってたら、ちょっと前にキャプテン・トリップから出たアックスのベスト『サイケデリック・イヤーズ』にも収録されていました。声はすごくよく通る若い声ですが、見た目はさすがにオッサン化しましたね。
- AX GENRICH 『WAVE CUT』 ('95) CD \1,260
・・・こちらは翌年リリースされたソロ。前作は多数のゲストを迎えたアルバムでしたが、こちらはアックスのギター以外にはドラマー、ベーシストの3人によるシンプルなバンド編成。・・・ということから想像されるのは、やはり初期グル・グル・サウンドの再来。とは言うものの、やはりグル・グルそのままという感じではないですね。ドラマーは手数が多いものの、マニさんドラムのクセとは違う。ベースはウリ・トレプテみたいに音がデカくなく、あまり主張してない(ウリは主張しすぎ、というかそこがいいのですが)。ですから「グル・グルっぽいのか?」と訊かれれば「No」と答えます。でも、カッコイイのですよ。サンプラーなども使っているものの、全編アックスのジミヘン・ギターをフィーチャーしたソロ・アルバムとなっています。
<05/04/01 (金)>
ゴールデン・ウィーク2日目。久々に「ディスクユニオン柏店」へ。以前中古レコが並んでいた場所が「オーディオユニオン」のスペースになってしまい、中古レコのスペースは縮小。シクシク。淵野辺店と一緒ですなぁ。プログレの中古レコがどっか行っちゃったよ〜とウロウロ探してたら、なんと今までCDとかが置いてあったプログレ・ブースの片隅にチョコッとあった。シクシク。む〜。開店時にオーディオ・ユニオンも併設すればいいのに、後からスペースぶんどられちゃうと、なんかサミシイ気がするわよねぇ。とは言うもののけっこう大漁。
- RHEAD BROTHERS 『DEDICATE』 ('77) LP \1,575
・・・「ストレンジ・デイズ」2001年4月号、71ページ参照。ほほ〜。これはめっけもんですねぃ。たしかにスティーリー・ダン的な、7thや9thを多用したオシャレなポップス。ヴォーカル・ハーモニーがすごくキレイです。サウンド面で言うと、エレピやスネアの音、ちょっとファンキーな部分など、個人的にはティン・パン・アレーにソックリだなぁと思いました。ティン・パンのアルバムにも似てますけど、メンバーが当時担当した歌謡曲やポップスなどにも共通するサウンドですね。特にBCあたりは鈴木茂氏の世界。サビの部分が、オクターブ離れてユニゾンで歌うというのがまさにそのまま(茂氏はよくやる。平沢進氏もよくやってた)。他、曲そのものもいいのが多く、誰が聴いても「いいねぇ」と言うと思います、これは。しかしこの兄弟についてはまったく無知なんですが、デビュー作だとしたらかなり質が高いですね。出来すぎと言ってもいいくらい。
- MARTIN BRILEY 『FEAR OF THE UNKNOWN』 ('81) LP \840
・・・「ストレンジ・デイズ」2001年4月号、68ページ参照。まったく聞いたことのない人です。グリーンスレイドの後期メンバーだったということから、ちょっとプログレ系?と思っていたものの。まっとうな歌もののアルバムです。AORっぽくないわけでもないですが、“ポップス”と“ロック”の中間といったところでしょうか。ギターのフレーズが“泣き”のマイナー調フレーズが多いので、日本の歌謡曲〜ヒット・ポップス〜ニュー・ミュージック(トニマンのではない)にも通じる部分がかなりあります。正直「(ちょっとダサいなぁ・・)」と思うこともしばしば。マーティンさんの声は、高音になるとピーター・ガブリエルそっくりです(フィル・コリンズでも可)。B面ラストのタイトル曲は、曲そのものもちょっとピーガブっぽくて、重く盛り上がるナカナカの曲なんですが、ラストの♪ジャッ、ジャッ、ジャカジャン♪という終わり方はアイドルの曲みたいでかなり笑ったよ〜い。曲の最後でポーズをキメる図が浮かんでくるようです。
- PETE McCABE 『THE MAN WHO ATE THE PLANT』 ('73) LP \2,520
・・・「モンド・ミュージック2001」のアート・スクール・ロックのページ(P.111〜112)で取り上げられていたアルバム。ジャケのイラストはどことなくヤバイものの、内容はギターやピアノ、ストリングスなどを中心にしたオーソドックスなSSWモノ。ただ、「モンド〜」にも書かれてましたが、バンジョーやペダル・スティールが出てくるコミカルな曲もアリ。ADなんかがそうで、メロディー的にはヴァン・ダイク・パークスに通じる感も。個人的にはシンプルでメロディーが良いAB、BBあたりに惹かれます。
- カルメン 『舞姫(スペインの恋物語)』 ('75) LP \2,100
・・・また出ましたカルメン。これは以前MSIから出ていたCDで持ってるんですが、アナログ盤が欲しかったので購入。帯がデカく(当時の東芝EMIのアナログは帯がデカかったみたい。実にジャケの3分の1を覆ってる)、また帯に書かれたタイトル文字もデカく、迫力に負けてしまいました。内容ももちろん良く、はっきり言って1stよりこっちの方が全然傑作だと思ってます。特にA@。これは1stのA@と同じものをリアレンジしたパワーアップ・ヴァージョンで、とにかく圧倒されます。あとB面は組曲形式で、比較的短めの曲が9曲。中でもBB「ジプシー娘(その生い立ち)」がカッコイイ。特にキャ〜ラヴァ〜ン♪というコーラスが耳に残ります。プロデュースは前作同様トニー・ヴィスコンティが担当。
- SKELETON CREW 『LEARN TO TALK』 (') LP \630
・・・フレッド・フリスとトム・コラのデュオ。こっちの予想では「また変拍子の嵐&即興の嵐って感じでしょ」と思ってたんですが、これがなかなかどーして。変拍子は出てくるものの、ポップではないですか。2人でヴォーカルもやってるし(トム・コラ上手い)。曲は複雑で演奏も難しいんだろーけど、この2人のイメージからするとかなりポップでよござんす。トム・コラのチェロって、独特で良いです。フリスはいつも通りと言えばいつも通り。『グラヴィティ』もポップだったけど、こっちの方が取っ付きやすさでは上かも。
- ALTERNATIVE TV 『STRANGE KICKS』 ('81) LP \840
・・・「テクノポップ/エレポップ」本、40ページ参照。バンド名はかなりトホホですが、サウンドはなかなか。バンド・サウンドでそんなに凝ってないですが、テクノ〜ニューウェイヴ的な音です。曲もなかなかシンプルながらポップで憶えやすい。中では、かなり下世話にテクノ・ポップを意識して演ってると思われるAB「COMMUNICATE」がベスト。オクターブを上下する、ブンニョブンニョ♪なベースラインと、4拍目の裏で必ずスネアの3連打が入る機械的なドラム(ズンタ、ズンタ、ズンタ、ズタタタ♪)、シンプルなメロディーと、これはかなりB級テクノ・ポップとしてはかなり確信犯的な出来。テクノ・ポップ好きの人に聴かせたらかなりの確率で「なんか、どっかで聴いたことあるような・・・」とか「こういう曲あったよね〜」と言いそうな曲です。
- ポーション・コントロール 「ゴー・トーク」 ('84) 12" \420
・・・元祖ボディ・ミュージック。・・・とは言うものの、石野卓球が「テクノボン」で言及するまで知らなかったんですが。プロデュースは元キリング・ジョークのユース(アート・オブ・ノイズの『アンビエント・コレクション』もGood!)。帯には“ニュー・オーダーっぽいリズムにさらに野性的な味わいを加え”とか書かれてる。“ニュー・オーダーっぽいリズム”とか、そういうこと書くなよ(^_^)。そういやぁゲリマンの『ニュー・アンガー』のコピーも“D.BOWIEのエンターテイメントそしてTALKING
HEADSのインテリジェンスがここに融合”というヒドイものでしたけどね(それじゃオリジナリティーないやんけ)。ま、ニュー・オーダーっぽくはないです。イントロこそテクノ的ですが、ヴォーカルのダミ声が聴こえてくると、「お、ボディ的」と思ってしまう。初期フロント242を、更に拙くした感じとでも言うか。スネアは打ち込みではないんでしょうか、たまに遅れたりズレたりしてます。
- YAZ 「NOBODY'S DIARY」 ('83) 12" \315
・・・2ndアルバム収録曲の12インチ・ヴァージョン。B面は「STATE
FARM」で、たしか後になって出た「SITUATION」のリミックス・シングルでもカップリングとしてリミックス・ヴァージョンが収録されていました。本作はリミックスというかロング・ヴァージョンというやつですね。
- PERSON TO PERSON 「HIGH TIME-NIGH TIME MIX」 ('85) 12" \105
・・・デヴィッド・パーマーがYMOの散開ライヴ後に参加したバンドの12インチ。かなりスクリッティ・ポリッティを意識したファンキー・エレ・ポップです。実はこれ、持ってるんですが自分のとジャケが違ってて、自分のはシンプルなイラストだったのに、こっちはメンバー全員が写ってるんです。だから「2種類のリミックスがあるのかな」と思って買い、で、家帰ってチェックしてみたら“NIGH
TIME MIX”というのも同じで、B面がインストというのも同じ。聴いてみたらやっぱり同じ。あれ。レーベルのデザインまで同じ・・・。レコード番号は、こっちがTA4630・・。で、こっちは?・・・TA4630・・・。げげっ。まったく同じぢゃねぃか。ボェ〜♪(思わずジャイアン化する僕チン)。要は、ジャケが2種類あるってことだったのね。
- PERSON TO PERSON 「LOVE ON THE REBOUND(BOUNCE
AROUND BLEND)」 ('85) 12" \105
・・・こちらもリミックス12インチ。アルバム収録曲です。A面はシャッフル・ビートの曲。リミックスそのものは凡庸。B面はアルバムと同ヴァージョンの「4
A.M.」というAORポップス調の曲と、「LOVE
ON〜」の別ヴァージョン。裏ジャケにメンバーの写真が2枚左右にあるんですが、ヴォーカルのピートとパーマーが右で、他の3人が左。で、ピートが左向けてライフル構えてるんですよ。・・・これって、ABCの『ルック・オブ・ラブ』のジャケのパロディーなんでしょうかね。
- KEV HOPPER 『WHISPERING FOILS』 ('00) LP \1,008
・・・スタンプのケヴ・ホッパーのソロ。参加メンバーにはショーン・オヘイガン、チャールズ・へイワードらの名も。全編インスト(ショーン・オヘイガンの自作曲では本人が少し歌ってる)で、何とも言いようのないサウンドなのです。サンプラーの、ガコガコした変なリズムを軸にアコーディオン、マリンバ、グロッケンシュピール、フリューゲルホルン、クラリネット、チューブラー・ベルズなどなど、多種多様のアコースティック楽器が登場。エスニックと言うのかワールド・ミュージックと言うのか、ユーモアの尺度が違うリアル・フィッシュと言うのか・・・。田中雄二氏は“イギリスのホルガー・ヒラー”と形容していましたが、それもある部分では納得。掴み所のなさでは一緒。
<05/05/01 (土)>
ゴールデン・ウィーク3日目。今日はユニオン攻めで行こうと決意。
まず渋谷へ行って、以前たけしたさんに連れていってもらってお気に入りのお店になった回転寿司屋「びっくり寿司」へ。ここはメチャクチャ美味いのに、まだ行列になってるのを見たことがない穴場のお店です(とは言え、某テレビ番組の回転寿司特集のランキングで5位ぐらいに入ってた)。でもいつも2、3席しか空いてないですけどね。僕が行ってしばらくすると行列になったりするんですけど、客の回転も早く、気がつくと座って食ってるという感じ。やはり個人的にはサーモン(鮭)が大好き。あと最近玉子も美味くてよく食いますね(他の皿と同じ値段というのを考えるとちょっとアレですが)。でも玉子は「大江戸」の方が瑞々しくて美味いかなぁ。ウニは「びっくり」の方がてんこ盛りでとにかくビビります。
で、渋谷はとにかく人が多く、もともと「びっくり」に行きたかっただけでレコハンする気はなかったので食い終わった後はそそくさと井の頭線に乗って下北沢へ。しかし相変わらず下北の駅は汚くて狭くてゴチャゴチャしててキライ。出口もいまだによく分からんし(♪下北にも慣れたし♪とはイカンな)。まず、手始めに「イエロー・ポップ」を覗く。ドアが自動ドアになってましたが、これ、ちょっと変ですよ。最初ビックリした。
- FRONT 242 『フロントbyフロント』 ('88) CD \1,575
・・・やっと買えた日本盤。昔はこのテの音は苦手だったんですが、今はもうスンナリ。カックイーですね。後期のよりこの辺の音の方が好きだな。ボーナス・トラックとして5曲追加収録されています。ほとんどがメロディーを排した、メタル・パーカッション炸裂のクラブ仕様。
続いて、「ディスクユニオン下北沢店」へ。
- GINO SOCCIO 『OUTLINE』 ('79) LP \105
・・・「テッチー」のジョルジオ・モロダー特集ページで、ミーコやリップスと一緒に紹介されていたのがこのジノ・ソッチョという変な名前の人。いわゆる初期シーケンス・ディスコもの一派ということですね。ジャケのテクノ度は高いものの、サウンドはモロダーみたいなのを期待して買うと肩透かしくらいます。シンセのシーケンス・フレーズは出てきますが、それ以外の部分(生演奏部分)の比率の方が高く、ザッと聴いた印象では普通のディスコものという感じ。BAは中でもテクノ度はわりと高い方かな。ちなみに全5曲。これはCD化もされてるので入手はわりと容易。ちなみに僕チン、「踊ろよダンス」という邦盤シングル持ってます。
- LUDUS 『THE SEDUCTION』 ('81) LP \588
・・・昔、何かの雑誌で紹介されていたニューウェイヴ系オムニバス(たしかテレックスが入ってた)に、このLUDUSというバンドの曲も収録されていて、一応名前だけはメモって憶えていたのです。で、買ってみましたが、どうやら女性3人(4人かも)組のギター・ニューウェイヴ・バンドでした。テクニック的にはちょっとおぼつかない部分もあるものの、ヘタうまとは言い切れない感じ。結構即興っぽい変なこともやってる。ギターの音は、ときたまフレッド・フリスしてたりロバート・フリップしてたり。まあまあオモロイ。
- ROSS 『ROSS』 ('74) LP \840
・・・「ストレンジ・デイズ」2001年1月号、78ページ参照。何とも言いようがない表ジャケのヒドいイラストや、裏ジャケに写るメンバーの風貌からして「どんなB級ハード・ロックだろう」と思ってたんですが、かなりファンキーなブリティッシュ・ロック・バンドだったんですね。A@冒頭、チャカチャカしたギターのカッティングにドラムとベースが絡むところなんて「お、カッコイー」と思ったんですが、A面、B面とだんだん聴き進んでいくうちに冒頭で感じた興奮は次第に冷めていってしまいました。全体的に、アレンジとギターソロが暑苦しいのです。アレンジも、もうちょっと音を整理した方がいいのにな、というぐらい厚ぼったいのでげす。これを聴いた後、某レコ屋でこのバンドの他のアルバムを見かけましたが、買う気はまったく起こりませんでした。
- THE FLYING LIZARDS 「DIZZY MISS LIZZIE」 ('84) 12" \1,260
・・・アルバム『TOP TEN』からのシングル。A面にはタイトル曲に続いて曲間なしで「DIZZY」という曲が。これはカニンガム作になってますが、リミックスみたいなものです。B面は「GYROSTATICS」1曲のみしかクレジットされてませんが、4曲入ってます(曲間も開いてる)。組曲的なものでしょうか。プログラム済みのリズムの上に、様々なサンプルネタが飛び交うというもの。特に新鮮味無し。
その後下北沢を出て小田急線に乗って町田へ。「オスカー」にも寄ろうかなと思ったものの、直行で「ディスクユニオン町田店」へ。ここはわりと広々としてて好きですね。ただ照明(ライト)のせいか、暑い暑い。
- CHICK CHURCHILL 『YOU & ME』 ('74) LP \840
…「ストレンジ・デイズ」2000年7月号のニッチ参照。元テン・イヤーズ・アフターのキーボーディストのソロです。テン・イヤーズ・アフターってのも、聴きたいと思いつつなかなか手にすることのないバンドです(でもニッチで紹介されていたアルヴィン・リーのソロは聴いた)。TYAの方を聴いてないのに、メンバーのソロを2枚先に聴いてしまう、ってのもどうかと思いますが(これぞニッチ・マジック)。本作はキーボーディストのソロということもあって、ピアノをメインにした、ちょっと渋めのロック・サウンド。ドラマーはコージー・パウエル。ヴォーカルは1曲だけ本人で、他はアイズ・オブ・ブルーのゲイリー・ピックフォード・ホプキンス(う〜ん・・・知らん)。全体的にはハッキリ言って地味かな、と。雰囲気はいいんですけど。BCのインストのブレイクの部分(ピアノのフレーズ)は、スモール・フェイセズの「ティン・ソルジャー」(トッドもやってた)みたいです。
