Pop Ind's(ポップ・インズ) / IND'S + Chart
「ストレンジ・デイズ」の編集長である岩本氏より「ポップ・インズ」という雑誌が80年代後半に発刊されていました。荒特派員の御協力により、「IND'S」、「POP
IND'S」、「CHART」の各号の目録が今、明らかになりました。凄すぎます!
IND'S
最初は<IND's>という誌名でした。【縦20cm×横12.2cm】
- 創刊号 (表紙 町田町蔵)
町田町蔵、D-DAY、太田螢一、ウィム・メルテン、他
- No.2 '85.Aug (表紙 ゼルダ)
ゼルダ、コクシネル、G-SHMITT、S-KEN、米米クラブ、佐伯健三、他
- No.3 (表紙 ミチロウ)
ミチロウ、原マスミ、ローザ・ルクセンブルグ、くじら、コーマ、マネキン・ノイローゼ、ガスタンク、他
- No.5 (表紙 サンプラザ中野)
爆風スランプ、ラフィン・ノーズ、ガスタンク、ローザ・ルクセンブルグ、パパイヤ・パラノイア、他
- No.6 (表紙 ウイラード)
ウイラード、有頂天、ルースターズ、メトロファルス、エコーズ、リビドー、ミチロウ、ちわきまゆみ、他
次の号から誌名ロゴが変更。表紙写真もカラーに。
- No.7 (表紙 ストリート・スライダーズ)
ストリート・スライダーズ、PANTA、スタークラブ、ゼルダ、ジェフリー・リー・ピアス、他
- No.8 (表紙 ケラ)
有頂天大特集、くじら、鈴木賢司、泯比沙子、D-DAY、キャ→、須山公美子、少年ナイフ、CLAN
他
- No.9 (表紙 ザ・モッズ)
ザ・モッズ、ラフィン・ノーズ、ガスタンク、ルースターズ、アクシデンツ、ゼロスペクター、大江慎也、他
- No.10 (表紙 氷室京介+布袋寅泰)
ボウイ、シオン、泉谷しげる、ミチロウ、スタークラブ、ナーヴ・カッツェ、レピッシュ、他
- No.11 1987 MAR-APR (表紙 忌野清志郎)
忌野清志郎、いまみちともたか、ケラ、ウイラード、どんと、ゼルダ、ブルー・トニック、越美晴、他
- No.12 (表紙 ラフィン・ノーズ)
ラフィン・ノーズ、レッド・ウォリアーズ、ケンヂ&ザ・トリップス、町田町蔵、他
- No.13 1987 JUL-AUG (表紙 PANTA)
PANTA、戸川純、ケラ、大江慎也、佐伯健三+矢野顕子、EXPO、佐野元春、ローザ・ルクセンブルグ、他
- No.14 (表紙 ザ・ブルーハーツ)
ザ・ブルーハーツ、ルースターズ、鈴木慶一+博文、レピッシュ、パーソンズ、パクチク、他
- No.15 (表紙 ハリー+蘭丸)
ストリート・スライダーズ、UP-BEAT、モッズ、ローザ・ルクセンブルグ、ちわきまゆみ、他
- No.16 (表紙 大江慎也)
大江慎也、ヤプーズ、レッド・ウォリアーズ、泉谷しげる、リザード、マッスル・ビート、SION、他
- No.17(表紙 ラフィン・ノーズ)
ラフィン・ノーズ、SION、ウイラード、矢口博康、カーネーション、dip
in the pool、美尾洋乃、他
- No.18 1988 JUN-JUL (表紙 佐野元春)
佐野元春、アンジー、デッド・エンド、BOX、劇団健康、鈴木博文、佐伯健三+山本リンダ、ゴーバンズ、他
- No.19 (表紙 ザ・ブルーハーツ)
ザ・ブルーハーツ、シーナ&ロケット、ARB、白井良明、近藤等則、筋肉少女帯、ジギー、他
次の号から判型が【縦21cm×横14.8cm】に変更。ロゴも変わる。
- No.20 1988 Oct-Nov (表紙 UP-BEAT)
UP-BEAT、手塚真+赤城忠治(2ページ)、URBAN
DANCE (1ページ。成田忍、沖山優司、寺谷誠一という第二期UD)、
フェアチャイルド、高野寛、ブルートニック、他
- No.21 1988-89 Dec-Jan (表紙 アンジー)
東京少年、高野寛、アンジー、泉谷しげる、以下は各1ページ→プラスチックス(再結成ライヴレポート)、タイツ+ライオン・メリー、エヴリシング・プレイ、ヒカシュー、原マスミ、プラチナKIT、有頂天、斎藤美和子、他。
それと、4ページにわたる<JAPANESE NEW WAVE
研究>。ジャケ写付きで、プラスチックス、ビブラトーンズ、ヒカシュー、ハルメンズ、ジューシー・フルーツを紹介。
