FILMS
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は赤城忠治氏を中心に79年に結成される。母体としてVAT 69というバンドがあったらしい。VAT 69VOICE(水族館レーベルのVOICEとは同名異バンド)に在籍した橋本忠夫氏のお兄さん(たぶん橋本優治)が、日大芸術部でそこにいた赤城忠治氏と後藤信夫氏等と結成したバンド。KISSよりも早くからステージで火を吹いていたそうです。下記のメンバーが唯一のアルバム『MISPRINT』にクレジットされているが、メンバーは大所帯且つかなり流動的でAチーム・Bチームの様な構成があったらしい。その後、セカンド・アルバムを\ENレーベルからリリースする予定であったが、残念ながら日の目を見る事はなかった。\EN BOX VOL.2のブックレットに新FILMSのメンバーの写真がある。86年のPOP IND'Sの別冊のCHARTという雑誌には赤城氏以外は新加入のメンバーで構成されている。あと、遊佐未森嬢のプロデューサーとして知られる外間隆史氏と東京ブラボーの坂本ミツワ嬢もFILMSもメンバーであった。

初期:「MISPRINT」クレジット
(80年頃)
中期:\ENレーベル時代
(82年頃)
後期
(86〜88年頃)
赤城忠治 (Vo, G, Per)
岩崎工 (Syn, Key, Strings)
本間柑治 (Syn)
後藤信夫 (Syn, Key, Strings)
橋本忠夫 (G)
中原信雄 (B)
久下恵生 (Dr)
木内アキ (Vo, Scream, Dance)
小島洋子 (Vo, Dance)
赤城忠治 (Vo)
後藤信夫 (Syn, Key, Strings)
中原信雄 (B)
鈴木智文 (G)
ブラボー小松 (G)
鈴木さえ子 (Dr)
赤城忠治 (Vo)
平賀淳一 (B)
出村克明 (Per)
根津洋志 (G)
米田克哉 (Key)
渡辺達也 (Key)
友田真吾 (Dr)
橋本幸男 (Mix)
他のメンバー⇒外間隆史坂本ミツワ

FILMSの作品

FILMS/シングル「T.V. Phone Age」c/w 「Crash Kids」80年 Nippon Columbia (SP)
アルバム先駆けて発売された記念すべきシングル。ジャケはアルバムとほぼ同じ。「T.V. Phone Age」はプロモ・ヴィデオもあり。「ラジオスターの悲劇」と並ぶヒットチャートを駆け上がるべきだった名曲。




FILMS/アルバム『MISPRINT』80年 Nippon Columbia (LP/CD) 2000年 P-Vine (CD)
01. Welcome To Future
02. 30th Century Boy
03. Dream Of Computer
04. Glad I'm Not Left Alone
05. Crash Kids
06. T.V. Phone Age
07. Take Me On The Linear Jet
08. Radio Zone
09. Remote Controlled Romance
10. Fine?
11. Girl (bonus track)
(全曲の作曲・編曲:赤城忠治)
テクノポップ全盛の80年11月25日に発売。酸素ボンベのようなマスクをした8人の近未来的なジャケット。僕はジャケットから入りました。曲のタイトルも限り無く近未来的である。歴史に残るべき悲哀感ただよう近未来的、いや超未来的コンセプト・アルバムである。

(尾子洋一郎氏からの追加情報を基に作成)「ミスプリント」のジャケは、30世紀、将来は酸素マスク無しに人間は生活できなくなる、ということをモチーフにしたものだ赤城氏は発言している。

「Welcome To Future」という一部ヴォコーダーが入ったインストから始まる。ちょっとプログレ入っています。
続く「30th Centry Boy」は、T-REXの「20th Centry Boy」の1000年先。『にぶく輝くTOKYO metropolitan』、『4時間歩行可能な酸素ボンベ』、『海底都市』と近未来的表現がちりばめられる。未来の機械文明の悲哀の中の美しすぎるメロディーを奏でるラヴ・ソング。プロモ・ヴィデオ有り。
「Dream Of Computer」はさらにMr.コンピュータに向けたヴォコーダーが効いたコンピューター・ラヴストーリー映画「Electric Dreams」を先取りした内容。
「Glad I'm Not Left Alone」は全英語歌詞の国連宇宙局のパイロットの死に面した危機的状況を歌う。
続く「Crash Kids」(シングルのB面でもある)は英語歌詞のテクノなロケン・ロール・ナンバー。硝子の割れる音は某ベースキャンプで録音された。
シングル・カットされた「T.V. Phone Age」は『嘘がつけた電話の時代』と歌うテレビ電話がもたらす恋人達の不幸がテーマ。
「Take Me On The Liner Jet」は小島洋子嬢がヴォーカルをとった『今度の日曜日にリニアジェットにのせてね』とせがむ愛らしい彼女の歌。珍しく悲哀感がないストレートな歌詞。
「Radio Zone」はマッカートニー的メロディーの6度目も戦争で死滅した未来社会の無情を歌った曲。
「Remote Controlled Romance」はスーローなラヴソング。
最後はまた「Fine?」というインストで終わる。