- レスリー・マッコーエン 『愛の肖像』 ('80) LP \210
・・・「ストレンジ・デイズ」2001年1月号、76ページ参照。元ベイ・シティ・ローラーズです。上のチック・チャーチルに続いて、BCRのアルバムは1枚も持ってないのにいきなりソロから(^_^)。ソロと言うか、実際はレスリー・マッコーエンズ・エゴ・トリップというバンド名義。いやしかし、これなかなかよござんすよ。モダン・ポップとパワー・ポップとニューウェイヴのアイノコみたいな音なんです。「COMPUTER
LOVE」なんて曲や「SAYONARA」なんてのも(でも過剰な期待はしない方がベターよ)。ただ、すごく音がペラペラ。低音が全然出てない〜。で、時代柄ニューウェイヴ的なものを意識したのか、メンバーの担当楽器のクレジットがそれぞれ“GIGANTIC
GUITARS”、“KRYSTAL KEYBOARDS”、“ACE
BASS”、“SEXAPHONES”となってるんですが、なぜかドラムだけ“DYNAMIC
DRUMS”になってる。ひ、ヒネリが足りん。で、そのKRYSTAL
KEYBOARDSを担当している人が“ROBOT PARK”というスゴイ名前。これはちょっといかがなものかと。
- ジョン・キーティングと電子オーケストラ 『シンセサイザーによる愛のテーマ』 ('74) LP \420
・・・「電子音楽イン・ジャパン」の207ページ参照。原題は「HITS
IN HI-FI」。その名の通り、ヒット曲のシンセ版。邦題にもあるようにバリー・ホワイトの「愛のテーマ」(パール兄弟「100度目のBYe-Bye」でも可)、カーリー・サイモンの「うつろな愛」、レオ・セイヤーの「道化師の孤独」、あとキャロル・キングの歌など。オリジナルも1曲アリ。ザッと聴いた印象は、デパートのBGMといった感じ(^_^)。しょ、ショボいわ〜。ま、一応シンセ黎明期ものの資料としてとりあえず聴いといた次第といったところです。
- JEAN PAUL GAULTIER 「HOW TO DO THAT」 ('89) 12" \210
・・・トニー・マンスフィールドがプロデュースした、有名デザイナー(^_^)、ゴルチエのシングル。イギリスのBBCでのゴルチエへのインタビューから、トニマンがゴルチエの発言をサンプリングして、「ま、とりあえずハウス仕立てにしてみたんですけど」というもの(じゃあゴルチエ自身は何やってんの?名前と顔貸しただけか?いちおう共作名義にはなっているものの)。'89年ですから昔のトニマンのキラキラ・ポップ・サウンドを求めるのもアレですが、こりゃあトニマンだとは言われなければ分からないかも。言われても「ホント?」と疑ってしまうほど匿名性の高い音。この曲のヴァージョン集としてアルバムも出て(邦題が『ハウス・クチュール』ってのもいかがなものかと思うが)、そちらにはアート・オブ・ノイズのJ.J.ジェクザリクも参加。でも、あえてトニマンやAONのファンだから言うけど、'89年にしてその人選はゴルチエっちゅーブランドを考えると、ちょっと遅れてるんじゃなかろか・・・とも思われますがどうでしょう。ゴルチエなんて既に最先端じゃなかった、と言うなら別の話なんですが(ゴルチエ自身には何の興味もありませぬ)。
- マルティカ 「ウィ・アー・ミュージック」 ('87) 12" \157
・・・ソニー・オーディオ・カセット・キャンペーンのCMソングだった曲。数人の外人の子供たちがハデな格好をしてロック・バンドもどきを演じてる、というような映像でした。別ヴァージョンでは黒人の子供たちがドゥーワップ風ヴォーカル・グループの真似をしてるのもありました。で、歌ってるのは外人のマルティカという女のコ(10代後半くらいか)で、このコはCMには出てなかった様子。で、なんでこんなの買ったかというと、作曲がタケカワユキヒデという(^_^)。それだけ。あぁ、“またか”という声が・・・。曲そのものはいかにもこの人らしい元気ポップス。アイドルっぽい。もっとマッカートニッシュなメロディーを期待してたんだが。
続いて、横浜線でちょっと行って「ディスクユニオン淵野辺店」へ。なんかやたらすいてた。大丈夫なのかココ。ただレコは収穫多し。ココはホント、中古レコの値付けする人が個人的にエレポップやニューウェイヴ系が好きじゃないんじゃないか、というくらいソレ系が捨て値で、\300前後ばっかり。自分が既に持ってて大好きなレコが捨て値だと悲しいものがありますがね。でも持ってないのが捨て値だと嬉しいものです。ただ、ニューウェイヴの中でもポップ・グループ周辺とかのオルタナ系は高いのですね。マーク・スチュワートの1stソロが\4,800もするとは。
- フリーウェイ 『トロピカル・フリーウェイ』 ('79) LP \2,940
・・・「ストレンジ・デイズ」2001年4月号、67ページ参照。ザ・バーズやポール・リヴィア&レイダースなどのプロデューサーでもあり、ビーチ・ボーイズのブルース・ジョンストンとのコンビで作曲活動もしていたテリー・メルチャーが、ジョン・ホブスというキーボーディストと組んで制作したアルバム。いや〜、最近ニッチものってハズレが多かったですけど、これは久々の大当たり!!取っ付きやすいポップスの王道的メロ(フックでの転調多し)と、いかにも“職人の仕事”という感じのサウンド・プロダクションの完璧さ。んでまた音が厚い。コーラス部分などにビーチ・ボーイズらしさがかなり感じられます。とは言えビーチ・ボーイズに詳しくない僕チンは、クリス・レインボウあたりを想像してしまったのですが。“フリーウェイ”なんて名前だから、アメリカンなカラッと乾いたバンド・サウンドかなと勝手に想像してたんですが反対で、こりゃ密度の濃いスタジオ・ワークの賜物。すばらしい。プロの技。原題はただの「FREEWAY」なのに、邦題に“トロピカル”を付けちゃったのはいただけない。特別トロピカルな音でもないのに。しかし、そんなこと内容の素晴らしさには関係ないこってすよ。王道ポップス好きには絶対のオススメ。
- ザ・ツーリスト 『地下室の灯』 ('81) LP \630
・・・こないだ買ったばかりなんですが、また買いました。と言うのは、こないだ買ったのを家帰ってよく見たら帯の裏の部分がなく(要するに“帯”の役割を果てしてない)、帯の前面部分だけしかなく、しかもジャケにベッタリ貼り付けてあった(▼▼メ)。まぁ買うとき裏ジャケを全然チェックしなかったのが敗因なのですが。日々是精進也。
- ブラマンジェ 『マンジェ・トゥート』 ('84) LP \105
・・・2nd。『Mange Tout』とはフランス語で、英語で言うと「Eat
All」の意味だとか。「イギリスでは食い意地のはった欲張りな野郎のことを“Eat
All”って言うんだ」「“Mange Tout”と“Blancmange
Two”をひっかけたっていうわけさ」ということらしい(^_^)。で、内容は軽〜いエレ・ポップてんこもり。どの曲も堅苦しい部分がまったくなく、実にアッサリめに仕上がっております。シングルで聴いて好きだった「ブラインド・ヴィジョン」なんかもアルバム通して聴くと、他の曲とサウンドが似通ってるせいか、どうも印象薄。もっと「なんじゃこりゃ」的な部分があってもいい気がしますが。
- フラッシュ&ザ・パン 『アーリー・モーニング・ウェイク・アップ・コール』 ('85) LP \315
・・・'85年の4枚目。「テクノポップ/エレポップ」本でも紹介されていたアルバムです。僕は1stを除いて2nd、3rdは聴いたんですが、あまり面白いとは思わなかったんです。メロディー感覚が希薄で(喋ってるようなヴォーカル)、ほとんど同じに聴こえちゃったんで、今回も大して期待してなかったんですが・・・・。なんですかこれは!メッチャメチャポップぢゃあ〜りませんか!別バンドのようですよ〜うほほ〜い。どアタマからELOにも通じる厚ぼったいサウンド+ロバート・パーマーの「ジョニー&マリー」を思わせるメロディーのタイトル曲から始まって、もうそこで“当たり”の予感が。で、次から次と全部シングルにも出来そうな曲ばかりが続くんでござんすよ、こりゃまた。AAとACは、ひとつのリフで押し通す、ELOでもやりそうなロックンロール調のポップな曲。これまた音が厚い。ADもまた超ど級のエレ・ポップ・ミュージック。「そこまでやらんでも」というほど隙間をシンセ等で埋め尽くしたサウンドと、息つかせぬ展開(単にブレイクがないだけなんですが^_^)にまいっちんぐです。反してB@Aは音を薄めにした、ちょっと妖し気な曲調。BBはシブイ。ハードボイルド・ポップ。BCはいきなりユーロビート調で始まる。ゲリマンの『MACHINE&SOUL』に同じAメロの曲があったぞ(^_^)。サビはなぜかラテン歌謡調に。これは日本人ウケしそうだわ。・・・いや〜しかし、ほんっと曲作りがウマイ。ベテランの本領発揮といったところでしょうか。1曲に必ずいくつか“売り”になる部分が出てくるからね。まぁ、ちょっと“これどっかで聴いたような・・・”っていうのもあるんですけどね(^_^)。でもそこがまた、入りやすいワケでして。ともかく、これは大当たりの大ポップ・アルバム(断言)。とにかく聴いてみるべし。
- チャイナ・クライシス 『天上の楽園』 ('86) LP \105
・・・クライヴ・ランガー&アラン・ウィンスタンレーによるプロデュースで、4枚目。ウォルター・ベッカーがプロデュースした前作『未完成』(この邦題って勘違いのモトだとおもうがいかがなものか)は、モロにスティーリー・ダン〜プリファブ・スプラウト的なサウンドながらも、かなり好きだった記憶がありますが、本作はプロデューサーが変わっても出てくる音の印象は同じ。でも、曲そのものがあまりいいのがないかな〜と。ユッタリマッタリとした、青きAOR的世界。FM向けという感じです。BBCはなかなか軽やかな元気ポップスでグーですが、アルバムとしてはイマイチ。
- Section 25 『フロム・ザ・ヒップ』 ('84) LP \840
・・・ファクトリーからリリースされたアルバムで、、プロデュースでニュー・オーダーが変名で参加しています。B@「プログラム・フォー・ライト」みたいな、「ブルー・マンデー」とコニー・プランク系エレクトロ・ビートを足したようなカックイー曲もあります(特にブレイク部分のスネアは「ブルー・マンデー」そっくり)。ただ'84年なので、どっちかと言うとジョイ・ディヴィジョンや『権力の美学』あたりに近く、エレクトロ部分に着目して聴くとちょっと消化不良気味かなと。アシッド・フォークみたいな曲もあるし。でもBC「インスピレーション」はかなりニュー・オーダー的な胸キュン・メロでかなり好きです(ちょっと長すぎる気もするが)。女性ヴォーカルと男性ヴォーカルがほぼ半々で出てきますが、女性Voのフワフワした声質はちょっとプリファブ・スプラウトのウェンディー嬢を思わせます。
- キャバレー・ボルテール 『クラックダウン』 ('83) LP \1,260
・・・発表当時はかなり酷評されていたアルバム。たしかに初期と違ってずいぶんポップになった感じはある。ACみたいな妙に明るいメジャー・コードの曲もあるし。でもその後に色々ポップなアルバムも出たし(『CODE』とか『GROOVY,LAIDBACK
AND NASTY』とか)、それらと比較するとまだ初期の雰囲気を引きずってる部分も。今となっては“エレクトロ黎明期の作品”として聴けばけっこうイケるはず。僕は好きです。と言うか、CVで嫌いなアルバムってそんなにないんだな。
- アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン 『新人類』 ('85) LP \1,008
・・・ノイバウテンなんて久々だ〜、聴くの。でもこのアルバムはたしか初めて聴く。「ユー・グン」の12インチは昔レンタルで聴いたような気がするな(でも録音しなかった^_^)。ノイバウテンって、聴いてるときはカックイーと思うんだけど、聴き終わると意外と印象に残らないんです。特に「A面の○曲目が良かった」とかそういうの絶対ない(^_^)。本作の原題『Halber
Mensch』と同じビデオ(石井聰互監督)がありましたが、映像のインパクトに比べるとアルバムとしてはちょっと弱いかな〜。嫌いではないんだけどね。しかし一時期よりずいぶん安くなったね。
- アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン 『同時空間(ノイバウテン震度5)』 ('87) LP \1,008
・・・こっちも「おぉ、安ぅ!」と思って買いました。・・・で、家帰ったら持ってた・・・(T_T)。やばいなぁ、最近多いぞ。しかも昔のノート(レコ購入日記=Disc
Diary=盤記、と呼んでいる)を調べたら、同じ淵野辺ユニオンで買ってたというお粗末(
。_ _)。バタッ。久々に聴いたらほとんど憶えてなかったし。だけど『新人類』よりこっちの方がいいかなぁ。ちょっとデペッシュっぽい音もあったりしてね(ガレス・ジョーンズだからでしょう)。
- ジ・アート・オブ・ノイズ 『Re-Works of Art
of Noise』 ('86) LP \1,050
・・・本国イギリスでは『イン・ヴィジブル・サイレンス』のオマケだったアルバムを、日本では単独アルバムとしてリリースした企画盤。A面に「パラノイミア」7インチ・ヴァージョン、「レガシー」12インチ・ヴァージョン、「ピーター・ガン」12インチ・ヴァージョンを収録。これはまぁいい。問題はB面。ハマースミス・オデオンでのライヴが収録されています。・・・これが強烈にショボい。真っ白。当時聴いたときも「ぅわ〜やっぱりライヴはダメか〜」と思ってたのだが、それは今聴いても同じ。「久々に聴いたら意外とイケた」になるかな、と思ってたのだが・・・。スタジオ録音のアルバムは、トレヴァーから離れた後のも全部大好きなのだが、これは・・・キツイ。だが、日本でだけCDまで単独リリースされた本作を、海外のアート・オブ・ノイズ・マニアは血眼で捜しているそうだ。いやはや御苦労様なこってす(とは言え売ってたら買うが^_^)。でも中学時代からの友人が持ってるので、いつか頂戴してやるつもりです。
- ポポル・ブー 『アギーレ(神の怒り)』 ('84) LP \840
・・・同名映画のサントラ盤。発表されたのが'84年と言えども、映画の公開は'72年で、本作のレコーディング期間は'71〜'73年。「ん?'73年?」と言う方もいらっしゃるでしょうが、このアルバム収録曲のうち、実際映画に使われたのはA面だけとのこと。しかも独Ohrレーベルのオリジナル盤とは別編集盤らしい。以前ポポル・ヴーについて調べたことがあるんですが、ポポル・ヴーってこういうのすごく多いみたい。で、聴いてみたらA面に聴き覚えのある曲が。なぜか2nd『ファラオの庭で』の2曲「Vuh」と「In
Den Garten Pharaos」が収録されていました(もちろん抜粋ヴァージョン)。あと『ホシアンナ・マントラ』の「Andacht」も2ヴァージョン入ってます。B面はギターなどをメインにした、ちょっと民族音楽的(インドっぽい)な曲など。
- V.A. 『だいじょうぶマイ・フレンド』 ('83) LP \840
・・・村上龍原作・脚本・監督による同名映画のサントラ。映画は未見。ま、映画の方は「見ろ」と言われても見る気は起きない、ムチャクチャつまらなそうなシロモノですが、教授が「ドアーズのテーマ」という曲を提供しているので買ったのです。サントラは加藤和彦が音楽監督、清水信之が音楽を担当(この“音楽監督”と“音楽”の違いってなんなんだ)。タイトル曲を、出演者でもある広田玲央名(BSの細野晴臣イエロー・マジック・ショーで、奥さん役で出てた人ですね)と乃生佳之(トシちゃんの「抱きしめてTONIGHT」のバックで踊ってた人)が歌っています。しかし両者ともヘタですな・・・。この曲は、渡辺裕之(筋力トレーニング大好き俳優)が歌ってるヴァージョンもあるんですが、残念ながらそれは未収録。これがまた超脱力ヘタクソ・ヴァージョンでして、そのテが好きな人にはオススメです。・・・と思ってたらその渡辺裕之が歌う、超へなちょこロックンロール・ナンバー「スーパー・ジルバ」という曲が!!!な、なんじゃこりゃ〜〜!!!