- No.22 1989 Feb-Mar (表紙 ボ・ガンボス)
ケラ、ボ・ガンボス、SION、ゴーバンズ、グランドファーザーズ、かの香織、レピッシュ、ちわきまゆみ、PANTA、加藤賢崇(着てるシャツがディーヴォ)、他。
特集は<TURN TO THE POP>で、ライダーズ系を中心に、高野寛やBOXなど、『ポップ』な人達を取り上げている。
POP IND'S
そして、<POP・IND'S>へと誌名変更。開きも逆になった(前までは、左から始まって文章も横書き。テッチーなんかも左でしたね。以降は、右開き、つまりストレンジ・デイズと同じ。で、文章も縦書きに)。
- No.23 1989 Apr.-May. (表紙 松尾清憲、杉真理、佐野元春、鈴木慶一、鈴木さえ子)←合成とかアリモノじゃないです。
BOX、佐野元春、フェビアン、クレバー・ラビット(各曲解説付)、PANTA、他。特集
: XTC(シングル・ディスコグラフィー)、ヴィヴィアン・スタンシャル、デフ・スクール(+ソロのディスコグラフィー付)、他
- No.24 1989 Jun.-Jul. (表紙 佐野元春)
佐野元春、東京少年、くじら、鈴木博文、他。
特集 : INDIVISUAL NEW POP! STYLE(安藤秀樹、遊佐未森、小林武史、種ともこ、KAN、原みどり)、サディスティック・ミカ・バンド・ディスコグラフィー(濃い!!)、モンティ・パイソン(映画やレコード)、フェアポート・コンヴェンション(新生フェアポートのインタビューと、濃密なディスコグラフィー)、他
- No.25 1989 Aug.-Sep. (表紙 細野晴臣)
細野晴臣、フェビアン、高野寛、佐野元春、BL.WALTZ、夏木晴美、他。
特集 : BEST POP ALBUM 100洋楽100枚、邦楽100枚をセレクト。洋楽はニッチ・ポップと結構重なる感じ。セイラーや10cc、トッド、バグルズ、スパークス等、いい感じです。ただ、ボブ・ディランやフェイセス、ストーンズなど個人的には全然興味のない人達も。邦楽は、YMO『浮気なぼくら』、一風堂『NORMAL』、P-MODEL『ANOTHER
GAME』、高橋ユキヒロ『サラヴァ!』、ゲルニカやクレヴァー・ラビット、沙羅までと、すごすぎる。この号はかなりお世話になりました。ジャケ写眺めてるだけでも壮観です。
- No.26 1989 Oct.-Nov. (表紙は色んな人達のコラージュ)
鈴木慶一、杉真理、タケカワユキヒデ、メトロファルス、他。
特集 : POP ARTISTS FILE to 90's POP SCENE(30ページにわたって、計36の国内アーティストを紹介。テクノ絡みだと、PSY・S、遊佐未森、メトロファルス、サロン・ミュージック、10、ピチカート、パール兄弟、赤城忠治など。各アーティスト1ページくらいだが、細かい字で濃密に解説)
- No.27 1989 Dec.-1990 Jan. (表紙 山下達郎)
山下達郎ロング・インタビュー、大沢誉志幸、窪田晴男、デイト・オブ・バース、原みどり、和久井光司、ZABADAK、プラチナKIT、10(福原まり)、クレヨン社、他
特集 : JAPANESE POP LABEL (\EN、HYS、エッジ、ノンスタ、モナド、インビテーション)
特集 : POP ARTISTS FILE to 90's POP SCENE
(プラチナKIT、WEBB、浜田理恵、コルネッツ 他)
この号は、やっぱりJAPANESE POP LABEL特集につきます。\ENやノンスタなど、ジャケ写つきで解説してます。ノンスタのジャケはホント美しいですね、どれも。あと、ビクター内のインビテーション・レーベル。すべての作品を紹介してるわけではなく、ニューウェイヴ系を厳選して紹介してます。サディスティックス、ハルメンズ、スパイ、野宮真貴、ノーコメンツ、ピンナップス、クリス、リアル・フィッシュなど、もうたまらんです。かなりニッチなニューウェイヴばかりですね。モノクロではありますが、写真がすごくキレイ。印刷も良いです。これを買った当時は意味もなくず〜っと眺めてましたね。ジャケ写見てるだけでもすごく楽しいんですよね、ホントに。