『MISPRINT』は90年に加藤賢崇+寿博士両氏のライナー付でEARLY 80'S COLLECTIONのシリーズとしてCD化されたが、長らく廃盤となっていた。ところが、今回『テクノ歌謡DX』シリーズの目玉として見事P-VINEから再発された。ライナーは8-bitsの福田氏。

90年のライナーでは以下のアーティストの影響に言及している。

§THE TUBES⇒トッド・ラングレンがプロデュースした名盤『REMOTE CONTROL』。これも近未来がコンセプト。
§SPARKS⇒ジョルジオ・モロダーがプロデュースした『NO. 1 IN HEAVEN』。少なくともロン・メイルのチョビ髭に赤城氏は影響されたはず。

また、複数の資料・証言を元にすると、他影響を与えたのは、

§BUGGLES⇒これは間違えないですね。『THE AGE OF PLASTICS』は赤城氏も好きだったらしい。いい意味でのプログレ寄りのテクノポップ趣味もこの辺から?
§NEW MUSIK⇒中原信雄氏が「トニマンが好きだ」と言う発言あり。胸キュンです。遊佐未森嬢の『アルヒハレノヒ』のプロデュースも外間隆史氏の趣味?
§T-REX⇒これも分かりやすい。赤城氏が初めに買ったレコードらしい。後にグラム・バンドもやる訳です。他にもSLADEとかMOTT THE HOOPLE(岩崎工氏も後にカヴァー)などのグラム系。
§BILL NELSON⇒元BE-BOP DELUXEのテクノ化した英国モダンポップのCOCTEAU LABEL主宰者。
§ROXY MUSIC⇒グラムとモダンポップの橋渡し的存在。ニューウェイヴの時代でもオールドウェイヴにならなかった。
§SPLIT ENZ⇒お化粧はグラムでパンクだったニュージーランド出身のモダンポップ。ポップ路線が明確に出たCROWED HOUSEでブレイク。
§10cc⇒正統派+実験派の混ざった英国モダンポップ。
§CARS⇒ボストン出身のポップ路線のニューウェイヴ・バンド。モダンポップ的なキャッチーさも魅力。
§DEAF SCHOOL⇒リバプール出身の9人編成の大所帯のモダンポップ・バンド。大所帯路線はこの辺から?

こうして見ていくと、グラムロック〜モダンポップ〜テクノポップの流れが70年代洋楽に詳しい方なら読み取れると思います。そう、FILMSは日本で唯一とも言えるテクノ・モダンポップ系バンドなのです。

FILMS/シングル『GIRL』c/w 『Radio Zone』81年 Nippon Columbia (SP)
FILMSのファンでありながらその存在を知るまで時間がかかった幻のシングル。とてもレアなシングルですが、ブレードランナーFC会長の酒井氏の御好意でお譲り頂き今回、ジャケをここに載せられる事となりました。とても、さりげないジャケです。BUGGLES的未来感は薄くなっているものの、FLANGEがかかったヴォーカルのNEW MUSIK的キャッチーなポップソング。P-VINEからの再発CDに目玉として収録。

FILMS/幻となったセカンドアルバム \EN LABEL

左の写真は\EN BOX VOL.2に何故か掲載されているFILMSの\EN時代の6人のメンバーの写真です。教えてもらったのですが、\ENレーベルで制作されたセカンドは、ドラムしかレコーディングされてないらしいです。「ファインダーの中の雨」、「五月の・・・・」、「スチュートドリーム」の3曲のデモは、存在するそうです。
SCREENメトロファルスのインディーがCD化されたシリーズとして、CINEMAFILMSHALMENSVOICE等の一連のMOONRIDERS関係のバンドの未発表曲のオムニバス化するという話があったらしいですが、実現に至りませんでした。もし現実化していれば、FILMSのセカンドのDEMOが世に出たのに残念です。

FILMSのライヴ
以下のFILMSとしてのライヴが確認されている。(貴重な追加情報は加藤早苗さんより。)

(渋谷屋根裏)80年3月4日

STEADY ROCK FUNCTION VOL. 1(ラフオーレ原宿)80年4月1日
ライブ審査参加バンド:モッズ、ルースターズ、FILMS、VOICE、SKIN、その他

TOKYO DREAMS(ラフォーレ原宿)80年12月19〜21日
出演:FILMS、PIN-UPS、SPY、BUSINESS、チャクラ、IMITATION、EARTHLING、ブラディー・マリー、READY、SKIN

(上馬ガソリンアレイ)81年2月26日
出演:FILMS、VOICE

(渋谷EGG−MAN)81年4月11日

(目黒鹿鳴館)81年4月24日

TOKYO DREAMS II(日比谷野音)81年4月30日
出演:FILMS、PIN-UPS、BUSINESS、チャクラ、IMITATION、ブラディー・マリー、READY、SKIN