いや〜・・・この人すげェわ・・・(呆然)。これがまた、歌唱に合わせてアレンジしたのかというほどペラペラな打ち込み(清水さ〜ん、手抜いたでしょ〜)。う〜む・・・声帯は筋力トレーニングでは鍛えられないもんなんですね(しみじみ)。で、教授の曲は、ウルトラヴォックス系8分ベースで始まり、ホワ〜としたシンプルなメロディーが出てくる。シンセはちょっと歪み&ノイジー系。ドラムも多分本人(上手くない)。シンセの音色だけで見ると、'81年あたりの教授っぽさを感じます。でもまぁ、聴いたら「こんなもんか〜」って言うでしょうな(^_^)。シンプルで音数の少ないインストものでした。
- N.M.L. 「ZERO LANDMINE」 ('01) 12cmSingleCD \1,470
・・・説明不要・・・ですわな。まぁテレビの方も見たけど、感想とか批評をするとキリがないのでやめまときます。単純に「お、YMOが揃っとる」とか「この声クラフトワークやんけ!」とか「ヤマタカEYEは何をやってんだろう」とか「CHARAの声って聴こえねぇな〜」とか、感想はそんなもんでござんしたね。でも一番大きなのは「・・・教授って変わったな〜」といったところでやんすか。細野さんのベースが入ってくるところでかなりグッと来るんですが、こうしてCD買ってもほとんど聴かないですね(^_^)。ヴァージョンは違えど同じ曲6曲もあるし、長いしね。
第34回
<03/20/01 (火)> 前回の続き
その後、「ディスクユニオン神保町店」に行くものの収穫なし。続いて、「富士レコード社古書センター9階店」へ。このビル内にある中野書店には中学〜高校の頃よく来てました。当時は手塚治虫の古本が目当てでした。実は高校の頃は手塚治虫のファンクラブに入ってたくらい入れ込んでいたのです(^_^)。サイン&握手会とかも1回行ったことあるし・・・(ってちょっとイタい?)。ま、僕が握手してわりとすぐに死んじゃったんですが(-_-;)。と言っても握手会の最中に死んだわけではありませぬ。で、ここは第1・3日曜定休ということであまり来ることはないんですが一応探索。SP盤や歌謡曲系、ムード・ミュージックなどがてんこ盛り。ポップ〜ロック系はLPだと\1,500前後が多い。レア盤もそのくらいの値段だったりしますが、逆にユニオンだと\300くらいのもその値段で売ってます(ハワード・ジョーンズ、フィル・コリンズなどの80'sモノも)。
- アゴ&キンゾー 「世界最強の愛のテーマ!!」
('82) 7" \840
・・・秋山道男作詞、高橋幸宏作編曲によるシングル。“お笑い”のコーナーにて発見。こんなの初めて見つけましたが、ま〜地味な曲だこと。まぁたしかに幸宏氏っぽいテクノという感じはしますが、お笑いの曲でなぜこんなマイナー調の曲を書いたんでしょ。予想としては、お笑いの曲だからもっとフザけた感じの曲だと思ってたんですけど。チッチキチッチキ・・・♪のリズムはいかにもの幸宏節。B面も同じ布陣による曲ですが、こちらもまた地味。サウンド的には、スーザンなんかに通じるものがありますが、あちらに比べるとかなり薄味です。
どういう経緯で幸宏氏とアゴキンが絡むことになったのか不明ですが、バップ・レコードからのリリースということを考えるとビート二クスのスタッフに誰かアゴキン関係者でもいたのでしょうか。
- エレクトリック・コネクション 「グルーヴィー(サウンズ・クリエーションのテーマ)」 ('79)
7" \840
・・・全然知らないレコですが、グループ名と、あとレーベルがモロダーがいたCASABLANCAだったのが気になって購入。ジャケ裏の解説を読むと、“シンセサイザー、ヴォコーダーをたっぷりフィーチャーしたエレクトリック・コネクションを率いるマイケル・ボディッカーは・・”とあり、ますますソソられる。で、このバンドは、そのマイケルを中心にした5人組。・・で、聴いてみたんですが・・。全っ然グルーヴィーぢゃないぞ(怒)。もっとディスコとP-ファンクを足したようなブリブリのシンセ・ファンクを期待したのだが。マイナー調の曲で、ヴォコーダーを使ってるだけの、単なる歌モノ。テンポもゆ〜ったり。なんだよ〜ガックシ。B面に期待したら、A面とほとんど同じ曲調。この人、こういう曲しか書けないんじゃなかろか、と疑ってしまうほど。・・・ほげげ〜。こういうレコは、俗に「失敗」と言う。精進せねば。
- リーナ・ラヴィッチ 「イッツ・ユー・オンリー・ユー」 ('83)
7" \840
・・・アルバム『ノー・マンズ・ランド』からのシングル・カット。このアルバムは持ってたはずだけど、そんな聴き込んでもいないので、当然この曲も全然聴き覚えがなかった。マイナー調のニューウェイヴ・ロック。悪くない。サビのバックで鳴ってるヒヨヒヨ・シンセ音は「ローハイド」そのまま。B面「フェイセズ」も同アルバムから。しかし、この人って当時、二ナ・ハーゲンと比較されたりしたけど、今聴くと全然普通だなぁ。ハーゲンは今聴いてもかなりイッてるけど。
- レッド・ボックス 「リーン・オン・ミー」 ('85)
7" \630
・・・そのむかし、'89年の「POP IND'S」No.25でのBEST
POP ALBUMS 100選というページで取り上げられていた『フォー・アメリカ』というアルバムからのシングル・カット。アンディ・パートリッジが書きそうな、ちょっとトラッド風味のメロがいい感じのポップな佳曲。声もアンディ・パートリッジによく似てる。合唱も取り入れて大仰に盛り上がります。B面の「スティンギング・ビー」はアルバム未収録曲。こちらはA面と違いトラッド色は薄いけど、かなりポップな曲。しかし、アルバム1枚しか出してないのかな。すごく好きなんですけど・・・。短期間で解散してしまったのが惜しまれます。
- ツインズ 「フェイス・トゥ・フェイス」 ('83)
7" \630
・・・Sven Dohhrow[Key]とRonny Schreinzer[Vo,Dr]の2人から成るドイツのエレ・ポップ・ユニット。これは'83年のシングルで本邦初発売だったようですが、この時点で既にアルバムを2枚リリースしていた様子。買った理由は、ジャケにTR-808とPPG
WAVE 2.2が写ってたからです。メンバー2人のルックス、というかファッションについては、まったく普通の会社員風。化粧もしてないようです。曲自体は、ハッキリ言って個性ゼロ。初期デペッシュとかウルトラヴォックスとか、色んなモノを足した感じ。ちょっとユーロビートに繋がるような下世話さも。B面「ニュー・デイズ・ニュー・ウェイズ」('83年でこのタイトルというのはちょっと・・・)もサウンド的にはいいんですが、メロディーそのものの印象が希薄。
- ザ・モー 『タンゴポップ』 ('81) LP
\1,890
・・・今年の1月に買ったレコですが、その時のは帯ナシだったので、帯付きのを買い直し。帯に書いてあるコピーは、“今 妙に気になるEuropeから 妙に気になるSoundが-”、“トッテモMODERN トッテモSMOOTH ソシテDEMOCLASSIC”(下線部そのまま)。・・・ん〜・・・。ま、コピーはともかく、内容はメチャ良しです。妙にスカスカしたサウンドですが、メロディーのヒネクレ・ポップぶりが凄い。特にBA「ありのままの私」とか、最初聴いたときは衝撃でした。この、なんとも足元がおぼつかない妙な感覚(お、帯のコピーと同じこと言ってる)。ホント変わってます。かと思うと、AA「レット・ミー・アウト」やBB「フレッド・アステアのように」のように、いかにもヨーロピアン・ポップス調の、日本人ウケしそうなマイナー調の曲もあって、さすがです。
続いて、同じ「富士レコード社本店」へ。ここもだいたい似たような傾向の品揃え。実は今回お茶の水に来た目的は、「電子音楽イン・ジャパン」に載ってたようなシンセサイザー・ミュージックのレコが欲しかったからなのです。ですので“シンセサイザー”のコーナーや“ドキュメント”、“企画モノ”、“お笑い”、“アニメ”、“サントラ”、“日本のフュージョン”など普段はほとんど見ないコーナー中心に探してました。意外と見つからないものです。で、最後の最後でやっと1枚発見。
- 東海林 修 『夜間飛行』 ('79)
LP \1,890
・・・「電子音楽イン・ジャパン」の31ページに載っていたレコ。サン・テグジュペリの同名小説をモチーフにしたシンセ・アルバムだとのこと。この人はもともとアレンジャーだからなのでしょうか、曲自体がやけに凝っていて複雑です。同じシンセものでも、こないだ聴いた伊藤詳なんかとはずいぶん違います。いわゆるシンセものにありがちな“瞑想的”な感じはありません。ま、どうしても多分にドキュメンタリーちっくな部分はありますが。大野雄二『生命潮流』を聴いたときも、予想以上に良かった記憶がありますが、これもそう。東海林スタジオ用に制作された、“スペースサイザー360”という「音を立体的に録音する装置」を使っていたり、シンセを売りにしているのは分かりますが、曲そのものだけでも充分聴けます。逆にシンセの音に注意して聴いても、シーケンス・フレーズとか、'79年にしてはかなりのモノです。
<03/22/01 (木)>
hmv.co.jpに、2月20日にオーダーしていたCDがようやく届く。しっかし、どーにかならんのかhmvの遅さは。送料が無料じゃなきゃ頼まんぞ。
- THE JAGS 『THE BEST OF THE JAGS』 ('99)
CD \1,039
・・・BUGGLEさんが「バグルズが絡んでるので買った」というので、僕も買ってみました。このジャグスというバンドは、'80年に『EVENING
STANDARDS』、翌'81年に『NO TIE LIKE A PRESENT』という2枚のアルバムをリリースして早々と解散したパワーポップ系バンド。ドラムがなぜか、あのトゥインクなんですよね〜。オドロキ。で、1stのコ・プロデューサーとしてトレヴァー・ホーンとジェフ・ダウンズが関わってるのです。このCDは、2枚のアルバム収録曲にシングル曲を追加した全21曲お得コンピ。音の方は特にバグルズっぽくもなく、例えればバリー・アンドリュースがいなくて、あまりヒネクレてない初期XTCという感じのパンキッシュなパワー・ポップです。元気です。1st収録曲の方はとにかくパワーで押し通すような曲ばかり。元気です。ポップです。テンポが皆似ています(^_^)。2ndの方はアレックス・サドキンがプロデュースということもあって、若干音にヴァリエーションが出てきたかな、という感じ。でもKとか、ホントにXTCによく似てる(「トラフィック・ライト・ロック」みたい)。一転してSなんかはちょっとセイラーっぽい、アタマ打ちのリズムによる行進曲調。最初ジャケを見た時は「・・・ニッチな感じだな〜」と思ってしまった。何を意味してるのか分からんし、お金も全然かかってないですね、これ。服装もちょっと、ね。
<03/24/01 (土)>
同じくhmv.co.jpに3月15日にオーダーしていたCDが到着。これは珍しく早かった。なんなんだこの差は。
- ダニー・カーワン 『ラム・ジャム・シティ』 ('00)
CD \2,625
・・・中期フリートウッド・マックのギタリストだった人で、アルコール依存症でバンドをクビにされたというダメな人。ただし、ソングライターとしては話は別。ニッチで3枚すべてのソロが紹介されていて、ずっと気になってたのです。すごく欲しくて、GEMMでアナログ買おうかな、と思って検索したら意外と高値で、じゃあ輸入CDでいいや、と思ったら全然CD出てないし・・。で、タイミング良く「ダニー・カーワンのCDが出る」というのでチェックしたみたところ、タイトル見たら3枚のソロとも違うし、「・・・もしや新譜?」と思ってたら、1st『Second
Chapter』を中心に、未発表テイクなどを追加した編集盤とのこと。どうせ編集盤出すなら3枚のソロからまんべんなく選曲してほしかったというのが本音だし、もっと言えばオリジナル全部CD化してほしかったトコですが。しかし、これがものすごく良い!こんないい曲書く人だったのね〜。レゲエやカントリーなど色んな要素を取り入れた、実にポップな(でもなんとなく素朴な)いい曲ばかり。中でもいいのは、F「ホット・サマー・デイ」とG「セカンド・チャプター」、K「ラヴリー・デイズ」。他の曲と比較するとシンプルで地味な曲ながら、SSWモノ風なメロディーの良さが際立つ佳曲。このCDはここ最近ホント良く聴いてます。カーワンがいた時のマックのアルバムは全然持ってないんですが、かなり聴いてみたい(リマスター再発希望)。3枚のソロを出した後はまったく音沙汰がなくなったようなんですが、「レコ・コレ」でのマック特集号によると、「'89年頃にホームレス救護院で生存が確認されて以来、消息を絶っている」という、シド・バレットにも劣らぬムゴイ現実。今でも生きてらっしゃるのでしょうか。あと、グル・グルのエンケなんかも生きてるのでしょうか。
- 『ユーロック●ゴールデン・エイジ〜ユーロピアン・プログレッシヴ・ミュージックの歴史』 ('01)
CD-ROM \3,360
・・・アメリカで'73年から刊行されていたプログレ雑誌(ファンジン)「EUROCK」を全号データベース化したCD-ROM。もちろんすべて英語のままなので、読みたい記事だけをヒーコラ言いつつ解読し、後は珍しい写真なんかを見てはキャイキャイ言っとります。で、それだけなら大したことないんですが、買った最大の動機は映像部。アモン・デュールU、ポポル・ヴー、アーバン・サックスのライヴ映像を収録しています。デュールは「Eye-Shaking
King」で、レナーテ・クナウプがいないのが残念ですが、かなり熱のこもったサイケな演奏がイカす。ポポル・ヴーもテレビ用のライヴ映像で、「Affenstunde」を収録。サイケな映像処理は古くさくもありますが、この独特な感じもいいものです。動くフリッケなんて初めて見た。アーバン・サックスは大して興味がなかったので期待してなかったのですが、9分近くもあるライヒっぽいミニマルな曲で、かなり引き込まれました。ちなみに日本でのライヴの模様。で、雑誌の記事で面白かったのは、日本のアーティストを取り上げたのもあって、喜多郎などのあの辺のシンセものを、“ZEN
ELECTRONICS”という括りで紹介していたこと。なるほどね。いい響きだな、これ。禅と捉えたか。
同日、yahoo!オークションにて落札したCD-ROMが届く。実はこれは、結果的には二番手で落札出来なかったのですが、後日出品者から「もう1枚あるのでいかがですか?」とのメールが。「・・・ホントに本人か?詐欺じゃないのか?」と不安だったのですが、新たにyahoo!オークションに、一般の人が検索しにくいようなタイトルで出品してくれて(暗号みたいな説明もしてくれました)、速攻で入札し、無事落札。値段に関しては何も訊かないでください(^_^)。
- タケカワ ユキヒデ 『ハピネス』 ('96)
CD-ROM \33,000
・・・タケカワユキヒデのCD-ROM。これは発売されてからしばらく経ってその存在を知ったのですが、パソコンを持ってなかったので買わなかったのです。で、去年に「秋葉原に行けば売れ残ってるのがあるかも」と思い、行ったんですが見当たらず。仕方なく注文したんですが、後日「廃盤です」との連絡が。む〜。で、Yahoo!オークションにてようやく入手。長かった・・・。で、これの内容なんですが、エッセイ(画面には文章が書かれている本のページが出る。で、バックにはそれを読むタケの音声が流れている)、タケに関するクイズ10問(意外と難しい)、アルバム・シングル・出版物のリスト(ソロのみでゴダイゴなし)、「ガンダーラ伝説」のメドレーの順番を組み換える簡易リミックス(繋ぎ目で一瞬間があくのがツライ)、タケ撮影の写真についてのコメント(観光写真など)、インタビュー(自分の言ったことに自分でウケる人だ)、ライヴ映像2曲(モノクロ映像で、映像自体は細切れ。音はスタジオテイクで、画面とは合ってない)、ゲーム(モグラ叩きみたいなモノ)、パズル(ジャケ写がバラバラになっているのを完成させる)などなど。まぁこんなもんでしょう。正直言えばDISCOGRAPHYなんかは、ただジャケ写と曲目だけで、今となっては公式HPの方では本人のコメントもついてるので、こちらは無用。あと、ゴダ話がほとんど出て来ないのが残念。それと、リストだけでもいいから裏方仕事や曲提供リストなども欲しかった。ゲームについては、「・・・タケカワユキヒデとどういう関係が?」とは思うものの、けっこう楽しかったりする(^_^)。もっと言うと、'96年にタケカワユキヒデ・ファンでパソコン持ってる人がどれだけいたかは疑問。そもそも「タケカワユキヒデのCD-ROM」という発想自体がオカシイとは思うものの。
<04/05/01 (木)>
hmv.co.jpに、2月4日にオーダーしていたCDがようやく届く。しっかし、どーにかならんのかhmvの遅さは。送料が無料じゃなきゃ頼まんぞ。
- PERREY & KINGSLEY 『THE ESSENTIAL』
('75) CD \2,258
・・・・ペリキンのベスト盤。全部で26曲も入ってるので、これさえ持ってればほぼ大丈夫。エレクトリカル・パレードのテーマ「バロック・ホーダウン」も入ってるし(実際使われてるのとはヴァージョンが違うが)。バラエティ番組なんかで死ぬほど使われてる「THE
UNIDENTIFIED FLYING OBJECT」とか大好き。ハジメ氏も似たような曲やってましたね(^_^)。まぁ「シェルブールの雨傘」とか「ラヴァーズ・コンチェルト」とか「第三の男」とか、ちょっとトホホなモノもありますけど、これはこのテのシンセものでは仕方ない。ご愛嬌です。あと、「マシュケナダ」なんかもやってるんですが、この曲ってランドスケープの「ヨーロピアン・マン」と同じメロディーのトコが出てきますね。
続いて、先日yahoo!オークションにて落札したものが到着。出品されて2週間ぐらい経っていたのですが誰も入札せず。最低落札価格が\7,800でちょっと迷いましたが、見たことないレコだったので落札しときました。
- NEU!『ROCK ON BRAIN』 ('?) 2LP
\8,410
・・・yahooオークションにて、“ジャーマン・ロック”で検索してたらクラスターのLPが見つかり、で、そのページの「出品者のその他のオークション」をクリックしたら出てきたのがコレ。「あれ〜?さっきジャーマン・ロックで検索しても出てこなかったのにな〜」と思って再度、“NEU!”とか“ROCK