- No.28 1990 Feb.-Mar. (表紙 鈴木さえ子)
鈴木さえ子、佐野元春、HALO(ハローではなくヘイローと発音するのが正しいとか)、南佳孝、遠藤賢司、シャムロック、他。
特集 : '89 POP MATERIALS OF THE YEAR(岩本氏や和久井氏ら8名が'89年のベスト・アルバム+シングルを選出)
特集2 : POP ARTISTS FILE〜は前回の続き。たった3ページだが、ヒカシューあり。
特集3 : JAPANESE POP LABELは、水族館、メトロトロン、TENT、SHAN-SHAN、MOON
CHILDS。とにかく濃い。
- No.29 1990 Apr.-Jul. (表紙 高橋幸宏)
高橋幸宏、BOX、高野寛、種ともこ、サロン・ミュージック、他。
特集 : POP ARTISTS FILE〜は2ページ。フリッパーズなど。
特集2 : POP LABEL3は、SWITCH 45RPM、SCHOOL、ZaZa、MINT。
次の号から判型が【縦29.8cm×横21.1cm】という大型サイズへ。連載の<COLLECTOR'S
EDITION>は、ヒストリーとディスコグラフィーを紹介。相当勉強になりました。
- Vol.6 No.1 1990 Jul.-Aug (表紙 遊佐未森)
遊佐未森ロング・インタビュー、パール兄弟、ピチカートV、大貫妙子、PSY・S、平沢進、松尾清憲+布袋寅泰対談、他。
特集 : MELODY POP SUMMER OF LOVE '90
連載 : COLLECTOR'S EDITION クリス・スペディングとニッキー・ホプキンス
- Vol.6 No.2 1990 Sep.-Oct. (表紙 フェビアン)
フェビアン・ロング・インタビュー、奥田民生、遊佐未森、SEX、窪田晴男、上々颱風、福井ミカ、モノクローム・セット、他。
対談 : ケラ×鈴木慶一
特集 : アメリカン・コメディの流れ
連載 : COLLECTOR'S EDITION リンゴ・スター
- Vol.6 No.3 1990 Nov.-Dec. (表紙 佐野元春)
佐野元春ロング・インタビュー、ZABADAK、クアドラフォニクス、クレヨン社、さねよしいさ子、飯島真理、シジジーズ、他。
特集 : METRO SOUND SPECIAL(ポータブル・ロック+サエキけんぞうによる回顧録をはじめ、80'sニューウェイヴの千葉人脈による結び付きを特集。フィルムス、シネマ、ハルメンズ、東京ブラボー、8
2/1、少年ホームランズなど)
連載 : COLLECTOR'S EDITION イアン・マシューズ
- Vol.6 No.4 1991 Jan.-Feb. (表紙 ユニコーン)
ユニコーン・ロング・インタビュー、サンディー+久保田麻琴、鈴木さえ子、HALO、有頂天、小川美潮、フェアチャイルド、巻上公一、ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツ、他。
特集 : 1990 POP CULTURE SCENE ANNUAL REPORT
連載 : SAILOR (かなりお世話になりました)
- Vol.6 No.5 1990 Mar.-Apr. (表紙 ムーンライダーズ)
ライダーズ・ロング・インタビュー、高橋幸宏、dip
in the pool、加藤和彦、あがた森魚(雷蔵)、小川美潮、他。
特集 : 90'S DIFFUSION CULT(カルトな人気のアーティストを音楽、作家、映像、俳優などからランダムに紹介)
連載 : COLLECTOR'S EDITION バッドフィンガー
- Vol.6 No.6 1991 May.-Jun. (表紙 高野寛)
高野寛ロング・インタビュー、PSY・S、窪田晴男、ヤプーズ、平沢進、ZABADAK、ハバナエキゾチカ、クライヴ・グレッグソン、アニー・ハズラム、フィッシュマンズ、田辺守、他。
特集 : ムーンライダーズ後編
連載 : スティーヴ・ハーリー(コックニー・レベル)
- Vol.7 No.7 1991 Jul.-Aug (表紙 山下達郎)