(目黒鹿鳴館)81年11月2日

MODERN COLLECTION VOL.1(渋谷PARCO SPACE PART 3)82年5月9日
出演:YMO、SANDII & SUNSETZ、FILMS(アルバム『ONE MORE YMO』より)
FILMSは、オープニングをスクリーンの後ろで演奏を始め「新曲(インスト)」〜「30th Century Boy」〜「Carsh Kids」まで姿を見せずに演奏しました。「Crash Kids」でスクリーンを引き裂いて赤城忠治氏が登場しました。その後新曲を織り交ぜ「T.V. Phone Age」で演奏を終わりメンバーが順番に演奏を投げ出し終了。アンコールの鳴る中バックステージにあったと思われるピアノでインストを奏でて終了です。ちなみにこの日は、観客にデビット・シルビアン(JAPAN)が来ていてSANDIIをナンパしたのは、有名なお話らしい。

(原宿クロコダイル)84年6月30日
(こいと氏撮影)

(渋谷ライブイン)86年2月18日
ライブインのときのパンフレットにはメンバーとして赤城信夫、平賀淳一、出村克明、根津洋志、米田克哉、渡邊達也、友田信吾、橋本幸男となってます。マネージメントはMIDGETがやっていて次のクロコダイルのときは案内の葉書がきました。

(原宿クロコダイル)86年6月2日
クロコダイルのパンフレットは赤城信夫、根津洋志、米田克也、渡邊達也、友田信吾、橋本幸夫の6人です。「ごーぜん3時のヒーロー」と赤城忠治氏の元気な声が聞こえてきました。初期の二回ぐらいはミスプリント中心でしたが、結構新曲というか毎回違う曲でまたパフォーマンスにも凝っていて幻想的な忠治ワールドまっしぐらでした。

(吉祥寺バウスシアター)86年11月21日
(こいと氏撮影)

THE CARNIVAL(吉祥寺バウスシアター)87年10月14〜18日
出演:FILMS、コクシネル、他

THE CARNIVAL(吉祥寺バウスシアター)88年7月14日
出演:FILMS、アーバン・ゲリラ、ナーヴ・カッツェ、D-DAY、LIZARD、他(イヴェント全日程中)

DRIVE TO 2000(新宿LOFT)99年10月29日(Midnight Hours)
出演:FILMS、東京ブラボー、ヒカシュー、捏造と贋作、ヴァージンVS、BLUE MOVEE、宍戸留美、他
トラックリスト:
Welcome To Future
30th Century Boy
Glad I'm Not Left Alone
Dream Of Computer
T.V. Phone Age
Remote Controlled Romance
Crash Kids
?
?
再結成メンバー:
赤城忠治
岩崎工
久下恵生
後藤信夫
中原信雄
ブラボー小松
鈴木智文
鈴木さえ子
さいとうみわこ
深夜1時も過ぎた頃あの伝説のFILMSがDRIVE TO 2000に登場した。そう、僕はFILMSを見るために♪東京メトロポリタン♪までやって来たようなものです。これが、多分最初で最後のFILMSを見れるチャンスなのです。ステージが始まる前に『T.V. PHONE AGE』と『30TH CENTURY BOY』のプロモ・ヴィデオが映像だけ流される。音も聞きかたかった・・・赤城さんとのつながりが強い金髪の手塚眞さんがFILMSのアナウンスをする。そして幕があける。かなり前の方に陣取っていたが、始まるなり立て乗りの集団が熱狂する。赤いシャツを着た赤城さんは当時を再現するSPARKSのロン・メイルのようなちょび髭を着けて登場。でも、途中で外れてしまう。年月が経ったのがウソみたいな赤城さんの声は甘く切なく赤城節である。帽子を被ったとても渋い岩崎さんは、見事にFILMS的テクノな音を再現していた。機器を揃えるのに苦労したのでは。ドラムをたたく鈴木さえ子さんは今も可憐である。東京ブラボーに続いて登場の小松さんはワイルドだ。鈴木智文さん+中原信雄さんと言えば元PORTABLE ROCKでもある。野宮真貴さんも見に来ていたみたいだ。さいとうみわこさんはこの日に備えて酸素マスク(「ミスプリント」ジャケの物とはちょっと違う)を持参して着用。赤城さんに取られかけたらしい。さいとうさん、「私と小松ちゃん以外は40超えてる・・・」との意味の発言。ドラエモンもいるアニメキャラのシャツは三軒茶屋の雑貨屋さんで買ったらしい。時間の経つのは速い。最後は某基地でクラッシュ音を録音した言われる「CRASH KIDS」。さえ子さんはアコーディオンに楽器を替えて、ステージ前方で演奏。少なくとも私にとってはDRIVE TO 2000中最高のステージでした。FILMSの皆さんありがとうございました。これを機会に赤城さんの本格的音楽活動を切に望む次第です。(POP ACADEMY LIVE REPORTより)