ON BRAIN”と入力してもう一度検索しても全然出てきませんでした。競争相手が誰も居なかったのはそのせいだったのでしょうか。ま、何にしろ嬉ちいこってす。最初は「ブートか?」と思ってたんですが、レッキとした正規盤ベスト。ジャケ写は思いっきり合成で、ミヒャエル・ローテルはワリとクリアな写真なのにディンガーの方は粒子が粗い粗い(^_^)。内容は3枚のアルバムから選曲された全10曲。「HALLOGALLO」が収録されてないのは解せませんが、「FUR
IMMER」とか「SUPER」なんかはやっぱりカッチョエェ。あと「NEGATIVLAND」ってのもヘンな曲で好き。
<04/07/01 (土)>
「ディスクユニオン北浦和店」にて。
- クレシダ 『アサイラム』 ('71/'01) CD \2,141
・・・「ストレンジ・デイズ」プレゼンツの紙ジャケ再発モノ。おぉ〜。これは素晴らしいですねぃ。キーフによるジャケは有名ですが、音を聴くのは今回が初めて。いかにもヴァーティゴらしいオルガン・ロックなんですけど、オーケストラも取り入れたりしてすごくドラマチック(レイン)に盛り上がります。曲自体もいいし(印象的なリフが多く結構すぐ耳に残る)、アルバムの流れもすごく練られていて引き込まれます。この辺のアルバムって、ジャケの方が印象的なのが多くて、中身がジャケに負けてる、って感じのもあったりするんですがこれは別。この2ndをもって解散してしまったというのが実に惜しいいいバンド。なんだか知らないうちにもう4〜5回も聴いてしまった。素晴らしいですぞよ。
- スティル・ライフ 『スティル・ライフ』 ('71/'01)
CD \2,141
・・・こちらも同じ紙ジャケ再発。正体不明のバンド(このバンドが紹介されるときに100%使われる決まり文句)。帯には<日本初CD化>と書かれてますが、以前MSIからCDが出てましたよね。…でもあれは輸入盤に帯と解説をつけただけなので厳密に言えば今回が日本初で当たってるのかも。本作は'71年当時は日本盤がリリースされず、'77年にフォノグラムから日本盤LPが出ています。その日本盤では@「ピープル・イン・ブラック」の邦題が「喪服の人々」となっており、ズッコケちゃん(byドリフ)になってしまいました。音はいかにも'70年代的な感じで、これまたハモンドがメインのオルガン・ロックです。ヴォーカルは、ダミ声になるとジェントル・ジャイアントを思わせる感じ。Aはちょっとゴスペル調ですね。ところでこの紙ジャケ再発シリーズ、すごく丁寧な作りで素晴らしいと思うんですが、歌詞カードがないっつーのは、何か意図があるんでしょうかね。
- 石野 卓球 「stereo nights」 ('01) 12cmSingleCD
\1,223
・・・深夜のMTV系番組で発売前に曲を聴いたとき、「お!これはかなりイケてる。80's系ですがな〜フンガフンガ。それにちょっとNASAっぽいのね」と思い、某HPにてジャケを見たところ、なんとNASAのアルバムそっくり!!うごご。「・・・もしや文敏もNASA好きなのでは・・・?」とちょっとウキウキ(ウェイクミーアップ)な気分だったのですが、後日、NASAのジャケも文敏のジャケも同じリシスキーが元ネタだったと判明。なるへそ〜。でも、このシングルのジャケは誰が担当したのか書いてないのでちょっと気になりますね。Aは、フロア向けテクノの「ヒロスエベースボールバット」。何故にヒロスエか。アシッドつながりということか(いちおう時事ネタ)。Bは「ステレオ・ビーツ」。ベースとリズムだけにした@のリミックス。ディーヴォの「ディスコ・ダンサー」がハッキリ聴こえます。
<04/17/01 (火)>
3月19日にGEMMでオーダーしたレコが到着。今回はドイツのFun
Recordsでまとめ買い。送料は6枚で約\1,770。
※(尚、GEMM等を通して買った輸入盤の値段は、カード会社の明細書を元にして日本円に換算して送料込みの値段を載せています)
- RIGHEIRA 「L'ESTATE STA FINENDO」 ('85) 7"
\230
・・・出ましたRIGHEIRA。ジャケがアイドルちっくな笑顔で、ちょっとクラクラしました。でも抱き合ってるからちょっとモーホーっぽくもあるな。アイドル的なモンなのかな。しかもこの、いかがわしい店の看板にあるような、ギトッとした独特な色使い・・・。困っちまいます。で、このシングルは、僕が持ってる2枚のアルバムのどちらにも収録されていません。やはりまだアルバムが出ているんでしょうか。気になります。で、曲としてはまあまあというトコですかな。明るいRIGHEIRA的エレ・ポップなんですけどね。短いので、盛り上がりきらないうちに終わっちゃう感じです。B面「PRIMA
DELL' ESTATE」は、A面と同じ曲で、ピアノをメインにバラード調にアレンジし直した別ヴァージョン。なかなか味わい深いでがんす。
- RIGHEIRA 「INNAMORATISSIMO」 ('86) 7"
\604
・・・『BAMBINI FOREVER』収録曲。明るくて、でもちょっと哀愁メロという、いかにもRIGHEIRAなエレ・ポップです。いや〜、後半のサビの繰り返しなどにグッと来ます。B面は、名盤1stに収録されていた「GLI
PARLERO' DI TE」。こちらもまた哀愁メロが際立つ名曲。チョコッと入るピアノが実に効果的。・・・ところで、裏ジャケ(表ジャケとおんなじ写真)の右上のトコに、“TOP
10 HIT ITALIEN”と書かれているんですが、やはり本国イタリアではけっこう人気あったんでしょうか。ルックス的には特に・・・・ですし、ジャケではアホな格好していたり、本国での扱いは一体どんなもんだったのかと考えるとますます謎は深まるばかりです。
- RIGHEIRA 「HEY MAMA」 ('84) 12" \569
・・・え〜、早くも1年ちょっと前になりますが、初めてオフ会に参加するため大阪へ行ったとき、BUGGLEさん+無頼庵さん+たけしたさんとレコハンしたとき(ホントよい思い出です)、BUGGLEさんが「フォーエヴァー2」の2階の安レコ・コーナーで見つけたのがこれ。それまで1stのジャケでの、ちょっとオシャレな感じのRIGHEIRAしか知らなかったので、この12インチのジャケ見たときは2人して「・・・こういう人だったのか〜」と苦笑したものです(しみじみ)。そのとき、力ずくでも奪い取ったろかというほど欲しかったのですが、仕方なく諦め、今回GEMMにてようやくゲット。両面ともアルバム未収録曲で(B面は同曲のイタリア語ヴァージョン)、ちょっとジャングルとかをイメージさせる妖しい導入部から入り、グッとくるマイナー調のラテン・エレポップに展開。ラテンではあっても決して汗や熱気をあまり感じさせない、哀愁メロの佳曲です。タイトなドレスを着たフェロモン系美女が、両手を頭の後ろに組んで腰をクネクネさせながら踊る図が浮かぶようです(マルシアは不可)。RIGHEIRAの曲は、聴けば聴くほどジワジワとハマっていくんですが今回もまさにソレ。イントロのバックで聴ける白玉ストリングス・シンセとか、ちょっとしたトコにグッと来るのです。
- NICK STRAKER BAND 「A WALK IN THE PARK」
('79) 7" \726
・・・「ストレンジ・デイズ」2001年4月号のニッチ・ポップで紹介されていたのが、このニック・ストレイカー・バンド。NEW
MUSIKのトニー・マンスフィールド、トニー・ヒバート(この時はヒゲがなかった)、フィル・タウナーの3人、つまりキーボードのクライヴ・ゲイツを除く3人が在籍していたのです。トニマンのプロフィールなんかでこのバンドにいたことは知ってましたが、レコを出してたかどうかまでは調べてなかった。不勉強なり。で、曲の方はちょっとディスコ入った軽快でポップな曲。初期YMOでユキヒロ氏が使っていたシンセ・ドラムのヒョンヒョ〜ン♪という音も出てきます。B面「SOMETHING
IN THE MUSIC」は、もろディスコ・フュージョンもの。歌もちょっとだけ入る。現在のニック・ストレイカーさんがジャズ/フュージョンの分野で活動していることを予見させるような、ハッキリ言って大したことない曲。
- NICK STRAKER BAND 『FUTURE'S ABOVE MY HEAD』
('79) LP \2,571
・・・で、一緒にオーダーしたのがこのアルバムで、2ndかなと思ってたんですが、ジャケのイラストはテキトーだし、右上には“Incl.
Smash Hit : A Walk In The Park”なんて書いてあるので、どうやら編集盤のようです。裏ジャケのクレジットには“Tony
Mansfield appears by courtesy of GTO Records”なんてありますし。まぁ、編集盤であれなんであれ、聴けて良かったです。A@Aはエレ・ディスコ・ポップといった感じ。でもメロディーはいい。AB「Come
Over」はNew Musik勢は誰も参加してない曲なんですが、意外なことにコレがすごくNew
Musikっぽいカワイイ胸キュン・ナンバーなのです。あとBA「Living
In My Head」では、「I Repeat」とかでトニマンがよくやってる、ヴォーカル部分をいじるワザが既に出てきていてつい笑ってしまいます。コーラス部分だけ妙に声が低かったり、別の部分では早回しのように高い声になってたり、というやつです。しかもそのコーラス部は多重録音で何人もが歌ってるように聴こえ、しかもちょっと声がグニャッと歪んでるというお得意のパターンです(^_^)。でもこの曲にもトニマンのクレジットはない・・・。何故に。次のBB「Play
The Fool」は個人的に一番好きな曲で、教授っぽいコードのリフから始まり、ちょっとディスコ〜フュージョン的な歌モノなんですが、とにかく何とも小気味よいのです。7thや9thを多用している(と推測している)コードとか、グッと来ます。ま、とにかく。トニマン・ファンの方は一聴してみることをゼヒおすすめしますです。コンピCDなんかも数枚出てたみたいですし。・・僕チンも探すぞ。
- RHEINGOLD 『R.』 ('82) LP \1,364
・・・カール・バルトスのユニット、ELEKTRIC
MUSICの1stに参加していたLothar Manteuffelがやっていたジャーマン・ニューウェイヴ・バンドの2ndアルバム。メンバーはLotharのほかはBodo
Staigerのみの2人組で、本作発表後に女性ヴォーカリストBrigitte
Kunzを加えて3人組になっています。で、本作はドイツのニューウェイヴ系バンド6組を集めたオムニバス・アルバム『ドイツ〜新しき波』にも収録されていた名曲「FAN
FAN FANATISCH」から幕を開けます。前に前に突進していくような、ほとんど初期DAFと言ってもいい(「Nacht
Arbeit」に近い)、パンキッシュなカッコよすぎる曲です。他にもAABは、カンのスタジオでレコーディングされ、ミックスはコニー・プランク立ち会いのもと、コニーズ・スタジオで行われています。ちょっと粗い、いかにもなサウンドで、一発でシビれます。B面3曲は全編インストで、後半やや実験的な展開になりますが、全体的にはポップで聴きやすいです。歌を入れても別に違和感はないですね。なお、本作は『Der
Fan』という映画のサントラ盤だとのこと。一体どういう映画なんでしょう。
<04/18/01 (水)>
hmv.co.jpにてオーダーしていたCDが到着。\990セールだというのでオーダーしたというのに、到着まで2ヶ月もかかった(2月18日に注文)。まったく相変わらずですな、ココは。
- 『ELECTRIC DREAMS』 (84) CD \1,039
・・・なぜかニッチでも取り上げられてしまった、同名映画のサントラ盤。世間一般ではB級映画と言われているですが、BUGGLEさんにとっては思い入れのある映画のようです。僕は映画の方は未見で、サントラ聴くのも今回が初です。ジェフ・リンの「恋するビデオ」のシングルは持ってますが。そのジェフ・リンの曲はさすがに良くって、何度も聴いてしまいます。音が分厚い〜。もう1曲の「LET
IT RUN」もカッコいい。ロック。へヴン17も、いかにもな音ですね。ジョルジオ・モロダーも、フィリップ・オーキーとの共作とか、インストとか提供してますが、Cの「THE
DUEL」って、これなんでモロダーの作曲になってんのかなぁ。
<04/21/01 (土)>
19日に本屋さんでオーダーした本が早くも到着。
- ヴォルフガング・フルーア 著/明石政紀 訳 『クラフトワーク ロボット時代』 ('01)
Book \3,875
・・・飯島愛、梅宮アンナに続けとばかりに出版された、元クラフトワークのヴォルフガングによる暴露本。YAMOでのケツ出し写真を見たときから「あ〜、こういう人だったんだ」という免疫は出来てたものの、さすがにここまであからさまに色々書かれるとオドロキと共にかなり退きます。全体的にエロ系話が多い。というか多過ぎ。元々エロい人なのか、たまたま執筆中に欲求不満だっただけなのかは謎ですが、18歳の時に、ザ・フーを聴いててソファに弓なりに精液を噴射した、とかそんな事書かなくたっていいでないのよ(^_^)。しかしよく憶えてますね、そんなこと。あと、20年以上も前に食ったものとかも細かく書いてあって「日記でもつけてたの?」と言いたくなるほどちゃんと書いてある。他は乱交とか3Pとかファンのコに手を出した話とか(未成年含む)。もうムチャクチャです。バンド内の人間関係については、カールとは今でも仲がいいみたいですね。ラルフとはもはや復縁不可能という感じですね。フローリアンとは正式に決別話はしてない様子。しかしラルフが自転車レースに凝って筋骨隆々になってたとはね〜。来日のときは気付かなかったぞよ(フローリアンがツルッパゲだったのは分かった)。『エレクトリック・カフェ』に関する記述が他のアルバムに比べて妙に少ないのもむべなるかな、という感じですなぁ。しかしテクノ系のバンドはOMD、ティアーズ・フォー・フィアーズ、JAPANなど、メンバー間のゴタゴタで解散〜分裂したのが多いですが、本家までそうなるとはね〜。ファンとしては読んだあと「やっぱりな」という気持ちもあったものの、実際複雑な気持ちになりますね。教授と細野さんの関係みたいに、現役当時にはけっこうピリピリしたものがあったのに、時を経て仲が深まってる、というのは見てて単純に嬉しいですもの、やはり。・・・まぁそれはともかく・・・。ミュージシャンってえぇ商売やなぁ〜。
<04/22/01 (日)>
「ディスクユニオン北浦和店」にて。
- アーント・サリー 『ライヴ 1978-1979』 ('01) CD \2,625
・・・これはビックリ、アーント・サリーのライヴ盤。こんなのがPhew公認のもとリリースされてしまうとは・・・。だって、「アーント・サリーのレコードなんかもう、全部回収して、どっか埋めるか、海にでも捨てたいくらい」、「自分の10代って、恥ずかしくありません?それがもうそのまま、あのレコードなんですよ。悲惨ですよーミュージシャンって。そういう形で残ってしまう」(ミュージック・マガジン'86年12月号より)なんて言ってた人ですからね。人間変わるものです。内容は、もとがカセット録音のためブート並みの音質ですが、貴重には違いないです。前半はかなり音が割れてて、しかもラモーンズとかザ・フーのカヴァーで思いっきりパンクしてるから、何歌ってんだか全然分からない(^_^)。全18曲中、アルバム『Aunt
Sally』からの曲は7曲。カヴァーが3曲。他は未発表曲です。あの「天才なんて〜誰でもなれる〜鉄道自殺すればいいだけ〜♪」という凄い詞が有名な「ローレライ」が入ってないのが残念といえば残念ではありますが(話によると、特典でこの曲が入ったライヴ・カセットがもらえたそうだが・・・もらえなかったぞT^T)、未発表曲の中の1曲「踊りましょう-終曲」が、あの「終曲(フィナーレ)」のプロトタイプ版でビックリ。あな〜たは〜♪のサビ部分がなかったりと、曲構成がちょっと違ってますが、これにはかなり感動。あと、ライナーもスゴイ。色んな人からのコメントが載ってますが、上野耕路氏のコメントが熱い(^_^)。まさか「終曲」が教授ではなく上野氏プロデュースになるかもしれなかったとは・・・。驚き。あとは写真。メチャメチャかっこいいね〜。ほとんど黒づくめの衣装で、実に絵になるバンドですわ。Phewはベレー帽被ってるし背が高いし(170cmあるそうだ)。bikkeも今見るとかなり童顔でカワイイのね。
- XTC 『ブラック・シー』 ('80/'01) CD \2,548
・・・これは嬉しい、XTCの紙ジャケ再発シリーズ。さすがにいっぺんにドドッと買えないので、まずはこれから。このアルバムと言うと、どうしても反射的にピーター・ガブリエルの『V』とか、トーキング・ヘッズの『リメイン・イン・ライト』が浮かんでしまふ。'80年代初期の名盤たちですね。僕はヴァージン・ジャパンから出たCDで初めて聴いた、完璧な後追いですが、これはXTCのアルバムの中ではベスト3に入るな〜。すごく好きです。音は、そのヴァージン・ジャパンのより良くはなってますが、すごく差があるようには感じられませんでした。一つ一つの音がハッキリ聴こえる感じにはなってますね。ボーナス・トラックが移動して、A・B面の間に入ってたのが、本編終わってからの部分に入っています。この方がいいな。久々に聴いたけど、「トラヴェルズ・イン・ニヒロン」にハマッた。この呪術的というか、どっかの部族の儀式みたいな感じ。強力だわ〜。
- オヴァル 『オヴァルコマース』 ('01) CD \2,447
…『プレ・コマース』(未聴)を挟んでの、1年ぶりのアルバム。前作が約5年ぶりのアルバムだったので、今回はずいぶん早くリリースされたように感じられました。本作も『オヴァルプロセス』同様、ノイズの比重が増してますね。あの、CDを早送りしたようなサササササ・・・という音もかなり少なくなっちゃってますけど、GIなんかは昔の感じに近いです。Hもそうですね。「Shop
in Store」なんかに近い感じ。でも前はこんなに音がバリバリしてなかったんだけどな。まー悪くはないんですけど、昔の方が好みですね。『94
diskont』とか『systemisch』あたりがね。もっと音数を減らそうとかいう考えは持ってないのかしら。
- キング・クリムゾン 『ディシプリン』 ('81/'01) CD \2,310