山下達郎ロング・インタビュー、ザ・コレクターズ、南佳孝、近田春夫、ハイポジ、オリジナル・ラヴ、他。
特集 : ギャング映画史
連載 : COLLECTOR'S EDITION デイヴ・メイスン
- Vol.7 No.8 1991 Sep.-Oct. (表紙 野宮真貴)
ピチカートV・ロング・インタビュー&ヒストリー、
BEST 200 DISC(小西・高波セレクト。ソフト・ロックからNW、テクノ、ソウル、フレンチ・ポップ等とにかくスゴイ)、
東京少年、かの香織、立花ハジメ、渡辺香津美、仙波清彦とはにわオールスターズ、他。
特集 : 90's BRITISH WAVE(ギター・ポップ系)
特集 : ハードボイルド映画論
連載 : COLLECTOR'S EDITION ドノヴァン
この号を最後に、<POP IND'S>は休刊しました。編集後記で岩本氏はその理由を、「内容に自信がなくなってきたのです」「目指している雑誌と、現在発行しているポップ・インズの内容とがズレ始めてきていることに気づいたのです」などと記しています。この濃さで内容に自信がない? ちょっと納得できませんねぇ。
Chart
また、別冊として<Chart>というのもありました。左開きです。
- No.1 1986 AUG-SEP (表紙 ムーンライダーズ)
ムーンライダーズ・インタビュー(6人別々)、パール兄弟、SHI-SHONEN、鈴木さえ子、佐野元春、フルーツ・オブ・ザ・ムーン
(美尾洋乃バンド)、FILMS、GONTITI、URBAN DANCE(成田忍)、土屋昌巳、ショコラータ、dip
in the pool、ZABADAK、矢口博康(ニッチ・ポップ本にも載ってたANDY
MACKAYについて)、PSY'S、ポータブル・ロック、松尾清憲、他。各2〜3ページずつ程度です。
コラム : JAPANESE METRO SOUND(ハルメンズ、ビブラトーンズ)、オムニバス盤『別天地』解説、JEFF
LYNNE研究Part 1、他。
- No.2 1987 JAN-MAR (表紙 鈴木慶一、鈴木さえ子、他)
鈴木慶一、鈴木さえ子、伊藤銀次、パール兄弟、ヴァリエテ、メトロファルス、ポータブル・ロック、キリング・タイム、他。
特集 : トッド・ラングレン、ELO、あがた森魚
- No.3 1987 JUL-SEP (表紙 佐野元春)
佐野元春(80ページもある)、鈴木慶一・さえ子、PINK、窪田晴男、矢口博康、サロン・ミュージック、他。
特集 : スチュワート&ガスキン(インタビューとディスコグラフィー)、コーギス、あがた森魚
- No.4 1987 DEC-FEB (表紙 松任谷由実)
松任谷由実(50ページ弱)、佐野元春(30ページ)、鈴木慶一、岡田徹、鈴木さえ子ライヴ・レポート、大貫妙子、土屋昌巳、矢野顕子、キリング・タイム、久石譲、他。
特集 : トッド・ラングレンEPコレクション、ロイ・ウッド・ストーリー、あがた森魚、大英帝国のフランク・ザッパ達
(ボンゾ・ドッグ・バンド/ニール・イネス/スキャフォルド/ヴィヴィアン・スタンシャル/マイク・マクギア/グリムス/アンディ・ロバーツなど)
No.4には5号も出るぞ、てなことが書いてありましたが、僕は見たことないです。
初期の<インズ>の頃は、インディーズ系のバンドが多かったですね。<宝島>なんかもよく取り上げてたようなバンドですね。で、判型がちょっと変わってアタマに<ポップ>が付いてからは、日本のポップ・アーティスト達(ロック、と言うよりポップ)を、売れてる売れてないに関わらず、たくさん紹介してました。それと、『ビートルズ・フォロワー』とでも言うべき、ELOやパイロット(死ぬほどスキ)、バッドフィンガー、ロイ・ウッド、トッドなど、英米のポップ・アーティスト等もよく取り上げてました。当時はほとんどのアルバムがCD化されておらず、非常にはがゆい思いでジャケ写を眺める日々でした。さらに大型になってからは、内容の密度は相当なものになり、読むのにかなりの時間が・・・・。それと、この本のいいところは、装丁や紙質のすばらしさも挙げられます。買ってから10年ほど経つのに、全然汚れてない。買った当時とほとんど変わらないんです。紙も黄色くなったりしないし。これはホントすごいと思います。