・・・実は、僕がクリムゾンのアルバムの中で一番好きなのがコレなのです。そうです。あの1stよりも断然コチラなのです。プログレッシャーの方々の「えぇ〜っ!?」という声が聞こえてきそうですが、マジです。まず、曲が良い。実にポップ。特に冒頭の3曲は何回聴いても飽きないですね。あと、「空耳アワー」では♪てらおじゅんじ〜てらおじゅんじ〜♪として採用された「セラ・ハン・ジンジート」も好き。インストの「ザ・シェルタリング・スカイ」(このタイトルって・・)も、変わったメロディーラインで耳に残りますね。今回の再CD化ヴァージョンは、前回のCD化の際に手直しされてしまった「待ってください」の元のヴァージョンを追加収録。こっちの方がちょっと音が多いですね。こちらも良いです。クリムゾンは、個人的にはやはり80'sクリムゾンが一番です。しかしこれを聴いて、期待してブリューのソロを聴いたけど全然ダメでした(T_T)。
- キャメル 『ムーンマッドネス「月夜の幻想曲」』 ('78/'01) CD \2,141
・・・'78年の4枚目の紙ジャケ再発。キャメルは、以前邪外さんにベスト盤のMDを頂いて聴いたのが最初でした。実を言うと、パイロットのデヴィッド・ペイトンが参加した後期の曲が聴きたかったからだったんですけどね。で、これはまだピート・バーデンスがいた頃の、バリバリにプログレの時期のアルバム。よく“幻想的”とか“叙情的”といった形容をされるキャメルですが、たしかにロック的な“汗”とか“熱気”はあまり感じられない、どこかノホホ〜ンと言うかマッタリしたサウンドですな。“月が人間にもたらす狂気”をテーマにしたということですが(どっかで聞いたような・・・)、シンセをかなりフィーチャーしてるだけあって、すごく宇宙的な感じもします。歌とインストがほぼ半々で、インスト部分になると、いわゆる“シンセサイザー・ミュージック”的な感じも受けます。
<04/24/01 (火)>
GEMMでオーダーしたレコが到着。値段失念。たしか日本円で各\2,000前後。別に高かったら買わなかった。
- DOGGEREL BANK 『SILVER FACES』 ('73) LP
…CHARISMAレーベル所属のモダン・ポップ・バンド、ドゲレル・バンクの1st。このバンドの存在を知ったのは、以前紹介したアルバニアのアルバム、『アー・ユー・オール・マイン』のライナーを読んだのがキッカケです。そこには「音楽的な面で捕えれば、'70年代中期に出現したいくつかのバンド達、たとえば、セイラー、スティーヴ・ハーリー&コックニー・レベル、デフ・スクール、スクラウンジャー、メトロ、ドゲレル・バンク、オーケストラ・ルナなどの異国情緒をプンプンと漂わせた一連のモダン・ポップ・バンドが開拓した世界の延長にアルバニアは登場したと言えよう」(文・赤岩和美)と書かれていたんです。こりゃあモダン・ポップ&ニッチ・ポップ好きの僕チンにとっては驚きwith大興奮で、思わず体中の血液が一箇所に集合してしまいました(膨張)。「ほとんどのバンドは知ってるけど、このドゲレル・バンクってのは知らないなぁ」と思い、GEMMで即オーダー。中にはかなり高値をつけてるレコ屋もありましたが、比較的安いのを見つけました。で、聴いてみたんですが・・・これは・・・、すごく文章が書きづらい音楽ですわ。バックはヴァイオリン、ハープ、オーケストラ、マンドリンなどをフィーチャーし、ヴォーカルはほとんど喋ってる感じで、曲もオールド・ファッションド・ソングと言うのか、聴いたことのあるような古くさい感じのばっかり。昔の喜劇映画とかで使われていたような。そう考えるとヴォーカルの喋り方の抑揚も、喜劇役者のソレ。まるでコメディ・ミュージカルのようです。・・・こりゃ売れなかったでしょうなぁ。しかし、この「どっかで聴いたような」というのは一連のモダン・ポップ・バンドに共通するモノかもしれましぇんね。それはともかく、ジャケのイラストはかなり不気味。
- DOGGEREL BANK 『MISTER SKILLICORN DANCES』 ('75) LP
…で、こちらは2nd。おそらく前作が売れなかったのでしょう、ジャケは金一色刷りで、ブート並みのテキトーなイラスト。さみしい限りです。メンバーも、前作では8人がクレジットされていたのに、今回は主要メンバー3人+ゲスト、という風になっています。さみしい限りです。今回もまたヴァイオリン、オーボエ、ヴィオラ、マンドリン、バンジョーなどをフィーチャーした、およそロックらしくないバックに、William
Bealby-Wrightの役者然とした語りが絡むという、ほとんどミュージカルのような構成。こりゃ訳詞が欲しい。カントリー&ウエスタン風の曲や女性コーラスを従えて、幾分パワーアップした感も受けますが、1stとの二枚組でも分からないほどに変わってない(^_^)。ドラマーのクレジットがなく、実際使用されていません。パーカッションもナシ。歌(語り)と生楽器のみ。前作で控えめに使われていたムーグ・シンセも今回はナシ。かなり変わったバンドだと思いますが、これは好き嫌いハッキリ分かれるでしょう。僕チンは、好きでも嫌いでも、どっちでもないです(矛盾しとるやんけ)。
<04/26/01 (木)>
jellyfishのホームページにてオーダーしたCDがtomoko嬢から到着。
- jellyfish 『jellyfish sensation』 ('00) CD \2,400
…MANIAX#2で世界的に活躍中のミュージシャン、無頼庵(よしの〜♪)さんのプロデュースによる強力オムニバス・アルバム『FUTURETRON
SAMPLER』(ライナーでは僕とBUGGLEさんによる曲解説が載ってます!呆れないでね〜)収録の2曲でハマッた、胸キュン系テクノ歌謡ポップ女のコバンド(長い形容ですな)の2ndアルバム。ハマった理由は、やはり1曲目があのYセツ王だったところが原因のひとつでもあろうかと思われますな。あの濃ゆ〜い“野郎Voice”の後に続いてtomoko嬢のキャワいいヴォーカルが出てきたもんだから、そりゃあもう胸ときめきメモリアル(実写版映画は大コケ)ですよ。tomoko嬢のメロディーメーカーぶりも冴えまくってるし、サウンドもフワフワピコピコと、ハマらない要素はないわけです。う〜イェイェイェ〜♪
そのオムニバスにもリミックス・ヴァージョンが収録されていた「Space☆Gigolo」が白眉だと思っとりますですが、他にいいなぁと思ったのはC「なつのうた」。これは“カルトQ”YMOの回に出演したという(違ったっけ?)増山龍太氏の曲なんですが、イントロが中谷美紀「MIND
CIRCUS」してて、Aメロが「東風」という(^_^)、教授フリークの顔面が溶けること必至のスーパー・ナンバーです。わたしのこと好きでしょ♪
あと、テイ・トウワ的サウンドのAもイカしてます。サウンドもいいけど、メロディーそのものがいいのです。あと、最初聴いたときはピンと来なかったんですが、数回聴いていくうちにハマったのがG。これはイシガキアトム氏の曲ですが、バックのフワフワシンセとちょっとウィスパー気味のヴォーカル、それでシンプルなフレーズの繰り返しの3拍子の曲。幻想的と言えば感じはいいですが、「兎を追いかけてどこにも帰れなくなる」という歌詞と相俟って、なんだか別世界へ引き込まれてそのまま戻れなくなりそうなイメージが。・・・って、こ、これはまさにjellyfishのことを歌っているのか!? ぬぉぉ。
LOVE LOVE LOVE もう夢中♪
第33回
<03/07/01 (水)>
父親の十三回忌のため、福島県相馬市まで行って供養して参りました。とりあえず夕方ぐらいに終えて、日帰りだとキツイので仙台のホテルに泊まることにしました(たんに次の日すぐに出勤するのがカッタルかったからなのだが)。相馬から常磐線という一時間に1本か2本しか出てない電車で約1時間ほどで仙台です。いや〜、去年の夏に来て以来。田舎ですなぇ〜。のんびりしとりますのぇ〜。前回の日記の占めで「もう当分来ないと思うけどね〜」と書いてたった半年でまた訪れることになるとは・・。この日は、供養のあとそのままレコ屋へ直行したので、背広姿でのレコハンとなりました。僕チンってオ・ト・ナ(今年30)。
まず、EBeansというビルの中にある「パラダイス・レコードEBeans店」に行くものの、収穫ナシ。HUDSON-FORDの2ndなど、いいのがあったものの却下。ココは全体的に高値ざんす。で、次は前回来たとき結構収穫のあった「グレートミュージック中央本店」へ。相変わらずモノスゴイ量で探しがいがある。広いし。ロッカーもあって荷物が置けます(鍵付き)。店内には“手荷物はロッカーに預けましょう。そして、思う存分CD・レコードを探しましょう”とか嬉しいコメントが書かれてある。すばらしい。シングル漁ってたら、あっという間に閉店時間の9時になってしまった。
- ゴダイゴ 『CMソング・グラフィティ〜ゴダイゴ・スーパー・ヒッツ』 ('78/'89)
CD \1,890
・・・ゴダイゴ初のヒット作(オリコン最高3位)。LPは持ってますが(昔CDでも持ってたのだが)、買いました。本人達が出演したものも含む、ゴダイゴが手掛けたCM曲集。どの曲もタケのブリティッシュ・メロが炸裂した、どポップなアルバムです。「ナウ・ユア・デイズ」はメチャクチャカッコイイし(シングル・ヴァージョンの方が好きですが)、爽やか系の「スプリンター・リフトバック」も好きですね。「レッド・シャポー」では、♪赤いシャポーの味の〜素〜♪と、「日本語が入ってるのが珍しい」って言うんだからホントに変わったバンドですね(そういえば幸宏氏が「FLASHBACK」とかで日本語で歌ったときもかなり話題になったな)。で、ホテルに帰って早速開けてみたら、帯の裏側がちょっとボロだった(売ってるときは値札で隠されていた)。騙された〜。・・・実はこれには、続きがあるのです(このCDの15枚下のトコに何かがあります。チェケラッチョ)。
- クリストファー・フランケ 『パシフィック・コースト・ハイウェイ』 ('91)
CD \1,575
・・・'70年から'88年までの18年もの長い間タンジェリン・ドリームに在籍していた人。やはり全盛期のタンジェリンといえば、この人とフローゼとピーター・バウマンでげすね。いや〜しかし、この人は写真を見ると驚くほど変わってないですね〜。サウンドも'80年代後期あたりのタンジェリン的な、まごうかたなきニューエイジ/ドキュメンタリーのサントラな世界なんですが、意外といいんですよ、これが。マイナー調の哀愁メロが多く、結構惹かれます。個人的には、スプ○ングスティーンみたいなアメリカン・ロックとか尾○豊、ゴスペラ○ズなんかを聴くよりは100万倍良いと思っとります。ライナーにはベルリンにあるフランケのスタジオが載ってますが、これがまたまぁ広くて機材も多くて羨ましい限りでござんす。そういう金のかかったスタジオで作った、録音のいいアルバムがこれです。ステキ。
- インダストリー 『ストレンジャー・トゥ・ストレンジャー』 ('84)
LP \1,050
・・・ニューヨークの4人組エレポップ・バンド。フル・アルバムとしてはこれが初。10代のメンバーもいて全員若い。そのわりには曲作りも上手いし、サウンドもなかなか(これはプロデューサーのレット・デイヴィスのおかげかも)。好きな曲はシングルでも出ていた「ステイト・オブ・ザ・ネイション」。詞がシビアですが曲はグッとくる、胸キュンもの。YMOっぽいイントロのシンセもいい感じ。あとはUV〜ゲリマン的な「コミュニケーション」と、フワフワとしたサウンドの「シャングリラ」あたりがベスト。アルバムの中にはいかにもアメリカンなサウンドもあって、それはちょっとカンベンですが、全体としてはなかなかの好盤です。
- ハンターズ・アンド・コレクターズ 『ジョーズ・オブ・ライフ』 ('84)
LP \1,470
・・・オーストラリアのニューウェイヴ・バンドの3rdアルバム。前作(未聴)同様、コニー・プランクのプロデュースというので購入。コニーものはほとんどハズレがないので、発見次第買うようにしてます。特に無名バンドだとなお良いですね。で、このバンド。このあとに出した、コニー・プランクが絡んでないアルバムはつまんなくてほとんど印象にありませんが、本作はギクシャクしたビートのファンキー・ニューウェイヴという感じでしょうか。か細いギターの音がいかにもあの時代の音でステキ。お気に入りはズンドコ・ビートがカッコイイB@「ベティーズ・ワリィ」。他、コニー・プランク独特のくぐもったような音処理がイカしてます。
- ヴァンゲリス 『ドラゴン』 ('81) LP
\2,100
・・・'71年録音で、'79年になってようやく発売(日本発売は'81年)された、ずっと未発表だったアルバム。これはあまり見かけないです。ヴァンゲリスによるキーボードとパーカッションの他、ギター、ベース、ドラム、ヴァイオリンという5人編成。A面は長尺タイトル曲1曲収録。淡々としたリズムにヴァイオリンやパーカッションが絡み、ほとんど初期のアモン・デュールUみたいなアシッド・ロックな感じです。いわゆるヴァンゲリスらしさは皆無。B面は2曲入り。こちらもヴァンゲリスらしからぬ雰囲気。
- フォックス 『月の光と紫のベール〜フォックス・デビュー』 ('75)
LP \2,625
・・・カーディガンズのニーナを思わせる、ちょっとハスキーでコケティッシュなヴォーカルが心地良いノーシャ・フォックスを中心にしたバンド。ニッチ本にも載ってました。帯なし日本盤です。この後イエロー・ドッグを結成することになるケニー・ヤングとハービー・アームストロングが出会うことになったバンドでもあります(受け売り情報なので詳細は知りまへん)。ソングライターとしてのキャリアの長いケニー・ヤングがほとんどの曲を書いており、「・・・どっかで聴いたような」という曲調が多いですね。古き良き何ちゃら、という感じの。BC「ラヴ・シップ」がすごく憶えやすくていい曲。これ好きです。シンベも印象的。しかしノーシャって、声がいいわりにルックスはオバハンっぽいのですね。
- KEV HOPPER 「THE SOUND OF GYROSCOPES」
('90) 12" \945
・・・「電子音楽イン・ジャパン」HPで知った、スタンプというバンドのベーシストだったケヴ・ホッパーが、スタンプ解散後にリリースしたソロ・アルバム『STOLEN
JEWELS』からのシングル・カットした12インチ。同HPにて田中雄二氏が「『カルカドル』時代のP-MODELを彷彿とさせる」と書いていたので、ずっと気になっていたものなのです。言われてみればたしかに近い気もしますね。一つ一つの音はデカイのに、全体合わさると妙にスカスカした感じとか。B面は「THE
POOL SONG」というトラディショナル・ソングを取り上げたものと、「13
FINGERS」というインストを収録。前者はオペラチックなゲスト・ヴォーカルも取り入れた屈折ポップ。後者は、ドタバタしたドラムの音が、A面よりも『カルカドル』を彷彿とさせる1曲。
- 大野 雄二 『生命潮流』 ('82) LP
\1,365
・・・「電子音楽イン・ジャパン」の323ページ参照。ドキュメンタリー番組のサントラということで、「まぁ喜多郎チックなもんでしょう」と思ってたんですが意外や意外。シンセ・ミュージックとしてはなかなかいい曲が揃ってます。この人、結構シャレたコードとか使いますね。ミッキー吉野にも近い感じ。ジャズ、フュージョンとファンクが混ざったような感じのもあります。「電子〜」でも触れている、本人がヴォコーダーで歌う「Windy
Boy」がやはり最高。教授がやってた「YOU」のテーマにも近い、軽快なフュージョン・ファンクな歌モノ。これはオススメ。録音もすごく良いです。
- ABC 「ビー・ニア・ミー」 ('85) 7"
\630
・・・ABCは1stも大好きですが、この時期の、ちょっとスクリッティを意識したようなサウンドをやってた時代も非常に好きなんですよ。メンバーがアニメになったプロモ・ビデオも面白かったですね。ワケわからんメンバーが二人(フェロモン女とチビハゲメガネ)追加されたのも意味不明で良かったです。で、この曲はいかにもABC風なポップス。こういうメロディーはもうお手の物なんでしょうか、復活作『スカイスクレイピング』にもおんなじような曲が入ってました。
- 太洋民枝 「カモナ マイ ハウス」 ('83)
7" \525
・・・以前、ユピテルから出てたオムニバス『明るい家族計画』に参加していたので名前は知ってた人。「人」と書いてしまったものの、実はずっと「たいよう・たみえ」という女性の個人名かと思ってたんですが、「たいようみんぎ」というバンド名だったとは。編成は女性2人男性3人の5人組。この後1人加わって6人編成になったらしく、写真にも6人写っています。で、この曲は江利チエミのカヴァー。♪ウチへおいでよウチ〜へ〜♪というやつです(リリィのではない)。聴いたことあります。B面は英語ヴァージョン。歌は平山みきっぽくけだるく歌ってます。サウンドはテクノというか、業界ニュー・ウェイヴ的。当時聴いたら「テクノ!」と思ったかもしんない。
- YUKI OKAZAKI 「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」 ('80)
7" \315
・・・こないだキタキマユがカヴァーしてた曲の原曲。加藤和彦氏作曲編曲。さすがです。ほとんど同じアレンジなんですね。リヴァーブが深いな。サウンドは大瀧詠一なんかにも近い(ウォール・オブ・サウンドっつーの?フィル・スペクターだっけ?この辺疎いもんで・・・)。B面「ジャマイカン・アフェアー」はレゲエ調。A面と全然歌い方が違います。
- 大沢 逸美 「Tonight」 ('85) 7"
\735
・・・結構長いこと芸能界にいた、なぜか徳さん(=涙もろいギャンブラー)と妙に仲が良かった(タモリと加藤紀子みたいな)、ジェームス・ディーンみたいな女の子だったお姉ちゃん(説明が長い)。なんでこんな特徴のないコが芸能人をやってたのか今もって不思議です。で、なんでこんなシングル買ったかというと、タケカワユキヒデ作曲だからです(あぁ、「またか」という声が響く)。で、タケカワユキヒデのソロ・シングルでも「トゥナイト」という曲があって、タケのベスト盤の同曲の解説でも「大沢逸美のカバー・バージョンが発表されている」と書かれてるんですよ。だから、タケ・ソロとして聴いてた曲だったので「大沢逸美が歌ってんのか〜。あんまり似合わないと思うけど、どんな感じだろ」と思って買ってみたんですが・・・。これ、タケカワユキヒデ作曲には違いないですが、全然別の曲ですよ〜(T_T)。いかにも「仕事で書いた」という感じの、タケ自身は絶対歌わないような歌謡曲調。アレンジもダサい。市川清師さん、ちゃんと聴いて確認してからライナー書くようにしてくださいね。頼んますよ。B面はタケ無関係の「Oh!
Mr.DJ」。前向きな明朗快活ポップス。二度と聴かない。
<03/08/01 (木)>
ホテルで約12時間爆睡したあと、11時にチェックアウト。ホテルによってはチェックアウト時間が10時だったりすると困るのよね(レコ屋は11時開店のトコが多い)。今日は有給取ってあったので、のんびりレコハン。まず、「ジェー&ビー一番町店」に行くものの、収穫ナシ。レコは定番品が多い。店員は若いオナゴ二人(トーキング・ヘッズがどーのこーの、とけっこう濃いトークをしていた)だったので、1枚ぐらいは買わねばとネバったんだけども。無念。トーキング・ヘッズばなし(略してトキバナ)に参加したかった。で、次は「サウンド・ユー仙台一番町店」へ。ここはCDオンリー。でも結構いいセレクト。あまり見かけないものもわりとある。早瀬優香子サマの『躁鬱・決定盤』(表裏ともジャケ写がステキ)が\4,200で迷った迷った。でも帯ナシだったので却下。
- ジュールズ・シアー 『エターナル・リターン』 ('85/'94)
CD \1,365
・・・POP IND'Sのベスト・アルバム100選にも選ばれていたアルバム。簡単なクレジットしかないので誰がどの曲に参加してるのかは不明ですが、トニー・レヴィン、ロブ・フィッシャー、モーリス・パートらが参加しています。'85年作というわりにはちょっと録音や打ち込みの部分が平坦な気がします(アレンジやシンセの音色とかは初期のニック・カーショウにも通じる感じも受けます。特にCあたりなんかソックリ)が、曲はとにかくポップ。H「Empty
Out The House」が一番好き。メジャーで軽快な出だしから一転、サビではマイナー調になって、イヤでも耳に残るメロディーの繰り返しが。これは跡を引きます。@はオールド・タイプのロックンロールですが、コーラスがリズムとズレまくっているのはワザとなんでしょうか。気になります。Dは「ピーター・ガン」風なベース・ラインで間断なくメロディーがどんどん展開していく、凝ったエレ・ロック的な曲。カッコイイ。Gは、まんまコーギスみたいですね。
- タンジェリン・ドリーム 『ベスト・オブ・タンジェリン・ドリーム』 ('89)
CD \2,415
・・・'84〜'88年のジャイヴ・エレクトロ時代(『ポーランド』、『ル・パーク』、『アンダーウォーター・サンライト』、『グリーン・デザート』、『タイガー』、『ライヴマイルス』)からせレクトしたベスト盤で、ボーナス・トラックとして何故かヴァージン時代の『アーテム』から「WAHN」が追加収録されています。全体の流れからしてそこだけ異色(『グリーン・デザート』の曲もそうですが)な感じがします。音の質感も全然違いますしね。ま、ベスト盤としてはこんなもんかなという感じですが、個人的に大好きな「鯨の詩」がフルで収録されているのは嬉しい。♪ゴゴンゴン
チッチッチッチカハァ〜♪て箇所が印象的ですね。『アンダー〜』は後期タンジェリンの中でも特に好きなアルバムです。
- エイフェックス・ツイン 『51/13 エイフェックス・シングルズ・コレクション』 ('96)
CD \1,890
・・・なぜか急にエイフェックス・ツインの音が恋しくなり、どれでもいいやと思ってたところ、まだ買ってなかったシングル・ベストがあり購入。「ON」、「DONKEY
RHUBARB」、「VENTOLIN」の3枚のシングルからリチャード本人が選曲したものを収録した、日本独自のシングル・コンピ。でも実は、僕この3枚のシングル輸入盤で買ってたので、特に新鮮味はないんですけどね(^_^)。ただ、「VENTOLIN」は2種類のシングルが同時に発売されて、そのうちの1枚しか買わなかったので、初めて聴くリミックスもありましたけど。でも「VENTOLIN」で一番好きなビデオのヴァージョンが収録されていないのは残念。あれは電気グルーヴのラジオ番組(オールナイトではなかったような気がする)で紹介してて、ビビッてすぐ買いに行きましたからね〜。いや〜しかし、この辺の音を聴くと「当時はテクノはすごい勢いだったな〜。懐かしい」と回顧モードに入ってしまいますねぃ。新譜はまだか、リチャード。
- ゴダイゴ 『CMソング・グラフィティ〜ゴダイゴ・スーパー・ヒッツ』 ('78/'89)
CD \1,155
・・・・・・というわけで、昨日買ったヤツの帯の裏側がボロだったので買いなおしましたよ(T_T)。運がいいんだか悪いんだか。
続いて「ディスクノート仙台1号店」へ。パンク系やジャズ、ソウル、ギタポ系が多く、しかも新品の方が多め。仕方ないので「ユーロ・ロック・プレス」VoL.8とCD1枚買って足早に退散。でも店員さんは気さくないい兄ちゃん(小太り)でした。
- ジョン・フェイヒィ 『レクイア』 ('67/'01)
CD \1,800
・・・これは嬉しいCD化。色んな雑誌などで再三取り上げられていたので聴きたかったアルバムです。前半はフェイヒーのアコギ・ソロですが、後半がギター+サウンド・コラージュというモノで、オルークおよび『ウームライフ』への影響がデカいのが分かります。コラージュの部分は、かなり乱暴でサイケデリックな感じです。こないだ聴いた『DREAMIES』とか初期ザッパ、ホワイト・ノイズなんかにも近い感じですね。ただ、ギターの音はあまりいじってないみたいなので、個人的にはギターの音もグニョグニョにしてあったらもっと面白かったかも。
続いては「グレートミュージック中央2号店」へ。マンションの一室を使っている狭いレコ屋で、一瞬「・・・これはツライかも」と思うものの、意外や意外。かなりの収穫。ここ穴場なり。「○か×」っぽいセレクトです。江原由希子ミニLP『BIRTHDAY』\9,800なんてのもアリ(買うわけないが)。
- ハルメンズ 『ハルメンズの近代体操』 ('80)
LP \2,100
・・・久々に見たハルメンズのアナログ盤。僕が高校生の頃、ちょうどゲルニカ〜戸川純人気絶頂時代、しかもハルメンズなんてCD化されてない時代に、今はレゲエ専門店となってしまった、西新宿は柏木公園前にあった中古盤屋「ウッドストック」にて\40,000もの値がつけられていたのを思い出します。それを思えば安くなったものです(ウッドストックが高すぎという見方もあるが)。ま、見本盤ですけど、宣伝パンフが入ってたのでもうかった。
- 『小松左京 宇宙に逝く』 ('78) LP
\1,050
・・・「電子音楽イン・ジャパン」の255ページに載っていた企画盤。小松左京の作・構成・演出で、作曲が横田年昭、演奏が横田年昭とエレヴァシオン、出演が日下武史(ジョー・タカハシ中尉)、山田三恵(コンピューターの“ナンシー”役^_^)。内容は、あまりにも典型的なSFで全然面白くない。ピロピロピロ♪というSEをバックにコンピューター役のナンシーが「ビョウソク・ニセン・ゴヒャッ・キロデス」という感じで話す。まさに「ワ・レ・ワ・レ・ハ・ウ・チュウ・ジ・ン・ダ」の世界です。しかしSF書く人って、オメガとかスターバードだとか、こういう専門用語を羅列するのが好きですね。緊急事態発生!とかも出てきて、あまりに常套的。バックのサウンドは、シンセも使ってますが、オーケストラによる真っ当な曲も。ま、レコードでは所詮こんなもんでしょう。聴き終わってもどうもアッサリしすぎ。小説の方がまだいいでしょう。また、作者が解説で「SFが触っている世界には、文章や映像をもってしたのではどうしても表現しきれない部分がある」、「文字を使って説明して読者のイメージを喚起させるもどかしさを飛び越え、映像で見せるには莫大な費用を要してしかも不満足な結果が予測され」そうなことがあるので、音で表現したらうまくいくのでは、と言ってますが、だとしたらずいぶんネガティヴな発想から生まれた企画なんですね、これ(^_^)。
- FILMS 「Girl」 ('81) 7"
\1,890
・・・こないだ再発された『ミスプリント』にも追加収録された2ndシングル。そのため音源的な価値は下がりましたが、これはやはり持っていたいモノです。見本盤でしたけどね。で、再発CDの方は買ってないので、初めて聴きました。ピロピロピロ♪というスペーシーな音も入ってますが、基本的にはギター・ポップ的。赤城氏のソロ的な雰囲気も感じます。B面は、アルバムに収録されていた「RADIO
ZONE」。う〜ん、こっちの方がいいなぁ。
- 竹田 和夫・鈴木 茂・土屋 昌巳 「初心者のためのエレクトリック・ギター教室」 ('79)
ソノシート×2 \1,575
・・・「別冊ヤング・フォーク」という雑誌の付録だったという2枚組教則ソノシート。雑誌はなく、ソノシートだけで売っていました。1枚目はA・B面とも竹田和夫サイド。僕はギターは弾かないので、けっこうタメになりました。チョーキングって、言葉は知ってたけど、こういう奏法のことを言うのね。ニッチの「アメリカかぶれ」系レコードでよく出てきたわ。で、2枚目のC面がツッチー・サイド。「こんにちわ。初めての人はハジメマシテ。土屋昌巳です」という挨拶から始まる。声が若い〜。少年のようです。ドラムは見砂和昭、ベースは六川正彦という、知らない人たち。その後、色々な奏法で弾く前に、「〜〜を弾いてみましょう」とか「〜〜を覚えましょう」とか、ずっと丁寧な口調で言ってるんですが、1箇所「3度ハーモナイズ奏法の練習曲を作ってみたので、やってみよう」と、そこだけいきなり口調が変わったので、ヒザついて大笑いしてしまった。D面は鈴木茂サイド。落ち着いた口調で話す人ですなぁ。大人、っちゅー感じですわ。エレキ・ギターの弾き語りをマスターしよう、という主旨なんですが、“ボサノバ”では「ソバカスのある少女」を弾いてます。
- ブレッド&バター 「特別な気持ちで」 ('84)
7" \735
・・・これはついこないだ買ったんですが(2月28日分参照)、今回は、シングルなのになぜか帯付きだったのでまた買いました。別にブレバタ・マニアじゃないんですが。
- 大貫 妙子 「チャンス」 ('81) 7"
\1,260
・・・アルバム『アヴァンチュール』収録曲。アレンジは大村憲司氏。シングル向けっぽいポップな曲。ドラムはすぐ幸宏氏とわかる。B面は、なぜか前々作の『ミニヨン』に収録されていた「突然の贈りもの」。アレンジは教授。ストリングスが秀逸で、南佳孝等のアルバムでもこの時期よくやってましたね。この曲は、たしかアッコちゃんもカヴァーしてたはず。こないだのTin
Panのライヴでも歌ってたし、本人お気に入りの曲なのでは。
- 早瀬 優香子with渡辺 裕之 「マリリン&ジョンの微笑」 ('89)
7" \1,890
・・・アルバム『薔薇のしっぽ』収録曲。あちらではカルロス菅野とのデュエットでしたが、こちらは何故か、筋力トレーニング大好き俳優、渡辺裕之とのデュエットになっています。ミックスも若干違ってるようです。B面は『水と土』に収録されていた「冷たい水」。抽象的で難しい詞は、本人によるモノ。
- 金井 夕子 「チャイナローズ」 ('80)
7" \420
・・・「テクノ歌謡」コンピで初めて聴いて、メチャメチャ気に入った曲。細野さん作曲、細野さんと教授のアレンジ。贅沢な娘だ(^_^)。このコ、もともとはアイドルだったと思うんですが、これでは“アイドル”としては難しいのでは、と。売る方も買う方も大変だったでしょうね。♪チャイナロ〜ズ♪の“ロ”の発音が良い。きっとプロデューサーに言われたまま歌ったんだろーな。B面「離愁」は、梅垣達志作編曲による真っ当な歌謡曲。岩崎宏美あたりが歌いそうな曲です。
- ベルリン・ブロンズ 「サイエンス」 ('80)
7" \840
・・・こないだ大阪にてLPをジャケ買いした、ニューロマ系エレポップ・バンド。日本盤シングルなんて出てたんですね。ジャケに写る4人のメンバーのかなりキツいメイクは、いかにもこの時代だから許されたようなものの・・。スーツを着てる奴はまだいいけど、左から二人目なんてピンクのセーター着てるしヒゲ濃いし、まるでオカマちゃんです。B面は「マネキン」で、共にLP収録曲。エレ度はかなり高く、オススメです。
最後は、昨日行った「グレートミュージック中央本店」へ。昨日“買うか買わまいか”でさんざん迷った2枚を、結局買いに。そして、駅弁を買って帰路に。
- アシュラ 『コーリレイションズ』 ('78)
CD \1,575
・・・これは見本盤で持っていたんですが、正規盤だったので買いなおし。やはりこの時期の、ヴァージン・ジャパンCD再発乱発には惹かれましたね。このアシュラとかエドガー・フローゼ、クラウス・シュルツまで“BRITISH
ROCK HISTORY”という括りなのには参りましたが(T^T)。ともかく、本作はヒプノシスによるちょっとエロいジャケが印象的ですが、内容はハラルド・グロスコフ、ルッツ・ウルブリッヒとのバンド編成によるシンプルなサウンドになっており、ときたまフュージョン風になったりも。『ニュー・エイジ〜』や『インヴェンションズ〜』あたりに比べると地味な印象です。
- 伊藤 詳 『夢幻光〜やすらぎへの祈り〜』 ('82)
LP \1,365
・・・元ファー・イースト・ファミリー・バンドのシンセ奏者の一人(つまり喜多郎と同僚)のソロ・アルバム。「電子音楽イン・ジャパン」でも別のアルバムが紹介されていました。実は店内でこれを見つけたとき、「あれ、これ確か“電子音楽”に載ってたよな」と勘違いして買っちゃったのですけど。で、内容はもう予想通りのニューエイジ・シンセ・ミュージック。アルバム・タイトルからそんな感じですが、各曲名も「心身波動」とか「求道心」とか「意思再生」とかそんなのばっかり。ギターが入ると、フレーズが“泣き”入ってるのでどうしてもギルモアとかぶってしまう。やっぱフロイド好きなんだろーか。あと、BCの「調和陽光」という曲は、クラスターやミヒャエル・ローテルあたりにも通じるけだるい雰囲気の曲。これはなかなかでしたけど。
<03/12/01 (月)>
GEMMにて1月17日にオーダーしたレコがようやく到着。遅ぇ〜。コレはドイツのFUN
RECORDSから。
※(尚、GEMM等を通して買った輸入盤の値段は、カード会社の明細書を元にして日本円に換算して送料込みの値段を載せています)
- STEVE BRAUN 「WHEN I SEE YOUR EYES」
('85) 12" \2,457
・・・ゲイリー・ニューマンのNUMAレーベルからリリースされた12インチで、ゲリマン入魂のプロデュース。NUMAレーベルのサンプラー・アルバムでこの曲を知り、その後7インチ・シングルは買ったのですが(某新宿VJにて)、やっぱり12インチで聴きたいと思い、GEMMで検索して購入。この曲は、ゲリマンも相当気合を入れまくってプロデュースしたのではなかろかと思うほど、メカニカルでド迫力のゲリマン流マシナリー・ビートが炸裂しています。全編ドン!ガン!ドン!ガン!♪というメタル・ビートに、ほとんどピアノの低域部分のようなベース音がギゴガゴギゴガゴ♪と絡む、ゲリマン好きテクノ好きにはたまらんちんな、エレぇカッコイイ曲です。サウンドとしてはゲリマンの『FURY』に非常に近い感じです。『FURY』収録曲よりもカッコイイかも(^_^)。何故に。いやホントに。で、サックスで参加してるのが元デフ・スクールのイアン・リッチーというのも意外。こうなってくると、ヴォーカルのスティーヴ君の貢献度というのが曖昧になってくるわけなんですが、B面は本人のプロデュース作で、中期JAPANをヘナヘナにしたような、思わず腰くだけのヨレヨレ・テクノポップ。演奏もヒドイ。C級。ちなみにB面には7インチのA・B面2曲を収録していますがA面はロング・ヴァージョンです。「WHEN〜」だけ聴いてください。
<03/13/01 (火)>
hmv.co.jpに2月4日にオーダーしていたCDがようやく到着。これまた遅ぇ〜〜。
- BRUCE HAACK 『LISTEN COMPUTE ROCK HOME』
('99) CD \2,069
・・・「電子音楽イン・ジャパン」や「モンド・ミュージック2001」にも載っていた作曲家のCD。'60年代にDIMENSION5というレーベルから数枚リリースした、子供向けアルバムから選曲されたのがこのコンピCD。情操教育家のミス・エスター・ネルソンをフィーチャーして、音楽と、テレビ番組(なのかな)で二人で喋ってる部分が収録されています。ブルース・ハーク(ハック?)本人もタレント的なことをやってたんでしょうかね。ライナーに、マイクの前で喋ってる二人の写真があったりしますが。で、音楽の方なんですが、もしや難解なモノかいなと思ってたんですが、これが大違い。ものすごくポップで気持ち良いです。電子音楽とテープ・コラージュとトーク(二人と子供たち)によるモノなんですけど、コラージュ的な部分は初期ザッパも影響されたのでは、という感じ(あるいは二人とももっと別の先駆者に影響されたのか。不勉強でスマン)。このコラージュ音楽は、砂原良徳ファンなんかが聴いても全然抵抗ないでしょう(「まりんカワイイぃ〜(はぁと)」とかいう人は除外)。特にD「Mudra」なんかはエラくカッコイイですぞ。
<03/14/01 (水)>
仕事が終わってから新宿方面へ。まずは「ディスクユニオン新宿店」の1Fから。
- セイラー 『ハイダウェイ』 ('78/'01)
CD \1,785
・・・オランダ他数カ国でしかリリースされなかったという、セイラー5th。幻の名盤扱いされていたこともあって、過剰な持ち上げ方をされてる感のあるアルバムですが、さすが幻にしとくのはもったいない、直球ど真ん中のポップ・レコです。ただ、前作あたりもそうでしたが初期の無国籍っぽさというか胡散臭さというか、その辺が薄れてきた感じはあって多少残念でもありますね。裏ジャケのメンバーの服装も地味ですし。ですが、そういうことをヌキにすれば充分楽しめます。@AGIあたりが好みです。Iはちょっとテクノポップ前夜的なサウンドでバッチグー。
- カフェ・ジャックス 『ラウンド・ザ・バック』 ('77/'01)
CD \1,785
・・・う〜ん、やっぱり『インターナショナル』よりこっちだなぁ。いいなあ、このアルバム。鈴木慶一氏が「ニューミュージック・マガジン」でライターみたいなことをやってた頃、異常にプッシュしてたんですよね、これを。だから初めて聴いたとき('99年2月)はグッときましたよ。ルパート・ハインのすごさにも感動したし(ハインびいきでスマンね)。音が厚いですね。でも無駄がないという。コーラスも厚いし、演奏も熱い(←ベタな言い回しだ)。曲としては、やっぱり「ミーニングレス」が一番。あと「ダーク・アイド・ジョニー」もカッコイイ。「クリム・パッショネル」も渋くて好き。でもこれは「鬼火」ですね(^_^)。まぁでも、“モダン・ポップ”という括りで考えると、他のバンドに比べると少々マッタリ(マターリ?)してるかなぁという気もしますけどね。セイラーとかシティ・ボーイなんかはもっと元気で爆発型(という言い方が適切なのか不明ですが)でしょ?こっちはもっと大人っぽいというか。ですからモダン・ポップには違いないんですが、ちょっと傾向が違う気がしますね。まぁ何にしろ、いいアルバムです。オススメ。
- ダフト・パンク 『ディスカバリー』 ('01)
CD \2,548
・・・NASA的な先行シングル「ワン・モア・タイム」がカッコ良かったので期待していた2nd。巷では思った以上にウケてるみたいで、宣伝にもかなりお金をかけてるみたいですね。1stを最初に聴いたときは日本でここまでメジャーな存在になるとは予想してませんでしたわよ。スバラシイこってす。んで本作ですが。「ワン・モア・タイム」はユニオンだのメガストアだの色んなトコでかかりまくってたので耳タコ状態でしたが、その後に続けてかかったB「デジタル・ラブ」とC「仕事は終わらない」の方にシビれちゃいました。Bは希音さんも指摘してましたがモロにバグルズ風胸キュンポップ。Cはクラフトワーク風ロボット・ボイス(実際は同じではないようですが)を、やりすぎってくらいフィーチャーしたエレクトロ・ファンク。こりゃスゲェ。ELEKTRIC
MUSICの「OVERDRIVE」を思い出す。このCが店内で流れたとき、普段テクノなんて聴かないであろう一般のオジサン(白髪)が、CDを探す動きを止めて「(・・・なんなんだこれは・・・)」という表情をしたのが忘れられません。たとえばヘビメタやハード・ロックを聴いて眉間にシワを寄せるオジサン、という光景はよく見ます(それは当然ヘビメタ等に対して免疫があるからですわね)が、あのオジサンは「未知のモノに対するリアクションの仕方が分からない」という感じがして非常におかしかったと同時に新鮮でした。あと、他にも80's的エレクトロ、ディスコ、ファンクなどがテンコ盛り。Eはなぜか10cc「アイム・ノット・イン・ラブ」のインスト版という趣き。で、これは「ミュージック・マガジン」で小野島大氏が指摘してたことなんですが、ダフトの二人は、年齢から察するとその辺のエレクトロ系などはリアル・タイムで経験はしてないのではないか、と言うんですね。それを考えると更にオモシロイわけで、同時期に卓球が「stereo
nights」含む新作アルバムでエレクトロ的なことをやっておりますけども、卓球はもちろんバリバリにリアル・タイムでテクノやエレクトロの洗礼を受けたクチですが、方やダフトはおそらく1st発表後にその辺の音楽を更に色々と追体験で聴きまくって本作を作った、と推測されると小野島氏は言ってるワケです。それがタイトル(=発見)に繋がってるのだろう、というのですよ。スゴイですね〜深いですね〜なるほどですね〜。
- ダーリン&ストリート 『ポシブル・ドリーム』 ('75/'01)
CD \1,800
・・・「CDジャーナル」2001年3月号の105ページ、“ヴァンガードの時代が来た!”を読んでいて、下の方に載ってるジャケを見て「あ、これ『モンド・ミュージック2』で見たことあるな」と思って気になってたのがコレ。「モンド2」の200ページ、“デュオ”の項で紹介されていたレコがCD化されたのです。男女デュオによるアルバムで、まったくどういう人たちなのか分かりませんが、なんとなく気になって買ったところ、これがまたモロにロジャニコ系ソフト・ロックで実に素晴らしい!
特に声がそっくり。サウンドはアコギがメインでシンプルなモノですが、曲もいいし、意外なめっけもんでした。D「ダスト・オフ・ザ・ムーン」が一番好き。シブイ。G「朝のようなあなた」はシンプルな曲ですが意外なコードがポロッと飛び出す佳曲。全10曲で27分ちょっとしかないですが、すごく気持ち良い1枚。同時発売でエリック・ダーリンのソロもあるので、そちらもゼヒ聴いてみたいです。
続いて4Fのプログレ・フロアに行くものの収穫ナシ。ふだんは野郎ばかりのプログレ・フロアに、最近はたまにきゃわいいオナゴがいたりするものなのね(今日も一人いた)。良い傾向である。で、7Fへ。
- アンドリュー・カザン&トーマス・シェパード
『スイッチト・オン・ボレロ』 ('7?)
LP \1,890
・・・「電子音楽イン・ジャパン」の181ページにも載っているムーグもの。実はこれは帯ナシのは持ってたんですが、帯付きだったので買い直し。ですが、家に帰って前のレコと比べたら、前の(SOCL
206)は裏ジャケがライナーになってて、今回買ったのは見開きジャケで、内側に同じライナーが載ってました。定価は前のが\2,200、今回のが\2,300でした。どっちが再発なんでしょう。ともかく。内容は、A面がシャブリエ「エスパーニャ」、レクオーナ「マラゲーニャ」、ビゼー「カルメン」を収録、B面にラヴェルの「ボレロ」を収録。A面は「カルメン」が面白い。ペリキンの「バロック・ホーダウン」を思い出しますね、どーしても。B面「ボレロ」はどうも盛り上がりに欠ける。「ボレロ」は死ぬほど好きな曲なので、クラシック通の人に「このボレロがオススメ!」というのを教えて欲しい。いやマジで。ちなみに、僕が聴いた中ではショルティのよりバーンスタインの方が良かったです。やっぱラストは大仰に盛り上がる方がいいよね〜この曲は。このムーグのはラストもショボい。歓声入れたりしてるけど。
- ライアー 『ヒップに一撃/ライアー・デビュー!』 ('77)
LP \1,680
・・・これは探してました。ニッチものです。新人バンドかなと思ってたら、なんとドラムが元エッグ〜グラウンドホッグスのクライヴ・ブルックスだというんだからオドロキ。他にもピアノで元フリーのラビットが参加していたりと、結構豪華。しかしヴォーカルはオーディションで見つけたというんだから、多分年齢なんかみんなバラバラなんでしょうね。ベースのデイヴ・テイラーという人はこの後ブライアン・アダムスの多くのアルバムに参加することになりますし(-_-;)、ホントに各メンバーの嗜好がバラバラだということがよく分かります。音は基本的には70'sハード・ロックとパワー・ポップの中間という感じ。ADなんかは反してアコースティックでメロディアスな曲で、分厚いハモリが気持ちいい佳曲。
最後は「ヴァージン・メガストア新宿店」。
- オーブ 『サイドニア』 ('01) CD
\2,547
・・・3年ぶりのアルバム。一時期CD Journalなんかにリリース日までちゃんと載ったのに、それから1年以上も待たされてしまった。その間、この新作に関してはあまりいい噂を聞きませんでした。「ヴォーカル曲も増え、ポップなアルバムに」という・・・。そういうこともあって、聴く前はかなり警戒していたものです。正直あまり期待していませんでした。で、聴いた後の感想としては、“ものすごくポップ”でもないし、今までのオーブっぽさもあるもののそれほど過激or新鮮でもない。よって印象薄、というところでしょうか。ヴォーカル曲に関しては、特に@なんか正直「ずいぶんポップだなぁ」という風に思いましたけど。シングル・ヒットを狙ってるんでしょーか。でも、個人的には前作『オーブリヴィオン』も結構「ポップになったなぁ」という印象があったので、前作と続いてる感じはありますね。でも、やはり初期のアルバムや『ポム・フリッツ』、『オルヴス・テラールム』あたりの濃厚な感じのアルバムを作って欲しいですなぁ。・・もっとキメなきゃダメってことか?(^_^)。ローデリウスとユニットをやるそうなので、そちらに期待したいところ。
- マウス・オン・マーズ 『イディオロギー』 ('01)
CD \2,447
・・・意外と早く出た新作。前の『二ウン・ニグン』がかなり良かったので今回はどうかな〜、とチョト不安だったのですが、なんのなんの(南野陽子)。これまたかなり良いです。雑誌等ではあまりいい評価しているのを見ませんが、んなこたぁないよ(コージー)。確かに前作の方がなんとなくカラフルなイメージがありましたけど(ジャケから来るイメージもあるわね)、生楽器を増やして色々なタイプの曲をやってます。ドド・ニキシという準メンバーと言ってもいい黒人ドラマーが歌う@やBなんか、すごくいいです。@はシングルにもなった曲で、エイフェックス・ツインぽいギギガガ電子ビートに、ピッチをあげた病的ヴォーカルが乗る変態テクノ。こりゃスゲイ。Bのヴォーカルは生声で、まるでロバート・ワイアットのようです。他、従来のMOMらしい電子音楽モノも、E(マシン・ボイスがクラフトワーク的なスカ・ビートのテクノ)、F(スクエアプッシャーを思わす高速テクノ)などなど。で、こないだドドも連れて来日し、ライヴを行ったようですが、編成がキーボード、ベース、ドラムだったそうで、朝日新聞に載っていた高橋健太郎氏の評は「真っ先に思い出したのは初期のYMO」だとか。・・・ライヴ盤、出すように(命令)。
<03/16/01 (金)>
11日にCD NOWにオーダーしたCDが到着。
- 村上“ポンタ”秀一・渡辺 香津美・松武 秀樹
etc. 『エンジェル・ダスト』 ('78/'96)
CD \2,725
・・・「電子音楽イン・ジャパン」HPで知ったCD。これは、本の方の316ページに載ってる『ライブ・スペース・ファンタジー』全曲と、そのモトである企画アルバム『スペース・ファンタジー』からカヴァー曲を除いた3曲を追加収録した編集CDなのです。詳しいことは本に載っている通り、アレンジャーの乾裕樹と松武秀樹氏が作った企画盤を再現したライヴ盤で、「スター・ウォーズ」、「火の鳥」、「2001年宇宙の旅」などを、“どフュージョン”なアレンジでやっています。メンバーは前述の2人の他、村上ポンタ秀一、深町純、渡辺香津美などなど。追加収録されているスタジオ録音曲の方には、カシオペアとしてデビューする前の野呂一生がいたりします。'78年5月のライヴなので、YMO以前に松武氏と香津美氏が共演していたというのにはちょっとオドロキ。ま、“どフュージョン”なんですけどね(^_^)。乾裕樹のオリジナル曲「ザ・スカードロン(飛行中隊)」は、どっかで聴いたことある曲。天気予報とか交通情報のBGMで使われてたのかも。それにしても、'96年発売のCDだから「どうせ廃盤だろうな〜」と思いつつ注文したんですが、まさか買えるとはね。
<03/18/01 (日)>
「ディスクユニオン北浦和店」にて。
- ジェントル・ジャイアント 『ジェントル・ジャイアント』 ('70)
CD \2,141
・・・「ストレンジ・デイズ」の表紙にもなった、ハゲおやじジャケ(クリムゾンの1stを意識してるよな)の1st。これは以前出たCD(フォノグラムからだったっけ?)は持ってたんですが、リマスターされたということで買い直し。前のは音がショボかったからねー。ですが、リマスターされたとは言え、いまいちドラムに重厚感がないように思えますが・・・。中域高域の方が強調されてるような気がするのは僕チンだけでしょうか。で、このアルバムなんですが、う〜む・・・。後の『フリー・ハンド』(名盤!)とかに比べるとちょっと、演奏にハリがない気がしますですなぁ。逆にGGのオハコ的な変拍子モノとかより、AやCみたいな、ストリングスをフィーチャーしたブリティッシュ・ポップ的な穏やかな曲調の方がいいですね。あと、このアルバムに限らないんですがこのバンド、ヴォーカルのダミ声がいつまで経っても馴染めないんですけど。静かな曲だと気にならないんですけど。じゃあ聴くなって言われたら終わりですけど。
- PETE NAMLOOK & RICHIE HAWTIN 『FROM WITHIN
3』 ('97) CD \1,050
・・・久々に買いました。ピート・ナムルックもの。これはリッチー・ホウティンとの共作、第3弾。リッチー・ホウティンだからと言っても、別にアシッドばきばきでも、CONCEPTシリーズのような音でもありません。ピート・ナムルック色の方が強い、スペイシーなアンビエント・アルバムです。アーティフィシャル・インテリジェンスっぽい音もアリ。ギターの入る曲もあって、けっこう意外な感じも。で、このCD、実際は12曲入ってるんですがなぜかトラック数がなんと91まであります。12曲目(重たい鉄の扉を開け閉めしてるような、ドンガン言ってるだけの曲)が終わった後、ほぼ3秒ごとに1トラック1トラック進んでいき(ジッと見てるとちょっとコワイ)、91トラック目になって♪ヤ〜ヤンヤヤ〜ヤ♪とガキンチョどもの歌声が響いて終わり。なんなんだこれ。ま、FAXレーベルものではよくやるパターン。たしか前のリッチー・ホウティンとの共作も同じようなことしてた。
- MOEBIUS 『TONSPUREN』 ('83) CD
\1,155
・・・クラスターのモービウスのソロ。これはLPでは持ってるのですが、CDはまだ持ってなかったので買いました。内容は、特に書くまでもなくいつもの調子(^_^)。質感としてはクラスターの『クリオズム』や『ツッカーツァイト』、BEERBOHMという人との共作『STRANGE
MUSIC』あたりに近い感じの曲があったりします。ほのぼの電子系から、フギャフギャ・ノイジー電子系まで様々。曲によってはちょっとレジデンツがよぎる瞬間も。ホントにこの人の考えてることはワカラン。やっぱり、ローデリウスも嫌いじゃないけど、どっちかと言うとこっちかな。まぁしかし、こういう曲がアメリカのラジオなんかでは、いわゆるクラブ系のテクノと一緒になってかかりまくってるというんだから、なにをかいわんやです。
- イエロー・マジック・オーケストラ 『パブリック・プレッシャー』 ('80)
LP \945
・・・実はこれ、僕が買った小3当時('80年半ば)、すでに赤い帯の黒盤だったのです。ですので、今更ですがカラー盤(無色透明)が見つかったので買い直し。店によっては値札に「初回カラー盤!」「レコードはカウンターの方にあります」とか書かれていて高かったりするんですけど、今回は安かったので。ま、高けりゃ買おうとは思わないですけどね、別に。
- フィクス 『リアクト』 ('87) LP
\105
・・・新曲4曲と、ライヴ6曲を収録した変則的なアルバム。新曲の方はプロデューサーがルパート・ハインからヒュー・パジャムに交替しており、ハイン特有のサウンドが聴けなく残念。曲そのものはいつものフィクスの感じなんですが、ルパート・ハインがやってたらもっと色々凝ったことやるだろうな〜と思わせる、ちょっとバンド・サウンド重視の音。ですがACなんかはワン・コードでぐいぐい引っ張る、実にカッコイイ曲。やはりいいバンドです。後半のライヴは「セイヴド・バイ・ゼロ」、「アーウィ・アーウィ」、「ワン・シング・リーズ・トゥ・アナザー」などヒット曲目白押し。「セイヴド〜」は、やはりスタジオ・ヴァージョンの凝ったアレンジの方がいいかな。「アーウィ〜」なんかはライヴでもカッコイイと思いますが。ま〜しかし、ソツなく上手いバンドだと思いますけど、アルバムとしては何とも中途半端。ライヴなら最初から最後まで全編ライヴがいいし・・・。ヒュー・パジャムと対立して制作を途中で放棄したのか?それともただ単にシングル曲にライヴを加えた編集盤なのか?リリース意図がよく分からないアルバムだし、コアなファン意外は手を出さないと思いますが(・・・ということは僕はコア?)
- VICIOUS PINK 「FETISH (Extended Version)」 ('85) \210
・・・トニー・マンスフィールドのプロデュースによるシングル。この二人組は他にも「CCCCAN'T
YOU SEE」等トニマン絡みのシングルをリリースしていました。ジャケの、2人のなんとなくゴスな衣装からして“ヤバイかも”と思ってたんですが、まぁゴスとは言えないまでも、音は初期FRONT242をもっとエレポップ寄りにしたような、プレ・ボディ的な音で、トニマン的なキラキラ・シンセ・ポップとは程遠い。一応トニマンがプロデュースなんですが、これはリミキサーのJohn
Tokes Potokerのシワザかも。B面の「SPOOKY」の方がかろうじてトニマンらしいと言えなくもないエレポップ。
- VICIOUS PINK 「JE T'AIME (MOI NON PLUS)」
('8?) \315
・・・で、こっちはVICIOUS PINK PHENOMENA言って、VICIOUS
PINKの前身にあたるそうです。曲はセルジュ・ゲンズブールの同名曲のカヴァー。手作り感の強いほのぼのB級テクノ・ポップ。よい感じです。プロデュースはDAVID
BALL。ソフト・セルの人ですね。B面「IN THE
SWIM」はオリジナルで、プロデュースは同じくDAVID
BALL。個人的にはこっちの方が好き。モコモコした16分のシンセ・ベースがイカす、カッコいいB級テクノです。ギターもいいアクセントになってる。車のCMとかに使ったらけっこうハマるかも。
<03/20/01 (火)>
今日は休日出勤の予定だったのですが、前日になって「やっぱ休み」ですと。ぃやっほ〜い♪
したらばもちろんレコハンです。前日に「ドコに行こうかいね〜」と色々考えて、今日は御茶ノ水方面へ。まず「ディスクユニオンお茶の水3号店」の4Fへ。
- WIZZARD 『INTRODUCING EDDY AND THE FALCONS』
('74/'99) CD \1,260
・・・ロイ・ウッドのロックン・ロール・バンド、ウィザードの2nd。架空のバンド“エディ・アンド・ザ・ファルコンズ”に扮したというややこしい設定のアルバムで、みんな「(どっかで聴いたような・・・)」という曲調が次々に出てきます。プレスリー風、ビーチ・ボーイズ風、「ロールオーヴァー・ベートーヴェン」風ロックンロールなど様々。ボーナス・トラックとしてシングル曲など5曲を追加収録。『マスタード』のCDにも追加収録されていた「ロックン・ロール・ウインター」は、そのダンゴっぽい音質が迫力。あと、「Nixture」という、シングル「This
is the Story of My Love (Baby」のB面だったインストが追加収録されているんですが、これが掘り出し物で、ライナーには“ラロ・シフリン的なインスト”とか書かれているようですが、ジャズ・ロック的な出だしから一転、サビ前ではハープがポロロロン♪と響き、フルートによるサビメロは、まるでお花畑にいるかのようなドリーミー(^_^)な曲展開で思わずウットリしまくり島倉千代子(だ、ダジャレ・・・)。ロイ・ウッドってこんな曲も書けるのか〜。ゴイスですなぁ。・・小西さんとか絶対好きだと思う、こーゆーの(^_^)。MARQUEEのレディメイド・ルームで誰か取り上げてたら「うわ、ヤバイ。欲しい」とか言ったと思うゼッタイ(既に持ってるかも)。ちょっとハマってリピート再生しちゃっただよ。これだけのためにでも買うべし。
- CAN 『OUT OF REACH』 ('78/'99)
CD \1,260
・・・なんだかYMOの『BGM』を思わせる色合いのジャケでございます。これはメンバー自身も駄作と認めたアルバムで、ホルガー・シューカイは不参加。このアルバムはメンバーが正式CD化を認めなかったらしく、他のアルバムとは別の、あまり聞いたことのないTKO
MAGNUMというレーベルからリリースされたもの。で、聴いてみたらこれがアナログ起こしでやんのよ〜。ノイズがパチパチ言っとりますがな。ま、内容としてはそんなに駄作駄作、というほどでもないものの、聴いたあとの印象は薄い。演奏自体は熱いもののなんだかね〜。元トラフィックの黒人メンバー、ロスコー・ジーの単独作が2曲もあって、これがホントにカンの曲?と思う瞬間も。
続いて「ディスクユニオンお茶の水中古センター」へ。大漁。
- モデル500 『クラシックス』 ('93/'95)
CD \1,050
・・・ホアン・アトキンスの、'85〜'90年の12インチ・シングルを編集した初期ベスト。何曲かはリミックスされています。好きな曲は「NO
UFO'S」と「NIGHT DRIVE」、それと「TECHNO
MUSIC」かな。「NIGHT〜」はモロにクラフトワークな電子ヴォイスによるテクノ。「TECHNO
MUSIC」というモロなタイトルのこの曲は、リエゾン・ダンジュルーズをサンプリングしているカッコイイ曲。ですが、ここに収録されているのは未発表だったヴァージョン。個人的には、オムニバス『TECHNO!THE
NEW DANCE SOUND OF DETROIT』に収録されていたヴァージョンの方が全然カッコ良くて好き。
- ローデリウス 『セルフポートレイトZ 風の向くまま』 ('99)
CD \1,470
・・・ローデリウスはたくさんアルバム出してますが、『アクアレロ』とかみたいに、ゲスト呼んだりしてムーディなサックスを入れたりするよりは、本作「セルフポートレート」シリーズ」のように、ひとりでシンセとかで作ったりしたアルバムの方が全然いい。個人的に『アクアレロ』あたりはホント通して聴くのがきつかったんですが、本作はかつてのローデリウスの感じで、ボーッと聴き流すには最適。Fは「ジムノペディ」的なリフをベースにした曲。なごむ。ラストのGは、メロドラマに使われそうなピアノ曲。これ、かなり演奏ウマイけど、ホントに本人が弾いてんのかな。こんなにピアノ上手かったっけ、この人。ラストにはメロディーに口笛が被さって、ハードボイルドな雰囲気が加わる。アルバムの締めとしてはカッコ良すぎなのでは。
- リップ・リグ&パニック 『アティテュード』 ('83)
LP \2,520
・・・YMO世代の僕チンにとっては、スネークマン・ショー2nd収録曲が印象深いバンド。元ザ・ポップ・グループのメンバーや、後にソロで成功するネネ・チェリーらがいたと。ネネが『ロウ・ライク・スシ』で話題になった頃は、リップ・リグにいたなんて知りませんでしたから、不勉強だったというこってす。で、あのスネークマン・ショーでの曲しか聴いたことがなかったので、いまいちどんなバンドだか正体不明な感はあったのですが、このアルバム1枚通して聴いても、イマイチよく分からんバンドですなぇ。ファンクを基調に、ソウルやらパンクやらジャズをまぶしたようなゴッタ煮ファンク。と同時に、モロにフリー・ジャズな曲も何曲かありますね。ネネとかアンドリア・オリバーっつーヴォーカリストがいながらも、インストも多い。当時はこういう音が“イケてる”と、もてはやされたワケですね。今でも別に古くなってる気はしないですけど(当時リアルタイムで聴いてた人はどうだか)。
- THE FLYING LIZARDS 「SEX MACHINE」
('84) 12" \1,260
・・・アルバム『TOP TEN』からのファースト・シングル。ジェームス・ブラウンの同曲をフヌケにカヴァーしています。A@はExtended
Version。AAは「MACHINE SEX」というタイトルで、いわゆるリミックス・テイク。で、このシングルを買った目的は実はB面にあるのです。「電子音楽イン・ジャパン」のフライング・リザーズ特集のページで、田中雄二氏が「B面の「FRESH & STEEL」って、坂本龍一が再生YMOに書いた「CHANGE」の元ネタですな」と書いていたので、ずっと気になっていたのです(「CHANCE」ではなく「CHANGE」と書いているのも気になったが)。「何?あれって元ネタなんてあったの?元ネタはYMOの昔の曲じゃないの」とか思ってたんですが。で、聴いてみたんですが、・・・まぁ似てると言えば似てる、という感じですかな〜。これ聴いてよく「CHANCE」なんか浮かんだなぁ、と思いますけど・・(いや、僕は田中さんのファンですから。揶揄してるわけぢゃないですのよ)。男性ヴォイスのサンプリングとかは近いですね。
- RUSS BALLARD 『RUSS BALLARD』 ('84)
LP \105
・・・元アージェントのラス・バラードの'84年のアルバム。この人の'80年代の作品にはどうも手が出ませんが、安かったので買ってみました。う〜む。アメリカン・ハード・ロックのかほり。ぼんじょびとかを好いとるヤカラにも抵抗ない音でんな。相変わらずジャケはセンス・ゼロです。
- ANTHONY PHILLIPS 『1984』 ('81)
LP \420
・・・初期ジェネシスのギタリスト。僕はこの人に関しては特にマニアではありませんが、多作な人に弱いため、ちょっと気になる存在ではあります。で、これは昔からユニオンでは輸入LPを捨て値で売ってるのはよく見かけたんですが、全然買う気になれなかったんですね(ジェネシスでさえ数枚しか聴いたことがない)。ですが、「ストレンジ・デイズ」の2000年5月号にこの人の特集があって、そこで本作を「テクノ的(?)なアプローチを見せた一枚」と書かれていたのを読んで、「お〜、あの捨て値のレコか〜。今度見っけたら買うべ〜」と思ってたらアッサリ発見。しかも案の定捨て値。で、聴いてみたんですが、'81年発表というわりにはちょっと古い感じのシンセサイザー・ミュージックですね。シーケンサー使ってんのかと思ったら実は手弾きのところがあって、それがまたリズムとズレまくってる。打ち込みゃいいのに。ちなみにリズム・ボックスはローランドのCR
78。クラシカルというか映画音楽的な曲調が得意のようです。B面ではシンセの音色のせいなのか、LOGIC
SYSTEMの『東方快車』あたりを思わせる箇所も。嫌いではないし悪いとは思いませんが、まぁそんなに何回も聴くことはないかな、というところですかな。
- O.R.A.V.s、DEUTSCHLAND TERZETT 『O.R.A.V.s、DEUTSCHLAND
TERZETT』 ('?) LP \2,940
・・・ZICK ZACKレーベルからリリースされたアルバム。キャプテン・トリップの小柳さんのホームページにて紹介されていたのを見て知ったモノです。A面はO.R.A.V.sというバンドで、スタジオ録音。フォーク・ロックというか何と言うか。でもドイツな感じ。なぜか「禁じられた遊び」を歌詞付きでやってたり、どこまで本気でやってんだか。で、B面がドイッチュランド・テルツェットというバンドで、'77年のライヴ録音とのこと。で、メンバーはDAFのガビ・デルガド、ディー・クルップスのユルゲン・エングラー、ミッタークスパウゼのペーター・ハインとマルクス・エーレン(ペーターはフェールファーベンにも在籍)という4人。ゲゲッ、こんな音源あったの!というより、ガビとユルゲンて一緒にバンドやってたの!とひとまず驚き、「どんなすごい音だろう・・・。パンクっぽいのか?またはドンガンドンガンっちゅー感じのメタリックなもんか?」と期待して聴いたら、・・・なんじゃこれは(+_+;)。ほとんど学祭バンドの余興といった感じ。どこからどこまでが1曲なのか分からないうちに拍手がパラパラと。演奏中も客の喋りは聞こえるし、曲も途中で止まって何か喋ったり笑ったり、実にテキトー。で、ラストもなんだか音がヨレヨレッてしてきたなと思ったら、いきなり曲の途中でカットアウト。これ、録音してる途中でカセット・テープがなくなっちゃったんでしょう(T_T)。そうとしか思えん。実にテキトー。リリースする方もする方だが、買う方も買う方だ、っちゅーこって(ドンドン♪)。ま、人に歴史あり。重箱の隅、ってやつです。
- PRINCIPAL EDWARDS 『ROUND ONE』 ('74)
LP \1,995
・・・「ストレンジ・デイズ」2001年1月号、78ページ参照。このバンドは、“プリンシパル・エドワーズ・マジック・シアター”というバンド名で'69年にデビューし、2枚のアルバムをリリース。ダンサーやスライド・ショーなども取り入れたサイケなライヴをやってたそうです。本作はバンド名を短くして再スタートしたアルバムで、当時のメンバーは3人のみとなった6人編成(ギーボードは女性)。サイケなバンドだったとは思えない、いかにも'70年代ブリティッシュな音で、和みます。ただ、ときどき変拍子になったり妙な展開があったりして面白い。リコーダーが印象的なAB「Milk&Honeyland」はすごくイギリス的な、翳りのあるサウンドの名曲。B面ラストは、サイケでプログレな組曲形式の大作でシメます。“マジック・シアター”での2作同様、プロデュースはピンク・フロイドのニック・メイスンが担当。
- MARI WILSON 「BABY IT'S TRUE」 ('82)
12" \756
・・・コンパクト・オーガニゼイションからリリースされた12インチで、トニマンのクレジットはない、バンド演奏による曲。プロデュースはCompact
Organisationとなっています。A面は、かなりイントロが長い。曲自体はいいんですが、アレンジにもうひと工夫ほしい。やっぱりトニマンあってこその人なのでしょう。B@「You
Look So Good」もいい曲には違いないんですが、演奏がかなりヨレ気味で聴いてて落ち着かない。ドラムが遅れたり走ったり。もっとビシッとせい。バンドが良くない。BAはA面のオリジナル・ヴァージョン。シングル・ヴァージョンかな。A面もそうなんですけど、ベースの、シンコペ・リフがかなり耳障り。アレンジャーしては「ここが売りなの!」と言いたいのかもしれないが。執拗に繰り返すからどうも気になっちゃってね〜。
- MARI WILSON 「LET'S MAKE THIS LAST」
('84) 12" \672
・・・こちらはトニマンのプロデュース。アルバムには未収録の曲です。一応トニマンなんですが、それほどトニマン特有のキラキラ感は強くないかな〜。いやでもFGTHの「リラックス」を思い出さずにはいられないベース音を前面に押し出した、全体的にシンプルなアレンジの曲。でも疾走感のある曲調。全体としては「リラックス」よりも「トゥー・トライブス」に近い。全体のテンポ感とか、かなり近い。ホントよく似てる。評論家風に聴き手を煽って言えば、曲自体は「ドラムン・ベースを予見していたような」、という言い方も出来る(鵜呑みにしないでチョ)。B面はリミックス・ヴァージョン2タイプ収録。リミックスするとますますFGTH。う〜ん、トニマンもトレヴァーの音には影響されたか。
- GIORGIO & CHRIS 『LOVE'S IN YOU, LOVE'S
IN ME』 ('78) LP \525
・・・ジョルジオ・モロダーがクリス・ベネットという女性ヴォーカリストと組んで制作したアルバム。このクリスという人は、モロダーとピート・ベロッテ(本作にも参加)のユニット、MUNICH
MACHINEやモロダー絡みのサントラ盤『ミッドナイト・エクスプレス』や、同じくモロダー絡みとしてスパークスの『No.1
IN HEAVEN』にも参加していた人物。意外なところでは'80年代末期に、日本発、海外ヒットを目指したユーロビート系少女歌手、HIROKOのアルバムにも参加していたという実績アリ(^_^)。で、このアルバムは『相対性理論考』の1年前ということで、サウンドの節々にその萌芽が感じられる部分はあるにはあるものの、まぁポップス・アルバムですね。ディスコ色もテクノ色もそんなに強くないです。一応ヴォコーダーやシンベは使用してますけど。曲間ナシのノンストップ構成というのはいつもの通りで笑っちまいましたが。
- KUKL 『HOLIDAYS IN EUROPE』 ('85)
\3,360
・・・ビョークがいた、シュガーキューブスの前身バンド。アイナーもいます。なので、2人で歌ったりすると「シュガーキューブスと変わらんではないか」と言いたくなる曲もあります。聴く前はもっとパンクっぽいのでは、と勝手に想像していたんですが、オルタナ系ですかな。コラージュっぽいのやら実験的なのやら、ライヴ映えしそうもない曲が入ってるのは意外。ビョークの歌い方は、この頃から全然変わってないのね。
- CAMOUFLAGE 「THE FREAT COMMANDMENT」
('88) 12" \84
・・・「テクノのススメ」の152ページにも載っていた、デペッシュ・フォロワーのシングル。いや〜、これは似過ぎてるわ。だめだよ〜こんなことやってちゃ。『ミュージック・フォー・ザ・マスィズ』あたりに入ってても何の違和感もない曲調。ヴォーカルまでソックリだし。いかにもマーティン・ゴアが書きそうな哀愁のヨーロッパ的メロディー・ラインもソックリ。まったく、よくやりますな。レコーディングの途中でイヤになったりしないのでしょうか。しかし、デペッシュ・フォロワーってかなりの数いるみたいですが、これはかなり上位に喰い込む「似て蝶」度ではなかろかと思われます。12インチですが33回転、タイトル曲5ヴァージョン(どれも大差なし)と、暗いインスト1曲を収録。
- タンジェリン・ドリーム 『サイクロン』 ('78)
LP \1,050
・・・これは以前CDで持ってたんですが、聴いてすぐ「なんだこれは!怒!」と思い、すぐに売ってしまったのです(今思えばヴァージン・ジャパンの国内盤・・・もったいないことをした)。いまだにタンジェリンの長い歴史の中で、異色作としてポッカリ浮いてるヴォーカル・アルバム。久々に聴き返したらまぁまぁ聴けました。でも、A@とかモロにフロイドですなぁ。全体的な曲構成も「エコーズ」そのもの。中間のインスト・パートの方が全然良いです。AAは5分程度の歌モノ。こっちの方が出来としてはいい方かな。B面はいつも通りの長尺インストでお茶を濁しています(B面もヴォーカルものに徹底したらよかったのに)。途中の、フローゼが弾いてると思われるギターがかなりいい。意外。